異世界陸軍活動記

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海上戦 勝利

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 召喚魔法陣から現す姿に、敵竜翼機パイロットですら見入っていた
 
 この世界の、どの巡洋艦よりも
 この世界の、どの空母よりも
 巨大で存在感のあるその姿を、召喚した俺自身が身動きが取れない程圧倒的だった

 召喚途中にもかかわらず、既に自分達が乗っている艦の全長を越えているがまだ全容が見えない
 
 
 なんだこれ?

 突然頭の中に靄のように浮かぶ何かがある


 これは‥‥本?


 そう思った時、その靄はその姿を一冊の本に変えた


 なんの本だ‥‥
 
 ‥‥‥ああ、なるほど
 俺じゃあこの召喚獣を扱えないって訳か

 頭の中に浮かんだのは召喚獣のマニュアルだった。
 召喚獣ヤマトは本来の召喚主、つまり俺の事を動力源とみており操る者は別に必要になるようだ。
 各々自分の判断で行動する他の召喚獣と違い、完全命令型になるらしい

「だったら」
 今魔力を供給している召喚隊の中から一人━━

「あ‥‥‥うん‥‥‥」
 そこに丁度、先走って魔力を流そうとして倒れた女性召喚者に意識が戻った所だった。起き上がろうとするが、振り落とされないように仲間がローブの端を踏んでいたので起き上がれず、また潰れるように倒れる

 あれでいいか
「そこの倒れている召喚者! お前だお前!」

「えっ!? わ、私?」
 今度は足をどけてもらい立つことが出来たようだ

「そうだお前だ! これからお前には召喚獣を操ってもらう」

 気が付いて早々何のことか分からないだろうが、今は一刻を争う状態。こっちもそんなに余裕がある訳でもないし言葉遣いが少々悪いが、女召喚者に命令口調で指示を出す。
 文句は後で受け付け、スルーするつもり

「し、召喚です‥‥‥か?‥‥‥えっ?」
 いきなりで訳の分からないという状態だったが、流石に隣で召喚中のものを見て一瞬言葉を失っていた。呆然とする女召喚者

「おい! 聞いているのか! 今からお前に召喚獣制御の力を譲渡する、近くの魔法陣に触れろ!」

「え? え、そ、その」
 一度触れて気を失ったのが残っているせいか躊躇うが━━

「いいから早くしろ!」
 怒気を含んだ声で叫んだ

「は、はい!」
 慌てて魔法陣に触れる

「今から譲渡する! 頭の中に何か浮かんだか?」

「ほ、本が見えます!」

「よし行くぞ!」

「えっ? きゃっ!!」
 いきなり譲渡され、ビクンと体を震わせた女召喚者だったが

「行けるか!」
 そう確認すると

「‥‥‥行けます」
 さっきまでの冷静を欠いていた状態から、目が座りまるで別人のように人が変わっていた。そしてそのまま召喚獣の方へと歩き出す

「お、おい! 何処へ行く!」
 そのまま行ったら海に落ちるだろうと思い止めようとしたが、彼女の進む先に光輝く橋が現れ、召喚途中のヤマトへと続いていた。その橋を渡り彼女はヤマトへ、そしてそのまま艦橋の中へと入って行った

 えっ! 乗れるの?

 自分も乗りたいと思ったが、残念ながらこの場から動く事が出来ず理不尽! と思った。
 そうしている間に遂にその完全な姿を現す事となる

 今まで敵味方とも攻撃の手を止めていたのだが、完全にその姿を現した瞬間、敵竜翼機によるヤマトへの攻撃が始まった。 
 普通なら召喚元である自分達を攻撃するのが当たり前なのだが、竜翼機は自分達ではなくヤマトに攻撃を加えようとする。
 人は恐怖を覚えたり、理解を超えるものに対し、まとまともな判断が出来なくなるそうだが、今の竜翼機パイロットの心境もそうらしく一斉にヤマトへと向かう。
 だが、その前にヤマトからフロート付きの2機のプロペラ機がカタパルトから射出される。この世界には存在しないプロペラによる飛行を可能としたその2機は射出後、上空を目指し上昇を始める

 しかしそれを黙って見ている敵ではない、すぐさまプロペラ機の後ろに付き機銃を撃つ━━
 
 あっ! いきなりやられた

 と思った時には何故かプロペラ機は敵機の後ろに回り込んでおり、逆に機銃で撃ち落としていた。あまりの一瞬の出来事に理解が追い付かなかったが、敵機に機銃を放たれた瞬間、垂直旋回したプロペラ機は有りえない角度で敵機の後ろに回り込み、逆に機銃を撃っていた。
 しかも『耐壁』の魔道具を乗せているであろう敵機をいとも簡単に撃ち落としたのだった。

 旋回能力に長けている竜翼機だが、プロペラ機は遥かその上を行っており、敵機を撃墜したプロペラ機は自身の目の前ににいた敵機を更に2機撃墜、もう一機カタパルトから射出されたプロペラ機も敵機を1機撃墜していた

 勝ちパターンに乗ったんじゃ?

 たった2機で既に4機の敵機を撃ち落としている、このまま味方竜翼機と連携して頭上の敵機を全て落とせる、そう思ったが
 ━━2機のプロペラ機はそれぞれあさっての方向に飛び立っていった

「ちょ、ちょーっと! どこへ行くの!」

 頭上には数えきれないほどの敵機の数、空母は既に戦闘不能状態で俺達が乗っている艦はもう一撃たりとも攻撃を受けることは出来ない、味方竜翼機はそのほとんどが敵機により撃墜されている。更に周辺には姿を隠した敵艦3隻。
 それらをほっといて希望と思われたプロペラ機は飛び去ってしまった

 もしやあの女召喚者、制御出来てないんじゃ‥‥

 そう不安と絶望が胸にわき出した時━━

 ヤマトの艦橋付近に集中している高射砲が一気に火を噴いた。その放たれた弾は目視でも捕えられたほどの一斉射撃。
 それは止まる事無く撃ち続けられ、次々に空中に黒い花を咲かせる。撃墜され、海面に落ちる事も許されない程撃たれた敵機はそのまま空でその存在を消す、わずかに燃え残った残骸だけが海面へと落ちて行った。
 ヤマト上空で存在の許可が下りたのは味方機のみであり、それ以外は存在自体認められなかった

「す、すごい‥‥‥」
 それは誰の言葉だったか? 周りの召喚者が言った言葉かもしれないし、無意識のうちに俺から出た言葉かもしれない、あれだけ撃墜に苦労していた竜翼機を一瞬で塵へと変えたヤマト

 自分達が空に気を取られていた時、ヤマトの主砲と副砲は既に旋回を始めていた。ほのかに火薬の臭いが漂う中、標的を捕えた副砲が放たれる。
 それは完全に姿を消していたはずの敵艦を見事直撃、衝撃により姿を現した敵艦は既に大破の状態であった。『耐壁』で持ちこたえたのだろうが、直ぐに2射目が放たれ完全にその姿を完全に見せる前に吹き飛ぶように消失した。
 それと同時にもう一基の副砲が同じく敵艦を沈めており、残りの1隻を求め副砲は旋回を開始する━━

 
 突如

 激しい音と振動と同時にこの艦の前方が真っ赤に染まる
「うわぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁぁ!」
 突然の事に皆頭を低くしその衝撃に身を震わせる、この艦がついに被弾したか? と思われたが一面に広がる強い火薬の臭い

「主砲を放ったのか!? この近距離で?」
 
 いまこの乗船している艦はヤマトと並走するように進んでおり、距離もあまり離れてはいない。本家の戦艦大和の主砲はその衝撃も凄いと聞いてはいたが━━

「ここまでとは聞いてない!」

 衝撃の音といったら、召喚獣のヤタもかなりの物である、それにソルセリーの『消滅』もだがその二つとはまた別の音であった。
 無理やり空間を引き裂き、そのまま体まで引き裂かれるのではないか? と思ってしまうほどの異次元の音。
 そもそも魔法による爆発の音と、火薬による爆発の音ではまるで種類が違う

 そして次は見てしまった。
 二番主砲の砲身から吹き出す炎を、およそ巡洋艦の全長と同じくらいの炎を吹き出し、弾丸を発射する瞬間を‥‥

 失明すると思った位の赤い光を放ち、この艦全体を、をして海面を大きく震わせた。
 瞬時に目を閉じたが、瞼の裏にはその炎の形がはっきりと残る位の光で、目を開けるとその場所だけが真っ白に染まる。
 
 その後に来る強烈な火薬臭に、咳き込む召喚者達。さながらパニック映画様な光景が俺達がいるカタパルト付近に広がっていた。
 自分達が召喚したにも関わらず、ヤマト本体を揺らすほどの衝撃に皆その召喚獣に恐怖を抱く。
 だがそれだけでは終わらない

 ヤマト3基の主砲の内、艦橋の後方にある三番主砲の旋回が終え目標を捕える、ただ‥‥

「こっち見てんじゃん!」

 主砲の砲身が明らかにこっちを向いており、もちろんこのまま発射した場合、弾丸が当たる訳では無いが、それでも直接あの衝撃をまともに受けるであろうことは明確だった。
 この艦自体三番主砲の真横に位置付けていたため、このままでは衝撃だけで俺達カタパルト付近にいる者達は消滅しかねない

「か、艦長ー! 艦長ー!」
 ここから叫んでも聞こえる訳では無いが、思わず叫んでしまった。他の召喚者達も悲鳴をあげるが魔力を供給する魔法陣から手を放そうとしない、なんというプロ根性。
 もしかしたら恐怖で動けないだけかもしれない、それ以前に魔法陣から手が離れない

 流石にこの状況を危険と判断したのか艦は速度を上げその場所から離脱する、だが船は車と違い急にはスピードに乗れない

「ちょぉぉぉっ! ちょぉぉ! 撃たないで! まだ撃たないでね!」

 その心からのお願いも虚しく、3番主砲が火を噴いた。
 熱風と衝撃が同時に襲いキーンという音が耳に届く、更にもう一発放たれ役目を終えた砲身はゆっくりと下がる
 そして油断した所を時間差でもう一発、計3発の弾丸が発射された

(う、うぅぅっ‥‥)

 気絶はまぬがれたが、全身を襲う異様な疲労感なのか? それとも衝撃によるダメージなのか? 体が異様にだるい、他の召喚者達は?

(み、皆、大丈夫か?‥‥‥あれ? ‥‥あーあー、もしもーし)
 全くの無音状態
(あー聞こえなーい! あーあーっ! 全然聞こえないよ!)

 聴覚までやられてしまい、尚且つ視力がまだ完全に回復していない状況、まさか味方がいるのに撃つとは思って無かった

(あの女召喚者! 後で覚えてろよ!)
 必ずビンタしてやろうと心に誓う、怒りにも似た気持ち‥‥いやいや完全に怒りの気持ちが芽生え、それが殺意に変わった時、ヤマトからの『意思』が伝わってきた

 ん? なんて? ‥‥‥回復?

 先ほど敵機の攻撃がいくつか当たったようで幾分の損傷を受けていた。本来召喚獣はダメージを受けた場合、魔法陣に帰ってからその傷を癒す。だがヤマトはこの場で損傷の修復をすると━━

(ソルセリー、耐えろ!)
 この声がソルセリーに届いたかは知らない、視力が回復していないため顔までは確認できなかったが彼女はこちらを見ていたように感じた
 
 召喚獣が傷を癒すためには魔力が必要になる、それがヤマト程の巨体になると莫大な量が必要だというのはすぐに気が付いた。
 この場で魔力に余裕があるのはソルセリーしかいない、回復に必要な必要魔力を全てソルセリーから吸収できるよう無理やりつなぎ直す、そして間一髪、他の者達からの吸収はせずソルセリーだけから魔力が吸収されたようだった。
 彼女の体が大きく揺れた事と、俺の意識がはっきりしている事から成功したと思われる

 こんなのソルセリーがいなかったら召喚を維持出来なかったぞ。いったいどれだけ燃費が悪いんだよ
 
 皆ギリギリの所で踏ん張っている状況で今のは本当に危なかった


 ヤマトが主砲を撃ち続ける中、乗船している艦はヤマトから距離を取り安全な場所へと移動する、幸いというか不幸というか、聴覚がやられているので音による心配はしなくてもよくなっていた。
 本来であればヤマトの近くにいた方が対空による防御は出来るのであろうが、砲撃のたびにダメージを食うのは得策ではない。
 しかし、ヤマトとの距離を取った事で対空に問題が出てくる、そこを狙ったかのように新しく敵空母から飛び立ったであろう竜翼機がこの艦に迫る。
 ここでようやくヤマトより召喚元であるこの艦を叩いた方が良いと判断したらしい

 だが‥‥

 一発の砲弾が竜翼機に向けヤマトから放たれ、その砲弾が空中ではじけシャワーのように竜翼機の編隊へと降り注いだ

 なにあれ? クラスター爆弾?

 砕けた砲弾は飛行中の竜翼機を次々被弾させる

 ・・・・

 ・・・


 そして戦闘開始から1時間半後

「敵巡洋艦及び空母撤退!」

 海軍兵士のその言葉で召喚に携わっていた者達は皆勝利の歓声を上げた。
「「やったぁぁぁあああ!」」

 全員もう魔力などに余裕が無いだろうに体を使いその喜びを表現していた。そのころになると俺の視力と聴覚も回復しており「撤退」の言葉に肩の力が抜けその場に座り込んでしまった。
 力尽きへたり込む俺は周りを見渡すと、皆ヤマトの砲撃により顔が真っ黒に汚れており、そこから白い歯だけが覗いているのを確認すると、ようやく勝てたんだなと実感する事が出来た。
 今回の勝利の立役者となった召喚獣ヤマトだが、いつの間にかこの艦の右舷に来ていた

 その大きな姿を心に止めておこうと見ていると、ヤマトの甲板に靄のような物が並んでいるように確認できた。不思議な事に俺はそれが人のように見え、知らぬうちにその靄に向かい敬礼をしていた。
 それは俺だけではなく、召喚に携わった者全員がそうしていた。多分俺と同じ考えでそうした方がいいと思ったからだろう、するとその靄も敬礼をしているように見えた。
 そこで一か所だけ‥‥いや、一人だけ印象が強い靄、違う‥‥人が目につく。それは若い男性の海軍兵士であり、奇麗な敬礼をしている男性だった


 ・・・・あぁ、そうか


 俺の父方の親戚で大和の乗組員だった人がいる、親戚の中でも変わり者であったらしく俺は会った事は無いが、会った事がある父と兄さんからしたら『ホラ吹き』『話を盛り過ぎる人』だったらしい。
 その親戚の人が言うには

「自分が乗っていた大和は数十ともいえる軍艦を沈め、狙ってくる外国の航空機を全て撃ち落としている」と‥‥

 まずヤマトに目立った戦果は無いし、主だった戦闘といったら轟沈することとなったあの最後の戦いしかない。
 何十もの軍艦を沈めたという事実はないのである、それは少し調べたら分かる事だし、戦果がないというのは知っている者からしたら周知の事実であった。
 それにも関わらず、その人は親戚が集まると必ずその話をするらしい。もうボケているというのが周囲の反応だった

 でも‥‥‥

「本当だったよ、一隻だけで戦況をひっくり返したこと、その事を俺だけは覚えているから‥‥‥ありがとう」

 するとその人は俺に向かって笑いかけたように見えた


 ヤマトの前方が黄色に光り輝く、召喚獣であるヤマトはその役目を終え召喚魔法陣の中に戻らなければならない。
 ゆっくりと船首から入って行くヤマトを俺達は敬礼をしたまま見送っていた。俺に向かって笑いかけたその人も魔法陣の中に消えてゆく、そして魔法陣がヤマトの艦橋まで来た時、靄ではなく明確な人の姿をしている者が艦橋内にいた。
 それは艦橋の窓からこちらに向かい敬礼をしている人で、顔を覆う様なフードを被っている

 あっ!
 と思ったのだが時すでに遅し、魔法陣の中に召喚獣は入れるが当然のことながら人は入れない、ヤマトから弾かれたその女召喚者は敬礼をしたまま海に落ちて行った。
 だが神秘的なこの場面で、俺以外誰も落ちて行った召喚者に気づいてはいなかった

「だっ、誰か! あの人を助けてやってー!」

 

 
 
 ◆◇

 敵の艦隊を撤退させる事は出来たが、こちらの被害は甚大だった。
 まず空母スネックは航行不能となり回収可能な物資と人員を回収した後は轟沈処分となった。被弾した竜翼機なども修理不可能なため廃棄したが、それでもただの巡洋艦に動く竜翼機を全部積める訳では無く、溢れた竜翼機は戦闘直後だったが周囲の偵察に出ている。
 海に投げ出されたパイロットなども救出した頃には日が変わり翌日になっていた。暗いため見通しが悪く作業が難航したのが原因だろう。
 その間敵艦の影は見ることがなかった。それは召喚獣ヤマトを警戒しているからだろうとタクティアが言っていた。
 この後の行動として、予定道りに南下して軍港都市コントルを目指すことになるが、陸軍兵士だけは途中の港で下船するととになっている。
 というのも艦に乗り切れない者も多く、ボートを繋いでそれに空母の海兵が乗っているからである。その姿はまるでカルガモの親子のようだった

 さて、日付が変わり深夜の1時、海兵達が夜どうし働いている中タクティアが隊の全員を集める。俺やソルセリー、ライカは召喚で疲れてはいるがその場に居合わせる。はて? 何だろうと皆が首を傾げる中

「さぁ! 我が隊に新しい隊員が入る事になりました」
 ニコニコしながら言ってきた

 俺以外は初耳だったらしく
「おー」とか
「へぇー」など口々に感想を述べる

「はい! ハヤト隊長その新しい隊員の資料です」
 テンション高めのタクティアから、今頃その隊員となる者の資料を渡される

「あのねータクティア、やっぱりこういうのって先に教えてもらえないかな」

「それだとワクワク感が減るじゃないですか」

 ビンタしてやりたい気持ちを抑え資料に目を通す、というか召喚者だってのは知っていたし、一人向こうから歩いてくる召喚隊の姿が既に見えてるし‥‥なんかもう大体分かってたけど、この召喚隊の中から一人こっちに来るんだろうなって

 だいぶ疲れているうえに眠い目をこすりながら資料に目を向ける
「えーっと、名前は‥‥‥」

 名前の欄を見るとそこには
『コトン・ラティウス』と書かれていた

「ラティウス?」
 タクティアを見ると笑顔で頷く

 ‥‥‥あーなるほど、親戚の子が軍に入ったと言ってたけどこの隊に入れるのか、職権乱用じゃね?

 そのほかに性別は女性、契約した召喚獣は‥‥と見ていると、どうやらそのタクティアの親戚が来たようだ。ちらっと確認すると召喚隊独特のローブを着て、顔まで覆うフードを付けている。顔は見えないがその女性召喚者が巨乳だというのは一目で分かった。
 だって、やたらと一部が出っ張っているし

「ささ、皆さんにご挨拶をしましょうか?」
 なんとも緩い感じでタクティアが他の隊員にご挨拶を進める、てか『ご挨拶』ってなんやねん

 心の中でツッコミを入れ、まだ確認中の資料をみながらタクティアの親戚の子のご挨拶を聞く

「初めまして、コトン・ラティウスです。本日付けでハヤト隊に編入される事となりました。宜しくお願いします」

「はい良く出来ましたー」
 パチパチとタクティアが笑顔で拍手をし、他の隊員がなぜだかつられて拍手をしていた

 ‥‥‥あれ? コトンって名前、初等部の時に同じ名前の子がいたな
 何となくそう思い資料から目を上げる

 するとその召喚者は顔を覆うフードを取り

「久しぶり、ハヤト」
 そう言ってコトン・ラティウスは笑った
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