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完全決裂
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「だからどうして、我が社に持ち込んでくれなかったかを聞いているんです!」
「なんでおたくの会社に持ち込まなきゃいけないの?」
一つのテーブルを挟み、俺と現オヤスグループの会長であるモランが向かい合っていた。
久々の再会だったがとても良い雰囲気とは言えない
向かい合いにらみ合う俺とモランを、隣でコトンとデュラ子は固唾を見守りお菓子を食べていた
・・・・・
・・・
事の始まりは魚を買って帰ってきた日の事。
オヤスグループから連絡があり、直ぐにでもオヤスグループ本社に来てほしいとの事だった。留守番として家に残して来たラグナ曰く
「少しばかり強い口調でした、何かあったのでしょうか‥‥」
と不安げだった
ただそれとは別に俺が最初に思った事は、『何で家の連絡先を知ってるんだろう?』という事だった。
誰にも言ったわけでもないし聞かれてもいない、知ってるのはタクティアとコトン、そしてこの近所の人達だけだと思っていたが‥‥。
もしかしたら不動産から何かしらの情報が漏れたのかもしれない、オヤス不動産はハルツールでかなりの幅を利かせているし、横のつながりもあるだろうし他の不動産の情報だって持っているかもしれないし‥‥
まあそれはそれとして
「ほっといていいよ、俺は別にオヤスグループとはもう関係ないし、用事が有るならそっちが来いってんだ」
という事でオヤスグループの連絡を無視した
その二日後、ラグナが家の中にも家具が欲しいと言ってきたので買いに行くことになる。と言うのも、必要な家具はラグナの『収納』の中に全部入っている。
だが、それはラグナの『収納』の中であって、家の中ではない
「もしかしたらお客様も訪れるかもしれません、その時に家の中に何もなかったら少しばかり殺風景かと‥‥」
そうラグナが言ってきた。
確かに‥‥今家の中にあるのはテーブルと椅子そして、ベッドだけである。これもいつもはラグナの『収納』の中に入っている物を引っ張り出して来ただけの物で、家専用の物ではない。
首相に借りていた家に家具もあったのだが、全部処分されているのでこの家の専用の家具などは無いのであった
そう言われるとそれもそうかと思い家具などを買いに行くことになる。その話を既に引っ越しの開封が終わり、俺の家に遊びに来ていたお隣さんのコトン・ラティウスが聞いており
「だったら私も一緒に選んであげる」
と言って付いてきた
まあいいかと思いつつ、家具などを買いに行くことになる。
行く際にはバギーに乗り背中に大きな二つの幸せを感じつつ移動したのだが、目的地に着いた途端今度は俺の左腕にしがみついてくるコトン、幸せな柔らかさが背中から左腕に移ったのだが‥‥
少々距離が近いのではないだろうかと思う、同じ部隊の部下ではあるが恋人ではない。
俺はコトンにそのような気持ちも持っていないし、持つことも無いだろう、だから一度はっきりと言っておかなければならない
━━と思ったのだが、下心と幸せな感触には勝てず言えなかった
男ってホントにアホ
そんな訳で家具を選び出したのだが、これでいいかな? と思っても
「えーっこっちの方がいいよ」
とコトンが別の物を進めてくる
「こっちだと冷凍の所が広いし開けやすいんだよ、それにほら! こんなに一杯入るんだから」
「なるほど、じゃあこっちにしようか」
・・・
「これでいいかなー」
「えーっこっちの方がいいよ、だってほら乾燥も出来るし容量が大きいから一度に沢山洗い物が出来るし」
「なるほど、じゃあこっちにしようか」
と言う感じで俺が選んだ物よりも一回り大きな物を進めてくる。
俺一人しか住んでいない家だし、今買っている家具などは家自体が殺風景だから見た目だけどうかしようとしているだけで、実際はラグナの『収納』の中にある家具だけで何とかなる。
なので別に大きさとか機能とか全く関係が無いのだが、それでも『こっちの方がいいですよ』と言われると。
「なるほど」と納得しそれを買ってしまう、そしてコトンが特に熱く俺を説得してきたのがベッドだった
「これでいいかなー」
俺が選んだのはシングルサイズの小さなベッド、高さも問題ないし簡単に組み立てられそうな安いベッドだった。
だが‥‥
「えーっこっちの方がいいよー」
コトンが選んだのは大きなダブルサイズのベッドだった
「こんな大きなベッドだと入らないよ」
「大丈夫大丈夫、ね? デュラ子」
コトンが自身の召喚獣であるデュラ子に問うと
「このベッドを入れても余裕があるでしょう」
一度見た物のサイズなどを把握できる召喚獣のデュラ子が魔法陣から顔を出して答える
「ほら、ね? だからこっちにしようよ」
「でもねえ‥‥」
シングルサイズでいいじゃんと思っていたのだが
「大きい方が安全だよ? ベッドから落ちることも無いし、それで怪我もするかもしれない。それに手と足を広げて寝る事が出来るんだよ? 寝る時ぐらいゆったりしたいじゃない。
人生の3分の1は寝て過ごしてるんだよ? だったらその時間も大切にしたほうがいいと思うの」
そんな事を言われると
「そうだねぇ‥‥」
と納得してしまう
「だからね! これにしよう!」
「んーじゃあ‥‥これにしようか」
と決めてしまった。だがしかし、後々考えてみると小学校の頃からシングルベッドで寝ていた俺は寝相の良さには自身があるし、なによりツタンカーメンのように寝るので手と足を広げたりはしない。
ベッドもそうだが家具自体も特に必要ない大きさや機能の物ばかり買ってしまい、かなり無駄遣いをしてしまった
という訳で全くの無駄な買い物をして家に帰ってみると、留守をしていたラグナから
「またオヤスグループから連絡がありまして━━」
なんでもラグナは俺が2日前に言った『用事があるならそっちが来い』と言うのをそのまま伝えたとの事だった
「うん、それでいいんじゃない? もう別に関係ないし」
もうグループに興味が無かった俺にはどうでもいい話だった
更に2日後━━
俺の家に来るのが当たり前のことになっていたコトンは、食事の事で自身の召喚獣であるデュラ子と口論になり
「何度も言っているが主の作る食事は家畜の餌だ。そのままでは本当に肉になってしまうぞ、少しはラグナ見習うべきだ」
「私の作る食事のどこが家畜の餌なのよ! 何でデュラ子は文句ばかり言ってくるの!?」
傍から見ていた俺からすれば、そういった口論はわざわざ俺の家でやらないで自分の家でやってほしい、歩いて1分の距離なんだからと思っていた
売り言葉に買い言葉が続き、いつもは冷静なデュラ子だがついに堪忍袋の緒が切れたのか
「だったら今すぐラグナの料理を食べてその味に打ちのめされるがいい!」
普段声を荒げる事の無いデュラ子がついに切れてしまった
「分かったわよ! だったらデュラ子が美味しいって言いう味がどんなのか試してみるから!」
そしてコトンとデュラ子は同時にキッとした目でラグナを見た
そのラグナだが少し間があってから俺の方を見て来た
「‥‥旦那様、その‥‥今日は『カレー風辛いスープ(甘口)に入れたうどんの様な麺』の日なのですが‥‥」
おお! 今日は俺の好物の一つであるカレー風辛いスープ(甘口)に入れたうどんの様な麺の日か!?
嬉しい事に好物が昼食に出るという事でちょっとだけテンションが上がってしまう、そしてテンションが上がってしまった事でとある事を失念していた。
コトンは━━『ラティウスの家系』という事を
「いいんじゃない? 昼食には早いけど先に食べさせてあげたら?」
「そ、そうですか‥‥でしたら」
ラグナは自身の『収納』の中に入り、準備をしに行った
数分後
料理を手にしたラグナは少し緊張した面持ちで料理をコトンの前に出して来た
「お口に合えばよろしいのですが‥‥」
不安げな表情を浮かべるラグナ
「さあ主よ食べてみるがいい、そして自分の無知と腕前の不甲斐なさを思い知るがいい」
「ふん! 言われなくても」
そしてコトンは躊躇なくラグナの料理を口に入れ━━
「・・・・・」
「どうだ主よ、美味いだろう」
デュラ子が問うが
コトンは何も言わない
「・・・・・」
一口食べた後、時間が止まった様に動かなくなってしまった
「フン、あまりの美味さに我を忘れたか主よ」
少しだけ煽る様な口調のデュラ子だったが次の瞬間━━
「ブフォッ!!」
コトンは料理を吹き出し、椅子から転げ落ちた
「━━! ━━!!」
椅子から落ちたコトンは喉を抑えその場でのた打ち回る
それを見たデュラ子は
「ははは、主よ冗談はよしてくれ」
愉快そうに笑った
だが、俺はこの症状を知っていた
「おい! 本当にやばいぞ!」
前にコトンの叔父であるタクティアが同じ症状を発した事を、コトンは美味さではない方で打ちのめされている事を
俺はすっかりと忘れていた。カレー風辛いスープ(甘口)に入れたうどんの様な麺は一般の、主にタクティアからすれば劇薬に近いと、そして姪であるコトンに対してもそれは同じであると
「が、ガルーダ! ガルーダ出てこい! ラグナ、コトンを庭まで運び出すぞ! 足を持て足、余り揺らすなよ!」
「はい!」
「一番近い診療所ってどこだ!」
「すみません旦那様! まだこの辺りの地理に詳しくなく━━そうだ! 3軒隣のレキタス様の奥様が『癒し』魔法を使えたはず! 奥様はいつも昼過ぎに買い物に出かけているらしいので今なら在宅のはずです!」
「よし! なら呼んできてくれ!」
「はい!!」
俺とラグナがてんやわんやになっている時、デュラ子とはというと‥‥
「何と情けない‥‥」
自身の主に失望していた
そんな忙しい時にオヤスグループの人間が3人が尋ねて来たらしい、俺とラグナは気づかなかったがその代わりデュラ子が気づき対応した
なんの用か? とデュラ子が聞いたところ、オヤスグループの1人は何故に他企業にアイディアを売ったのか? という事と、グループにまた顧問として戻ってこいと言ってきたらしい
それに対しデュラ子は
「旧主と汝らのグループの確執は聞いている、旧主と争った本人が来ず、下っ端の人間を連絡係に寄越すとはいかがなものか? 旧主は既にグループとは全く関係ない、故にどこに売ろうとも関係が無いし、関係を改善したいのなら確執を生んだ本人が来るべきではないか?
それに旧主は今忙しい、お前達下っ端の人間と話をしている時間など無い、早々に立ち去れ」
そう言って追い払おうとしたが、重役の一人は
「しかしそれでは━━」
と食い下がってくるので
「くどい!」
と言い大剣を抜いた
すると3人は逃げるように去って行った
その結果
会長であるモランが直接家に来たという訳である
モランは手土産として今度オヤス食品㈱から出す予定の、高級チョコレートの詰め合わせセットを持って来た。
たまたまと言うか、当たり前に俺の家に遊びに来ていたすっかり具合が回復しているコトンは、出された手土産を凝視していたが、すかさずデュラ子が魔法陣から出て来て、モランがいる前でバリバリと包み紙を剥がし、その場でチョコレートを食べだした
出来ればモランが帰ってからにして欲しいんだけど
不満顔でチョコレートを食べるデュラ子に影響されたのか、横からコトンがそーっと手を出して来る。そして口に入れるとデュラ子とは正反対の恍惚とした表情になった
それで今に至る訳だが、正直言ってモランの態度が気に入らない。
一方的に解任しといて
『なぜうちに売らなかった? そのせいで軍への供給の計画が駄目になった』
『同じ金額を出すから顧問に戻れ』
と言ってきた
売らなかったというのは俺がフラベリン社、あの自殺しようとしていた社長さんに提供したフリーズドライのアイディアの事だろう。
オヤスグループが狙っていた軍への自社の商品の供給を絶たれてしまった事だった。フラベリン社の製品が採用されそうな事の抗議であった
オヤスグループとはもう関係が無い訳だし、どこに提供しようとも関係の無いはずだが?
そしてモランの言葉には少しだけ苛立ちと、上から物を言う感じがした
だから俺としても腹が立つし戻る当然気も無かった
「だから俺はもうグループとは関係ないし、戻る気もさらさらない!」
「本当にそれでいいのか!? 後で後悔しても知らないぞ!」
もう最後は二人とも喧嘩腰だった。もしここにオヤス本人がいて『まあまあ、ここは私の顔を立てると思って』なんて言われたら少し考えるかもしれないが、今は脱税で掴まり檻の中にいるのでここにはいない
最終的には
「貴社の益々の発展をお祈り申し上げるよ!!」
と言って追い出す形でモランを帰らせることにした。玄関の前に止まった黒塗りの車に乗る時モランは俺を一睨みしてから乗り込んだ
「ラグナ! 玄関に塩撒いとけ!!」
「はい、‥‥しかし塩は高いので砂糖の方が━━」
「じゃあ砂糖撒いとけ!」
節約は大事
ぷんすか怒りながらリビングに戻ると
「暫く見てませんでしたが、性格が変わってましたね」
無表情でチョコレートを食べながらデュラ子が言ってくる
「本当だよ」
手土産を持って来たのは分かるけど、俺が甘い物を食べられないのを知っているはずだ、でもデュラ子の表情を見ると持って来たのは市販される甘いチョコレートなのだろう。
まだオヤス食品の社長をしていた頃のモランだったら、俺専用のチョコレートを作って来てただろうに、会長になってから本当に変わってしまった
「あの人がオヤスグループの会長なんだね、凄い嫌な感じの人だね」
と言いつつその嫌な人が持って来たチョコレートを食べるコトン。
言葉ではモランに対する嫌悪感が伝わってくるが、チョコレーとは美味しいのか笑顔だった。
体は正直
すると砂糖を撒き終えたのかラグナがリビングに入ってくる、撒いたままだと虫が寄り付くかもしれないのでちゃんと掃除もしてきたようだ
「オヤス食品の業績が少し悪くなっているらしいので、その当てつけと言うのも少しあるかもしれませんね」
なんて言ってきた
「‥‥何でラグナがそんな内部事情みたいな事知ってるの?」
経済にでも興味があるの?
「私がいつもお世話になっているスーパーに、オヤス食品で働いている人の親戚の方がいらっしゃいまして、そこで聞きました。
なんでも経費削減という事で給料が激減したらしく、それに対する不満とか出ているようで、それで従業員のやる気が無くなってしまったとか、それによって色々商品管理にも問題が出てきているようですよ。
異物が入っていたり、パッケージと中の商品が違ってたりとか問題が発生しているらしいです。
それで消費者もオヤス食品の商品を敬遠しだしているみたいですね」
「へぇー」
会長のモランは元オヤス食品の社長であり、オヤス食品こそグループの屋台骨でもあった。それが今揺らいでいる状態であるが為に焦っているという事なのだろうか?
考え事をしていたせいなのか、気づかぬ内にテーブルの上にあるチョコレートに手を伸ばし口に入れてしまった
「‥‥うっわ!! まずっ!」
それ一つで1年分の砂糖が摂取出来ます、そんなうたい文句が出てきそうな程の砂糖が入ったチョコレートを口にしてしまい口内が大惨事になる
「ラグナ燻製頂戴」
「どうぞ」
この前漁港に買いに行った魚、それが燻製としてもう完成しているのでそれをラグナから受け取ると口の中に入れた。
「やっぱうまい」
口いっぱいに魚の旨味が広がる
「ラグナ私にも」
デュラ子もそれに続く、ちなみにコトンは前日の事があるのか頂戴と言わなかった
燻製はラグナの『収納』の中にあるが、俺が釣ってきた方の毒のある魚は、捌いた後塩に漬けて長い事置いておかなければならないので、3日前に買って来た冷蔵庫の中に入っている。
せっかく買って来たのだから使おうという事で、冷蔵庫の中は全部毒抜きをしている魚でパンパンになってしまった。
コトンの言った通り大きいサイズの物を買って正解だった
そう‥‥この冷蔵庫の中には近い将来俺を苦しめる事になる魚が入っている‥‥
「なんでおたくの会社に持ち込まなきゃいけないの?」
一つのテーブルを挟み、俺と現オヤスグループの会長であるモランが向かい合っていた。
久々の再会だったがとても良い雰囲気とは言えない
向かい合いにらみ合う俺とモランを、隣でコトンとデュラ子は固唾を見守りお菓子を食べていた
・・・・・
・・・
事の始まりは魚を買って帰ってきた日の事。
オヤスグループから連絡があり、直ぐにでもオヤスグループ本社に来てほしいとの事だった。留守番として家に残して来たラグナ曰く
「少しばかり強い口調でした、何かあったのでしょうか‥‥」
と不安げだった
ただそれとは別に俺が最初に思った事は、『何で家の連絡先を知ってるんだろう?』という事だった。
誰にも言ったわけでもないし聞かれてもいない、知ってるのはタクティアとコトン、そしてこの近所の人達だけだと思っていたが‥‥。
もしかしたら不動産から何かしらの情報が漏れたのかもしれない、オヤス不動産はハルツールでかなりの幅を利かせているし、横のつながりもあるだろうし他の不動産の情報だって持っているかもしれないし‥‥
まあそれはそれとして
「ほっといていいよ、俺は別にオヤスグループとはもう関係ないし、用事が有るならそっちが来いってんだ」
という事でオヤスグループの連絡を無視した
その二日後、ラグナが家の中にも家具が欲しいと言ってきたので買いに行くことになる。と言うのも、必要な家具はラグナの『収納』の中に全部入っている。
だが、それはラグナの『収納』の中であって、家の中ではない
「もしかしたらお客様も訪れるかもしれません、その時に家の中に何もなかったら少しばかり殺風景かと‥‥」
そうラグナが言ってきた。
確かに‥‥今家の中にあるのはテーブルと椅子そして、ベッドだけである。これもいつもはラグナの『収納』の中に入っている物を引っ張り出して来ただけの物で、家専用の物ではない。
首相に借りていた家に家具もあったのだが、全部処分されているのでこの家の専用の家具などは無いのであった
そう言われるとそれもそうかと思い家具などを買いに行くことになる。その話を既に引っ越しの開封が終わり、俺の家に遊びに来ていたお隣さんのコトン・ラティウスが聞いており
「だったら私も一緒に選んであげる」
と言って付いてきた
まあいいかと思いつつ、家具などを買いに行くことになる。
行く際にはバギーに乗り背中に大きな二つの幸せを感じつつ移動したのだが、目的地に着いた途端今度は俺の左腕にしがみついてくるコトン、幸せな柔らかさが背中から左腕に移ったのだが‥‥
少々距離が近いのではないだろうかと思う、同じ部隊の部下ではあるが恋人ではない。
俺はコトンにそのような気持ちも持っていないし、持つことも無いだろう、だから一度はっきりと言っておかなければならない
━━と思ったのだが、下心と幸せな感触には勝てず言えなかった
男ってホントにアホ
そんな訳で家具を選び出したのだが、これでいいかな? と思っても
「えーっこっちの方がいいよ」
とコトンが別の物を進めてくる
「こっちだと冷凍の所が広いし開けやすいんだよ、それにほら! こんなに一杯入るんだから」
「なるほど、じゃあこっちにしようか」
・・・
「これでいいかなー」
「えーっこっちの方がいいよ、だってほら乾燥も出来るし容量が大きいから一度に沢山洗い物が出来るし」
「なるほど、じゃあこっちにしようか」
と言う感じで俺が選んだ物よりも一回り大きな物を進めてくる。
俺一人しか住んでいない家だし、今買っている家具などは家自体が殺風景だから見た目だけどうかしようとしているだけで、実際はラグナの『収納』の中にある家具だけで何とかなる。
なので別に大きさとか機能とか全く関係が無いのだが、それでも『こっちの方がいいですよ』と言われると。
「なるほど」と納得しそれを買ってしまう、そしてコトンが特に熱く俺を説得してきたのがベッドだった
「これでいいかなー」
俺が選んだのはシングルサイズの小さなベッド、高さも問題ないし簡単に組み立てられそうな安いベッドだった。
だが‥‥
「えーっこっちの方がいいよー」
コトンが選んだのは大きなダブルサイズのベッドだった
「こんな大きなベッドだと入らないよ」
「大丈夫大丈夫、ね? デュラ子」
コトンが自身の召喚獣であるデュラ子に問うと
「このベッドを入れても余裕があるでしょう」
一度見た物のサイズなどを把握できる召喚獣のデュラ子が魔法陣から顔を出して答える
「ほら、ね? だからこっちにしようよ」
「でもねえ‥‥」
シングルサイズでいいじゃんと思っていたのだが
「大きい方が安全だよ? ベッドから落ちることも無いし、それで怪我もするかもしれない。それに手と足を広げて寝る事が出来るんだよ? 寝る時ぐらいゆったりしたいじゃない。
人生の3分の1は寝て過ごしてるんだよ? だったらその時間も大切にしたほうがいいと思うの」
そんな事を言われると
「そうだねぇ‥‥」
と納得してしまう
「だからね! これにしよう!」
「んーじゃあ‥‥これにしようか」
と決めてしまった。だがしかし、後々考えてみると小学校の頃からシングルベッドで寝ていた俺は寝相の良さには自身があるし、なによりツタンカーメンのように寝るので手と足を広げたりはしない。
ベッドもそうだが家具自体も特に必要ない大きさや機能の物ばかり買ってしまい、かなり無駄遣いをしてしまった
という訳で全くの無駄な買い物をして家に帰ってみると、留守をしていたラグナから
「またオヤスグループから連絡がありまして━━」
なんでもラグナは俺が2日前に言った『用事があるならそっちが来い』と言うのをそのまま伝えたとの事だった
「うん、それでいいんじゃない? もう別に関係ないし」
もうグループに興味が無かった俺にはどうでもいい話だった
更に2日後━━
俺の家に来るのが当たり前のことになっていたコトンは、食事の事で自身の召喚獣であるデュラ子と口論になり
「何度も言っているが主の作る食事は家畜の餌だ。そのままでは本当に肉になってしまうぞ、少しはラグナ見習うべきだ」
「私の作る食事のどこが家畜の餌なのよ! 何でデュラ子は文句ばかり言ってくるの!?」
傍から見ていた俺からすれば、そういった口論はわざわざ俺の家でやらないで自分の家でやってほしい、歩いて1分の距離なんだからと思っていた
売り言葉に買い言葉が続き、いつもは冷静なデュラ子だがついに堪忍袋の緒が切れたのか
「だったら今すぐラグナの料理を食べてその味に打ちのめされるがいい!」
普段声を荒げる事の無いデュラ子がついに切れてしまった
「分かったわよ! だったらデュラ子が美味しいって言いう味がどんなのか試してみるから!」
そしてコトンとデュラ子は同時にキッとした目でラグナを見た
そのラグナだが少し間があってから俺の方を見て来た
「‥‥旦那様、その‥‥今日は『カレー風辛いスープ(甘口)に入れたうどんの様な麺』の日なのですが‥‥」
おお! 今日は俺の好物の一つであるカレー風辛いスープ(甘口)に入れたうどんの様な麺の日か!?
嬉しい事に好物が昼食に出るという事でちょっとだけテンションが上がってしまう、そしてテンションが上がってしまった事でとある事を失念していた。
コトンは━━『ラティウスの家系』という事を
「いいんじゃない? 昼食には早いけど先に食べさせてあげたら?」
「そ、そうですか‥‥でしたら」
ラグナは自身の『収納』の中に入り、準備をしに行った
数分後
料理を手にしたラグナは少し緊張した面持ちで料理をコトンの前に出して来た
「お口に合えばよろしいのですが‥‥」
不安げな表情を浮かべるラグナ
「さあ主よ食べてみるがいい、そして自分の無知と腕前の不甲斐なさを思い知るがいい」
「ふん! 言われなくても」
そしてコトンは躊躇なくラグナの料理を口に入れ━━
「・・・・・」
「どうだ主よ、美味いだろう」
デュラ子が問うが
コトンは何も言わない
「・・・・・」
一口食べた後、時間が止まった様に動かなくなってしまった
「フン、あまりの美味さに我を忘れたか主よ」
少しだけ煽る様な口調のデュラ子だったが次の瞬間━━
「ブフォッ!!」
コトンは料理を吹き出し、椅子から転げ落ちた
「━━! ━━!!」
椅子から落ちたコトンは喉を抑えその場でのた打ち回る
それを見たデュラ子は
「ははは、主よ冗談はよしてくれ」
愉快そうに笑った
だが、俺はこの症状を知っていた
「おい! 本当にやばいぞ!」
前にコトンの叔父であるタクティアが同じ症状を発した事を、コトンは美味さではない方で打ちのめされている事を
俺はすっかりと忘れていた。カレー風辛いスープ(甘口)に入れたうどんの様な麺は一般の、主にタクティアからすれば劇薬に近いと、そして姪であるコトンに対してもそれは同じであると
「が、ガルーダ! ガルーダ出てこい! ラグナ、コトンを庭まで運び出すぞ! 足を持て足、余り揺らすなよ!」
「はい!」
「一番近い診療所ってどこだ!」
「すみません旦那様! まだこの辺りの地理に詳しくなく━━そうだ! 3軒隣のレキタス様の奥様が『癒し』魔法を使えたはず! 奥様はいつも昼過ぎに買い物に出かけているらしいので今なら在宅のはずです!」
「よし! なら呼んできてくれ!」
「はい!!」
俺とラグナがてんやわんやになっている時、デュラ子とはというと‥‥
「何と情けない‥‥」
自身の主に失望していた
そんな忙しい時にオヤスグループの人間が3人が尋ねて来たらしい、俺とラグナは気づかなかったがその代わりデュラ子が気づき対応した
なんの用か? とデュラ子が聞いたところ、オヤスグループの1人は何故に他企業にアイディアを売ったのか? という事と、グループにまた顧問として戻ってこいと言ってきたらしい
それに対しデュラ子は
「旧主と汝らのグループの確執は聞いている、旧主と争った本人が来ず、下っ端の人間を連絡係に寄越すとはいかがなものか? 旧主は既にグループとは全く関係ない、故にどこに売ろうとも関係が無いし、関係を改善したいのなら確執を生んだ本人が来るべきではないか?
それに旧主は今忙しい、お前達下っ端の人間と話をしている時間など無い、早々に立ち去れ」
そう言って追い払おうとしたが、重役の一人は
「しかしそれでは━━」
と食い下がってくるので
「くどい!」
と言い大剣を抜いた
すると3人は逃げるように去って行った
その結果
会長であるモランが直接家に来たという訳である
モランは手土産として今度オヤス食品㈱から出す予定の、高級チョコレートの詰め合わせセットを持って来た。
たまたまと言うか、当たり前に俺の家に遊びに来ていたすっかり具合が回復しているコトンは、出された手土産を凝視していたが、すかさずデュラ子が魔法陣から出て来て、モランがいる前でバリバリと包み紙を剥がし、その場でチョコレートを食べだした
出来ればモランが帰ってからにして欲しいんだけど
不満顔でチョコレートを食べるデュラ子に影響されたのか、横からコトンがそーっと手を出して来る。そして口に入れるとデュラ子とは正反対の恍惚とした表情になった
それで今に至る訳だが、正直言ってモランの態度が気に入らない。
一方的に解任しといて
『なぜうちに売らなかった? そのせいで軍への供給の計画が駄目になった』
『同じ金額を出すから顧問に戻れ』
と言ってきた
売らなかったというのは俺がフラベリン社、あの自殺しようとしていた社長さんに提供したフリーズドライのアイディアの事だろう。
オヤスグループが狙っていた軍への自社の商品の供給を絶たれてしまった事だった。フラベリン社の製品が採用されそうな事の抗議であった
オヤスグループとはもう関係が無い訳だし、どこに提供しようとも関係の無いはずだが?
そしてモランの言葉には少しだけ苛立ちと、上から物を言う感じがした
だから俺としても腹が立つし戻る当然気も無かった
「だから俺はもうグループとは関係ないし、戻る気もさらさらない!」
「本当にそれでいいのか!? 後で後悔しても知らないぞ!」
もう最後は二人とも喧嘩腰だった。もしここにオヤス本人がいて『まあまあ、ここは私の顔を立てると思って』なんて言われたら少し考えるかもしれないが、今は脱税で掴まり檻の中にいるのでここにはいない
最終的には
「貴社の益々の発展をお祈り申し上げるよ!!」
と言って追い出す形でモランを帰らせることにした。玄関の前に止まった黒塗りの車に乗る時モランは俺を一睨みしてから乗り込んだ
「ラグナ! 玄関に塩撒いとけ!!」
「はい、‥‥しかし塩は高いので砂糖の方が━━」
「じゃあ砂糖撒いとけ!」
節約は大事
ぷんすか怒りながらリビングに戻ると
「暫く見てませんでしたが、性格が変わってましたね」
無表情でチョコレートを食べながらデュラ子が言ってくる
「本当だよ」
手土産を持って来たのは分かるけど、俺が甘い物を食べられないのを知っているはずだ、でもデュラ子の表情を見ると持って来たのは市販される甘いチョコレートなのだろう。
まだオヤス食品の社長をしていた頃のモランだったら、俺専用のチョコレートを作って来てただろうに、会長になってから本当に変わってしまった
「あの人がオヤスグループの会長なんだね、凄い嫌な感じの人だね」
と言いつつその嫌な人が持って来たチョコレートを食べるコトン。
言葉ではモランに対する嫌悪感が伝わってくるが、チョコレーとは美味しいのか笑顔だった。
体は正直
すると砂糖を撒き終えたのかラグナがリビングに入ってくる、撒いたままだと虫が寄り付くかもしれないのでちゃんと掃除もしてきたようだ
「オヤス食品の業績が少し悪くなっているらしいので、その当てつけと言うのも少しあるかもしれませんね」
なんて言ってきた
「‥‥何でラグナがそんな内部事情みたいな事知ってるの?」
経済にでも興味があるの?
「私がいつもお世話になっているスーパーに、オヤス食品で働いている人の親戚の方がいらっしゃいまして、そこで聞きました。
なんでも経費削減という事で給料が激減したらしく、それに対する不満とか出ているようで、それで従業員のやる気が無くなってしまったとか、それによって色々商品管理にも問題が出てきているようですよ。
異物が入っていたり、パッケージと中の商品が違ってたりとか問題が発生しているらしいです。
それで消費者もオヤス食品の商品を敬遠しだしているみたいですね」
「へぇー」
会長のモランは元オヤス食品の社長であり、オヤス食品こそグループの屋台骨でもあった。それが今揺らいでいる状態であるが為に焦っているという事なのだろうか?
考え事をしていたせいなのか、気づかぬ内にテーブルの上にあるチョコレートに手を伸ばし口に入れてしまった
「‥‥うっわ!! まずっ!」
それ一つで1年分の砂糖が摂取出来ます、そんなうたい文句が出てきそうな程の砂糖が入ったチョコレートを口にしてしまい口内が大惨事になる
「ラグナ燻製頂戴」
「どうぞ」
この前漁港に買いに行った魚、それが燻製としてもう完成しているのでそれをラグナから受け取ると口の中に入れた。
「やっぱうまい」
口いっぱいに魚の旨味が広がる
「ラグナ私にも」
デュラ子もそれに続く、ちなみにコトンは前日の事があるのか頂戴と言わなかった
燻製はラグナの『収納』の中にあるが、俺が釣ってきた方の毒のある魚は、捌いた後塩に漬けて長い事置いておかなければならないので、3日前に買って来た冷蔵庫の中に入っている。
せっかく買って来たのだから使おうという事で、冷蔵庫の中は全部毒抜きをしている魚でパンパンになってしまった。
コトンの言った通り大きいサイズの物を買って正解だった
そう‥‥この冷蔵庫の中には近い将来俺を苦しめる事になる魚が入っている‥‥
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そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
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10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
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