能あるカノジョのかくしごと

三十三さとみ

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第一話 タカ子さんと契約です!

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 艶のある黒髪は三つ編みに結ばれ軽やかに揺れる。
 細い黒縁の眼鏡の奥では、大きな瞳が冷たくかがやいていた。

「鳶尾くん、よく考えておいて」

 そうささやいた彼女の声が、いつまでも耳から離れない――。
 ……今朝の夢の話である。



「おい、鳶尾。起きてるかぁ?」

 ぼんやりと宙をみていた僕の視線が、一人の男子生徒の声で像を結んだ。僕は「起きてるけど」と答えながらあくびをこらえた。

「もう、なんだよタクヤン」
「なんだよ、じゃねえ。お前、もしかしてその白紙で提出するのか?」
「……あれ、今なんの時間だっけ?」

 僕はタクヤンこと塩見拓弥にたずねる。タクヤンはあきれたように「美術の時間だけど……今日中に提出する絵、終わってないじゃん」と言った。

「あ……やべぇ」

 あわててえんぴつを手に取ると、目の前のビー玉と手元の紙とを交互に見ながら球体を書いていく。それをあきれた様子でタクヤンは見下ろしていた。

「お前なあ。いくら美術の広重先生がおっとりで優しいからって、そんなに油断してるとさすがに評定下がられるぞ」

 タクヤンの言葉に僕はムッとした。

「うるさい。いや、むしろもっと早くうるさくしてくれればよかったのに!」
「なんだよ。俺だって自分の絵を描かなきゃいけなかったんだよ」

 僕はブツブツと文句を言いながら練り消しを左手に絵を進めていく。どう見てもまだらでいびつな黒丸にしかみえない。しかし残り時間は十分をきっている。この状態で出すか、今日中に出すから放課後まで待ってください、とお願いするか、どちらか選ばないといけないな、と腹をくくった。

「仕方ない、昼休みと放課後で仕上げる。……ところで先生にはなんて言い訳しよう?」

 タクヤンの肩をたたいてナイスな言い訳がないか尋ねるが、彼はあきれてため息をつくだけ。

「そんなの自業自得なんだから、自分で考えろ」
「うわー、タクヤンって冷たいわー」
「冷たくないわ。あっつあつだわ」
「彼女いなくて年中冷えっ冷えなくせに」
「うるせ」

 タクヤンはしかめっ面を見せると、描き終わった絵を提出しに行ってしまった。そしてそのままほかのクラスメートをからかいに行ってしまい、もどってこなかった。

「ちぇ、冷たい親友だな」

 僕は仕方なく描き途中の紙を手に、広重先生を探した。美術室の後方でデッサン用の石膏像をうっとりしながらなでていた。わあ、話しかけたくない。

「あのー、広重先生?」
「あら、平くん。どうしました?」

 一生懸命に〈申し訳ありません〉という表情を作る。

「それが、どうしても納得いくのが描けなかったので、放課後まで提出を待ってもらいたいんですが……」
「そうなの? ちょっと見せてもらえる?」
「はい……」

 広重先生は僕から紙を受け取ってひと目見るなり「あら……そうね、まだ光の描きこみが足りないわね」とうなずくと、僕にスッと返した。

「放課後、四時半までに出しに来てちょうだい?」
「はい」

 するとちょうど授業の終了を知らせるチャイムが鳴った。

「みなさん! 今日はここまで。次のクラスがあるから、早めに教室へ戻ってちょうだい」

 広重先生の合図で二年一組の生徒は一斉に立ち上がった。そしてぞろぞろと美術室をあとにする。

「それじゃあ平くん、放課後ここに出しに来てね。四時半すぎたらカギを閉めちゃうから、それまでにね?」

 広重先生はそういうと、うすいバーコードのような頭をなでながら「次のクラスは三年生ねー」と歌うように準備室へ消えていった。気合を入れるようにネクタイをきゅっと占め直している。広重先生がなでていた彫りの深い石膏像は、解放されたと安堵の顔をしているように僕には見えた。

「とりあえず、第一関門は突破だな」

 僕は安心して美術室から出た。階段を上がって二年一組の教室を目指す。すると体育館を目指す二年二組の女子たちの列がこちらに向かってきた。

(……あ! タカ子さんだ!)

 先頭をきって歩くのは、二年二組の学級委員、能有孝子だった。長い黒髪を左右二本の三つ編みに結んで、細い黒縁の眼鏡をかけている。一年前から僕が片思いしている人だ。踊り場にくると、道を譲るように端へ避けた。

「私語はしないでください」

 しかしタカ子さんは僕に目もくれず、列の後方のおしゃべりを注意してそのまま歩き去っていった。

(僕なんてきっと、一生タカ子さんの眼中にはいないんだろうな)

 僕は苦笑しながら階段を上って自分のクラスに入っていった。

「よ! 鳶尾。遅かったな」

 教室にはもうほとんどのクラスメートが戻っていた。僕は教科書や筆記具、提出用の画用紙を自分の机に置くと「なんだよなんだよー」と声をかけてきた男子のもとへ向かった。そこにはタクヤンもいる。

「なあ、みんな! こいつの武勇伝、聞きたいよな?」
「なになに?」

 僕は春の恒例行事だと内心あきれながら「おう、あれか? 伝説の武勇伝、みんなに言っちゃう?」とその男子のノリに乗った。

「こいつ、めーっちゃモテるんだよ。これまでの告白された数、なんと三十人を超えて三十五人もいるんだぜ!」

 すると周りの女子も男子も「すごーい」とか「うっそだー」なんてはやし立てる。

(これまでに告白されたことはたしかにあるけど、せいぜい五人ぐらいなんだよな……)

 そんな思いも裏腹で、僕は笑顔で「どうだ、すげーだろ?」とこたえる。

(しかもこいつが話す僕の武勇伝の人数、年々増えてるんだけど。去年は二十九人で肉食男子だろ、なんてつまらないギャグまで言っていたのに)

 ちなみにこの一年で僕はだれからも告白されていないから、告白された数が増えようもない。

 そもそもこの目の前の男は幼稚園からの付き合いだが、別に仲良くもなく、ただなぜか毎年クラスが一緒になるだけの腐れ縁。年度始まりの春になると、クラスの盛り上げ役になるべく僕の武勇伝(誇張)を披露することでその座を得ようとする、なかなかに卑怯な男だった。

「なあ、もう良いだろ? 恥ずかしいぜ」

 僕がおどけながら言うと、その男子も「そうだな、色男」と言って手を振って追い返す。これでこの男とは一年、もうほとんど話すことはないだろう。だからここでもこいつの名前はわざわざ言わないのさ。

「平くんって、モテるんだね」
「意外だよー」

(意外ってなんだよ)とつっこみたい気持ちをなんとか抑えて自分の席に座る。するとうしろの席のタクヤンも戻ってきた。

「お前も難儀だな」
「うるせ。そう思うなら訂正するなり止めるなりしろっての」
「やだよ。クラスで浮きたくないもんね」

 タクヤンはそう言って笑った。僕はタクヤンの涼し気な顔を見て「相変わらず冷たいねぇ」と首をすくめた。

 タクヤンは小学生六年生のとき、僕の通っていた学校に転校してきた。最初は孤高の存在だったし、さっきの男子による〈平鳶尾のモテモテ話〉を披露されても鼻で笑っていただけだったけど、ひょんなことで僕たちは親友になった。僕の本音を話せるのはタクヤンだけだし、タクヤンも当初より人当たりが良くなったとはいえ、正直に話すのは僕が相手のときだけだった。

 僕はそんなタクヤンを信頼して言った。

「なあ……深刻で大事な話がある」
「なんだ? 聞いてやる」
「タクヤン。……僕の代わりにビー玉を描かないか?」

 タクヤンはにっこりとほほ笑んでうなずいた。

「やだね」





 放課後、僕は一人で二年一組の教室に残ってビー玉のデッサン……とはお世辞にも言えない絵を、描いては消し、描いては消し……とくり返していた。

 四時半の締め切りまであと三十五分。これだけあれば描ききれそうだけど、見本のビー玉が手元にはなく、想像で描くのはなかなかハードだった。

「むずかしい……美術とか選択制にならないかなあ」

 グチグチと文句を垂らしながら鉛筆を縦横無尽に動かしていく。お、なかなかよさそうじゃない? いや、こっちを直した方が――あ、練り消し強くやりすぎた。さっきよりひどいぞ……のくり返し。こだわりはじめたらキリがないのはわかっているけれど、終わりどきがなかなかつかめない。

「そこ、バランスがおかしいわ。光の入りが不自然よ」

 僕の手が止まった。この声に、聞き覚えはある。でもまさか――そんな。

 ゆっくりと顔を上げると、そこには三つ編みを胸の前に垂らしたタカ子さんが立っていた。

「え……なんで?」

 タカ子さんは僕の質問に答えてくれた。

「私、美術部なの。広重先生から平くんへ伝言を預かってきたわ。〈五時まで美術室にいるから、五時までにきなさい〉だそうよ。伝えたからね」
「あ、ありがとう……」

 そういえばタカ子さんは美術部だった。二年生の美術部部員は何人かいるけれど、タカ子さんが来てくれたなんて、運命のようだった。いや、もはや奇跡に近い。タカ子さんを伝言役に選んでくれて、広重先生本当にありがとう!

 タカ子さんは伝言を伝え終えたというのに、僕の席の前から離れようとしなかった。

「あの……能有さん?」

 まさか気安く〈タカ子さん〉なんて呼べるわけもなく、僕はおずおずと名字でたずねた。するとタカ子さんは「あまりこういうことはしない方がいいとわかっているのだけど」と前置きをしてから、僕の前の席のイスを引っ張ってきて座った。

「少しだけ、直させてちょうだい。その代わり、ちゃんとみていて」
「は、はい」

 僕はタカ子さんの手元をじっと見る。えんぴつをサッサッと動かしていくのを穴が開くほど見つめた。白く小さな手だけど、指は長く、えんぴつを持っているだけなのに〈絵〉になっている。この一瞬を写真に収めて一生ながめていたいぐらいだ。

「……こんなところかしら」

 タカ子さんの動きが止まった。僕と彼女は同時に顔を上げる。視線がからまった。

「あ、ありがとう……」

 タカ子さんは「いいえ、どういたしまして」と淡々と答えた。そして淡々と続けた。

「平くんはモテモテだと聞いているわ」
「っへ?」

 思わず素っ頓狂な声がでてしまった。咳払いをして「そ、そんなことないよ」と答える。

 タカ子さんはまっすぐに僕を見つめて首を振った。

「謙遜しなくていいわ。毎年三十五人の男子女子に告白されていると風のうわさで聞いているわ」

 どんな風だ! そしてそんなうわさが流れているなんて、僕は知らなかった!

 しかも、累計三十五人じゃなくて、毎年三十五人? しかも女子からだけじゃなくて男子からも告白されてるの? どんな王子様だ。

「昨年、学級委員で一緒になった七志権くんにそう聞いたのだけれど」

 七志のやつ!

 こんなところでお前の名前を明かすことになると思わなかったよ! 腐れ縁の、七志権! お前は僕のいないところでも僕のうわさを流していたのか。これはさすがに許せない。

(いや、むしろ好都合か? おかげでタカ子さんに僕は認知されていたのか)

 さすがに七志を許すわけにはいかないし、お礼なんて絶対に言わないけれど、まあよくやったと心の中でつぶやくぐらいは良いだろう。

 僕は涼しい顔で答えた。

「さすがにうわさだよ。誇張が過ぎるっていうか、そんなに告白されないよ」

 むしろ、誇張しかないのだが、だからと言って「僕はそんなに告白されていないしモテません」ということもできなかった。僕ってプライドが高かったんだね。

「私、そのうわさを聞いてから平くんのことを気にしていたの」

 そうだったんですか? 僕は途端にどぎまぎし始めた。とんでもないうわさ(もはやデマ)のおかげで、僕はタカ子さんの思考回路の片隅に住んでいたということだろうか? そう思うとウソっぱちなうわさも悪いもんじゃないな――なんて思っていたら、タカ子さんは口を真一文字に結んだ。やばい、怒った?

「平くん。平鳶尾くん」
「は、はい」
「私と一年間、恋人の契約をしません?」
「……え?」

 僕はなんとも間抜けな顔をしていることだろう。だってまさか、タカ子さんから〈恋人〉なんて単語を聞くと思わなかったから。

「えっと、恋人?」
「ええ。私と平くんが一年間、恋人になるの。カレカノってやつね」

 僕は口をあんぐりと開けて茫然としてしまった。言葉を失うとはこのことか……。

「もちろん、モテモテの平くんにはむずかしい提案だと百も承知よ。でも、私に時間を割いてくれれば、私も平くんにできることはしてあげるわ?」

 な、なにをしてくださるんですか? 僕の頭の中ではたくさんの場面の妄想が浮かんだ。

 タカ子さんと手をつなぐ僕。
 タカ子さんとデートする僕。
 タカ子さんとキ、キ、キキキ、キス……とかしちゃったりする、僕。

「そうね……たとえば勉強をみてあげる、なんてどうかしら」

 僕の妄想は一瞬でチリとなり風に吹かれて消えていった。

「勉強、ですか……」
「数学が苦手だという話を聞いたわ。今もそうかしら?」
「そうですが……」

 タカ子さんは僕の内心がどんなにジェットコースターになっているかも知らず、ほほ笑んだ。

「それなら私が、僭越ながら数学を教えてあげるわ。これでも毎回のテストで満点をとっているの。すこしは得意のつもり」

 毎回満点を取っていて〈すこしは得意〉というのは謙遜が過ぎると思う。僕のウソのモテ話より謙遜していると思うぞ。

「ほかにも、二年生になってむずかしくなってきた勉強を、私ならすこしばかり教えてあげられると思うの」
「それは……」

 正直、ありがたいと思う。僕の成績については両親が塾入りを検討するレベルだったから。タカ子さんの成績が学年一位なのも有名な話だし、一対一で教えてもらえるなんて、そんな光栄なことはない。

 でも、なあ。

 僕、そんなにモテないし恋人になっても、タカ子さんのメリットってないんじゃないだろうか。

 タカ子さんは僕が悩んでいるのを察すると、スッと立ち上がった。

「わかってるわ。もちろん、平くんの好みの女子じゃないことは。私みたいな地味でつまらない人間と一年間も一緒にいて、楽しくないと思うわ」
「いや、決してそんなことは」

 思ってません。むしろタカ子さんのことを思っているんです!

 しかしタカ子さんは頭を下げてしまった。

「ごめんなさいね、困らせるつもりじゃなかったの。……さっきの話は忘れてちょうだい」

 そういってタカ子さんは教室を出ていこうと背中を向けてしまった。

「ま、待って!」

 僕はタカ子さんのうでをつかんだ。

「……平くん?」
「ぜ、ぜひ付き合いたい。そういう契約の関係とか、おもしろそうじゃん」

(僕のうそつきーっ! なんで素直に「タカ子さんのことが好きでした! むしろぜひ付き合ってください」とか言えないんだよ、バカっ!)

 そんな心のうちの葛藤を隠して、僕は笑顔を浮かべた。振り返ったタカ子さんは「まあ、うれしいわ!」と口元をほころばせる。

(か、かわいい……)

 タカ子さんは再びイスに座ると「平くんも座って座って」と僕の席を指さした。

「平くんはノート派? ルーズリーフ派?」
「ルーズリーフだけど」
「じゃあ、白紙のルーズリーフを一枚もらえるかしら?」

 僕はうなずくと、カバンからルーズリーフの入ったクリアファイルを取り出した。

「はい……なにするの?」

 タカ子さんは僕のペンケースからシャーペンを一本とり出すと言った。

「契約だもの、最初に約束事を決めておかないと」

 僕が「そうだね」と同意している間にも、ルーズリーフにはきれいな文字がすらすらと書かれていく。

(本当にきれいな文字って、並ぶだけでも一つの作品だな)

 そんなことをぼんやり思っていると、タカ子さんがルーズリーフをこちらに向けて「どうかしら」と尋ねてきた。僕はあわてて「あ、うん。確認するね」と目を通した。



 一つ、期限は一年とする。具体的には二年生の学期終了まで

 二つ、交際は周囲に内緒にすること(例外はある)

 三つ、交際期間中でも、本当に好きな人があらわれた場合は破局も可

 四つ、交際期間中の相手の秘密は絶対に守ること

 五つ、交際期間中は相手の意思を尊重すること



(まるであらかじめ用意していたかのような完璧さだ)

 僕は「良いと思う」と答えると「それじゃあサインをして。ああ、消えないペンでね」とタカ子さんが言った。ペンケースからサインペンを取り出すと、僕は下の空白に〈平鳶尾〉と丁寧に書いた。続けてタカ子さんも僕のサインペンを借りて〈能有孝子〉と書き込んだ。

「これは私が預かります。コピーが必要なら用意するけれど?」
「いいよ、持っててくれれば」
「わかった」

 タカ子さんはうなずくと、そのルーズリーフを半分に折って大事そうに胸に抱いた。

「それじゃあこれからよろしくね、鳶尾くん」
「あ、うん。じゃあね。伝言、ありがとう」

 僕が手を振ると、タカ子さんはさっさと教室を出て行ってしまった。

 えっと。

(タカ子さんと、お付き合い? 恋人契約? これは……夢?)

 僕は机に転がるえんぴつをにぎると、そっと左手の甲に刺してみた。

「ギャッ!」

 痛かった。

 こんなことをしている自分も相当痛いけれど、えんぴつの丸くなった芯でも十分に痛かった。

「痛い……つまり、現実……」

 僕はたった今から、タカ子さんのカレシになった……ってことで良いんだよな?

 でも、恋人契約で、偽の恋人ってことだよな?

 その場合、どこまでがセーフで、どこからがアウトになるの?

 手はつなげる? というか、タカ子さんに触っても大丈夫? アウト?

 一緒に下校したりするのかな? デートは? 土日も会ったりする?

 僕の頭が今までにないほどフル回転していると、四時四十五分を知らせるチャイムが鳴った。

「……あ! と、とりあえす課題を提出しないと……!」

 僕はペンケースをカバンに放り込んで駆け出す。課題を出して、それから考えよう。

 一年も片思いしていたタカ子さんと、まさかの交際。たとえ偽の恋人だろうがなんだろうが、こんなチャンスを逃すわけにはいかない!

 がんばれ、平鳶尾、男をみせる時だぁー!

「おい、平! ろうかを走るな」

 遠くで四組の担任が僕を叱っている。でもそんな大きな声すら、今の僕の心には微塵も入り込めなかった。
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