そして俺は〇〇になりました。

ふとん☆まくら〜れん(F.M.)

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そして…

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 世の中は奇妙な因果で満ちている。

 ある因縁は大事を運び、
 
 またある因縁は
 こぼれ落ちた欠片のように、
 
 旅人の足元に転がる小石となる。

 その小石は、
 一人の旅人を転ばせ、

 運悪く頭を打ち絶命した旅人はその場で朽ち果て、
 その亡骸はやがて野生動物達の食物となって上から下へ…


 いつか聳え立つ大樹の糧となる…
 なんて事もあるかもしれない。



 例えばとある世界に、古より一つの使命を帯びた一族があった。


 古き神話と呼ばれる時代が確かに存在し、

 伝説となった戦乱の果てに百年に一度時空を超えて世に現れる事となった魔神…

 それが現れる時と場所を伝承し、受け継がれた秘術でまた百年ごとに一度、


「そぉ~れぇ~っ!」


 と、受け流すだけの一族が…。

 幾度となく繰り返されてきた百年に一度である。
 そりゃ気が抜けてタイミングを外す事も有るだろう。今まで無かったのが不思議な事だ。

 ソレが今回まで起こらなかったのだから、その一族の優秀さを褒め称えるには十分である。

 
 やがて家族や一族が見守る中その日は訪れ…充分に修行を積み、
 その儀にあたる準備を全て整えた若き術師『イセア=エーリデウルス』は超ビビっていた。


 岩山に囲まれ、数百年続くうちに少しづつ人口も減ってきた人里とは程遠い小さな村で育った彼は、
 その時を迎えて熟考する。


 『魔神って人っぽいのかな?動物っぽいのかなぁ…?

  あ、挨拶とかした方が良いのかな!?
  か…神?だよね?

  バチとか…当たんないかなぁ!?』


 その世界に生きる者達は世界の全てを構成する精霊を神と呼び、
 崇め畏れながらもその力を借りる事を許されていた。

 例えばこの様な、
 世界に大きな異変を起こす可能性のある状況でも対応できる程の能力を持つ者を『神職』と呼んだ。


 時は満ち、大地が大きく揺れ、空が悲鳴を上げて文字通り黒く空間が裂ける!


 イセアは思考を停止、
 覚悟を決めて今までシミュレートしてきた事を冷静に実行する事に全てをかけ、
 魔神を押し返すべく魔力放出の準備を終えて静かにそのタイミングを測るべくリズムをとる。

「ぃ今じゃ~!」


 百年という年月は長い。

 緩急の緩の世代のお祭り気分の老人の叫びが一人の少女の人生を変える。


「…んはっ?」


 イセアは一瞬だけ目を逸らしてしまった。
 その一瞬しかタイミングは無かったのに…遅れてしまった。

 それでも術式は止まらず、空間の裂け目に術を放つが…
 これまで続けられてきたこの世界から禍を跳ね除けるとされて来た儀式は、

 …とうとう失敗してしまった。



 深いため息のような地割れ音を響かせる世界の裂け目から…多少可愛らしい声がこだまする。


「いぃぃぃ~~~加減にしろぉぉ~~!!
 人を何百年もポンポンとぉー!!」



 そして…

 裂けた空間から這い出て来た存在に見事に跳ね返された

 『百年の時を越える程の魔力の蓄積』は、

 儀式を見守る民衆の中で、兄の勇姿に目を輝かせていた幼女の生きる時間を変えた。
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