異世界陸軍活動記

ニボシサービス

文字の大きさ
80 / 260

目覚め

しおりを挟む

 目の前にはまさに海兵隊と言った風貌の3人が立っている

「部屋間違ってませんか?」
 

「かーっ、大将よぉ、寝すぎてボケちまったんですかい?」

 信じたくはない、信じたくはないがこの3人は間違いなく‥‥
「貴方たちの事は初めてお会いしますけれど」

「全く、大将もどうしようもないなぁ‥‥俺らですよ」

 やめて! 聞きたくない、言わないで今すぐどっか行って!

「大将の召喚獣のノームですよ」

「な、なんだって!」
 知ってた、召喚獣との繋がりで分かってた。

「ハヤト隊長がこの姿にしたのではないのですか?」
 あれ? 以外、とばかりにタクティアが聞いてきた。

「俺は一切かかわって無いよ、それで? お前らその姿はどうした?」

「どうしたって言われやしてもねぇ‥‥うちらは元からこの姿ですから」

 駄目だ、言葉を話せるようになっても話が通じない、要するにこいつらも分かって無いんだろう、言葉を話せるようになったのも‥‥まぁいいや気にしないでおこう

「分かった、俺はもう大丈夫だからお前たちはもう戻っていいぞ」

「そうですかい? じゃぁあっしらは失礼しますよ」
 ニカッと笑う

 表情も変わるのか‥‥いったいどうなってるんだか、ん?

 水差しを置いて魔法陣に消えようとするノーム達の手に、袋が握られているのを気づいた。

「ちょっと待てお前ら」

「へい、なんですかい?」

「その手に持っている袋は何だ?」

「これですかい?」
 手に持っている袋を持ち上げる
「これは酒ですがね」

 酒? パナンのシロップじゃなくてか?

「何でお前ら酒なんか持ってるんだ?」

「そりゃ、買ってきましたからねぇ」

「そっか、ならもう戻ってもいいぞ」

「へい、じゃぁこれで‥‥」

 ん?
「まてまてまて!」
 
「え? なんすかい?」

「金はどうした?」

「ちゃんと払いましたがね」

「そうか‥‥いや違う、どこにそんな金があった?」

「どこにって‥‥そりゃ大将の金ですがね」

「お前ら勝手に使ったのか!」

 俺がここで寝ている時、ノーム達はちょくちょく外に出て酒を買い、この部屋で酒盛りをしていたらしい、支払いは魔道具に手を触れたらちゃんと払うことが出来たと言っていた。
 召喚者と召喚獣は繋がっているので、それを通じて俺の『財布』から支払えたようだった。

 ただ勝手に俺の金を使うのはどうか? と注意したが
「勘弁してくださいよ、こっちは大将の身の回りの世話で大変だったんすよー? オシメとかも俺達が変えていたんですから」

 こいつらにオシメも変えられていたと聞いて、何も言えなくなった。
 申し訳ないとかは思わないけれど、ショックだった‥‥

 これ以上何も言いたくなくなったので、ノーム達3人を返すことにした
 最後に何故パナンのシロップじゃなくて酒なんだ? と聞いたら

「あんなのはガキの飲む物でさあ」
 と言っていたが、そもそもパナンのシロップは飲み物ではない

 ノームが帰還したのを見届けて
「タクティア、この後ってどうなってる? 休暇とか取れそう?」
 正直仕事したくない

「ええ、他の3人の隊員達は1ヵ月休暇を取りましたから、もう一月休暇を取ったら、一時的に別の部隊に配属される事になるでしょう‥‥とは言っても前線ではなく、緩衝地帯の村や町への駐留部隊としてですね。
 私は本部での仕事がありますし、ソルセリーはハヤト隊長が休暇を終えるまで休むことが出来ます、一応ハヤト隊長は、破損した防具などの修理があると思って、長期の休暇を申請しておきました。どのくらい休むかはハヤト隊長次第になってます」

 へー取らせてもらえるのか、軍に正式に入ったからもう無理だと思ってた。
「そっか、ありがとう、あと、休暇が終わったら今度はどこに行くことになる?」

「軍では休暇が終わり次第、大陸東部の前線に配属されるはずだったのですが、ゴルジア首相から『待て』がかかりまして」

「首相が?」

「はい、今回ハヤト隊長が瀕死の状態になってしまった事は軍に責任があると、それでゴルジア首相がハヤト隊長が前線に行くのは認められないと」

 首相が俺の給料の半分を出してるから、俺をどうこうする権利がある‥‥んだったな確か

「なのでしばらくの間は、緩衝地帯付近の村や町の駐留部隊として配属される事になるでしょう、ソルセリーもいるので、私もそれに賛成ですね」

 
 その後もタクティアとこの後の話をし、怪我も完治し意識が戻ったことで退院することになった。一旦俺は家に帰る事にし、タクティアに別れ際

「召喚者殺しって聞いたことある?」

「召喚者殺しですか? いえありませんね、どこでそれを?」

 俺が改造した穂先が黄色に光る槍を見せる
「これを出した時にさ、マシェルモビアの兵に「召喚者殺しを何で持っている?」って言われたんだよね」

「ほう‥‥」

「そしたらそこにいた敵の召喚者が、出していた召喚獣を魔法陣に返したんだよ」

「‥‥少し調べてみます、何かそう言った報告が上がっているかもしれませんから、その槍お借りしてもいいですか?」

「うん、持って行って」

 タクティアは槍を受け取り
「それとハヤト隊長、あのお店の主人が意識が戻ったら一度来て欲しいと言ってましたよ」

 オヤスが?
「分かったよ、空いたら行って見る」

「お願いします、多分顧問として話が聞きたいのでしょう」

「‥‥顧問ってなに?」

 
 いつの間にかオヤスの会社の顧問になっていた俺は、とりあえずはゴルジア首相から借りている家に戻る事にした。
 そして家に入ったとたん浮かび上がる黄色の魔法陣

 デュラ子かな? それにしても‥‥どいつもこいつも勝手に出てくるんだな

 出て来たのは予想どおり、黒の軽鎧姿のデュラ子‥‥‥‥誰!?
「デュラ子‥‥だよな」

「はい、主よこの度の怪我からのご快復おめでとうございます」
 そう言ってデュラ子? は頭‥‥上半身を下げた、そしてその状態のまま‥‥

「主よこの度は申し訳ありませんでした」
 そのまま俺に対して謝ってきた。

 多分ソルセリーの『消滅』で俺を守り切れなかったからだろう、でもそれはしょうがない、あんなのを食らってしまったら、誰だって耐える事なんかできない、逆にデュラ子が間に入ってくれたらかアレで済んだと思っている

「顔を‥‥上半身を上げてくれデュラ子、お前があの時割って入ってくれたからアレで済んだんだ。もし間に入ってくれなかったら俺は死んでいたと思う、だからお前は立派に役割を果たしたぞ」

「あ、いえ、そちらの事では無く、主にせっかく作っていただいた鎧を失ってしまって‥‥」

「ん? あれ、そっち?」
 まぁ、鎧は作ればいいんだけれど‥‥、それは置いといて
「デュラ子、お前少し変わったか?」

 その言葉でビクリとデュラ子は体を震わせ、そして、そのまま土下座の体制に入った。
「も、申し訳ありません主よ! せっかくの主に買って頂いた服を着ることが出来なくなってしまいました!」

 頭を押し付けるではなく、首の根元を床に押し付けるように謝ってくる

 服が着れなくなったのは今のデュラ子の姿の事だろう
「まぁまぁデュラ子、取りあえず立ちなさい」
 そう言っても土下座をするデュラ子を何とか立たせ、デュラ子を観察する。

 まず顔が変わった、変わったと言ってもまるっきり違う顔になったのではなく、どこか大人っぽくなっている、前が10代後半だとしたら、今の顔は20代前半だろう、身長も伸びている様だし‥‥それに

 胸がデカくなった! 素晴らしい! 
 もしかしたらお尻もちょっと大きくなったかもしれない、なるほどな、コレだと服もサイズが合わなくなるか、これは仕方ない、ただ、ノームの姿が変わったのを事前に見ていたので、デュラ子が成長? してもあまり驚かなかった。

 さて、今日は一日ゆっくりと休もうと思っていたが‥‥

「デュラ子、靴はどうだ? 足のサイズは変わったか?」

「いえ、足の大きさは変わってはいませんでした」

「そうか、所でその姿になった原因は何だ? 何か分かるか?」

「何故体が大きくなったのかは分かりません、しかし、だいぶ前から体の調子が少し変でした」

「調子? 悪かったのか?」

「いえ、その逆です、むしろ調子がいい位でした」

「ふむ・・・」
 分からないか‥‥ノームもそうだったけれど、分からないならどうしようもないな、ま! それはいいか、それよりも‥‥
「よしデュラ子これからお前の服を買いに行くぞ」

「いけません主よ! そのような事に主の大事な金銭が使われてしまうのは、服が着れなくなったのは私の責任です、なので!━━」

「デュラ子よ、お前が責任を感じるのは分かる、でもな、お前が肉体的に成長したのはしょうがない事だし、なにより、俺がお前のセクシーな姿を見たいんだ。それが俺の楽しみでもあるし、お前だって色々な服を着てみたいだろ? だから‥‥な?」

「あ、主よ‥‥」

 涙を流し感激するデュラ子だが、俺の方は邪な考えを持っていた。
 デュラ子を一旦魔法陣に帰しても良かったのだけれど、それだとせっかく作ったバギーに意味がなくなる

「その軽鎧姿だと俺の背中がいたくなるから」
 と言って、今ギリギリ着れる服を着させた、ピッチピッチの服装でバギーの後ろに乗せた時、背中に感じるあの柔らかさは何とも言えぬ良い物だった‥‥

 
 良い物だった‥‥


 その日、昼前に買い物に向かい、帰ってこれたのが、辺りが完全に真っ暗になってからだった。
 
 女の買い物はなんとやら‥‥‥


 ・・・・

 ・・・・

「明日は早起きして色々やる事があるから宜しくね」
 鳩の姿をした召喚獣ポッポに、朝に起こすようお願いしてその日は眠りに着いた。
 召喚する時ポッポも姿が変わっていたらどうしようと思ったけれど、姿は変わらずポッポは白い色の鳩の姿だ、安心した


 ・・・・

 ・・・・

 つんつん

「ん‥‥」

 つんつん

「んあ‥‥」
 何だか顔を突っつかれてくる

 あ、朝か‥‥

 ゆっくりとまぶたを開ける、まだ視界はぼやけているが、起こしてくれたポッポに挨拶をする
「ポッポおはよ‥‥」

 朝の挨拶をしようとポッポの居る場所に目を向けると、ポッポの居たであろう場所には、白い羽が散乱していて、その散乱した羽の上には‥‥

 
 






 たかがいた


「‥‥‥‥」

 え?

「ポッポが食われた!!」

 俺は直感的にそう感じた
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~ 大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。 話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。 説明口調から対話形式を増加。 伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など) 別視点内容の追加。 剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。 高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。 特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。 冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。 2021/06/27 無事に完結しました。 2021/09/10 後日談の追加を開始 2022/02/18 後日談完結しました。 2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

処理中です...