6 / 29
6 幻
しおりを挟む
狐に化かされた?そんなわけないだろう。
こんな時代に狐だ?そもそもこの地域にはキツネはいない。ただ、まあ言いたい事はわかる。
「幻を見ていたのは本当みたいだけどな」
「そう。だからさ……」
ーーー
放課後
「ちょっと待って速い……」
蜃気は昨日訪れた公園に走って行く。
俺はそれに付いていく。
「いいから、ついてこい」
昨日通った道の筈が、見覚えのない道に入っていた。
「ちょっとスマホ貸して」
蜃気に言われスマホを渡した。
「どうした?」
「見ろ」
スマホはこの地域の地図を表示していた。
そして地図の通りこの場所に建物がある。
「じゃあ、昨日の場所は……?」
「幻、、、なんだろうな。よし、帰るぞ土蜘蛛!なんか頭が混乱してる。一回帰ろう」
蜃気は帰ろうとしていた。
「蜃気待って」
「何だ?」
「アレって、見覚えないか?」
景色は違ったが、昨日入った建物とドアの形が同じ。いや、ドアだけは同じだった。
「入ってみる価値はありそうだな」
ドアに鍵はかかっていなくて、あっさりとドアは開いた。建物内は昨日と同じだった。
セメントの床。地下へ続く階段。
「俺達は、昨日ここで奇妙な体験をした」
蜃気は険しい顔で言った。
階段を下って行くにつれて光は届かなくなっていく。
階段が終わると、床があった。
前、右、左、と3つの通路があった。
「引き返したほうがいいんじゃないかな」
「いや、土蜘蛛。まだ道は始まったばかりだ」
「……」
「なんだよ」
「いや、お前が言うと雰囲気ぶっ壊れると思って(笑)」
「笑うな」
「ごめん(笑)」
タンタンタンタン
「なんの音だ?」
蜃気が言った。
シッ。俺は蜃気に静かにするようにジェスチャーをした。
足音は前の通路からだ。
タンタンタンタンタン!
歩くのが速まって来ていた。
「うわあっ」
人が俺の方にぶつかって来た。
「お、お前!」
蜃気が驚いているのが聞こえた。
こんな時代に狐だ?そもそもこの地域にはキツネはいない。ただ、まあ言いたい事はわかる。
「幻を見ていたのは本当みたいだけどな」
「そう。だからさ……」
ーーー
放課後
「ちょっと待って速い……」
蜃気は昨日訪れた公園に走って行く。
俺はそれに付いていく。
「いいから、ついてこい」
昨日通った道の筈が、見覚えのない道に入っていた。
「ちょっとスマホ貸して」
蜃気に言われスマホを渡した。
「どうした?」
「見ろ」
スマホはこの地域の地図を表示していた。
そして地図の通りこの場所に建物がある。
「じゃあ、昨日の場所は……?」
「幻、、、なんだろうな。よし、帰るぞ土蜘蛛!なんか頭が混乱してる。一回帰ろう」
蜃気は帰ろうとしていた。
「蜃気待って」
「何だ?」
「アレって、見覚えないか?」
景色は違ったが、昨日入った建物とドアの形が同じ。いや、ドアだけは同じだった。
「入ってみる価値はありそうだな」
ドアに鍵はかかっていなくて、あっさりとドアは開いた。建物内は昨日と同じだった。
セメントの床。地下へ続く階段。
「俺達は、昨日ここで奇妙な体験をした」
蜃気は険しい顔で言った。
階段を下って行くにつれて光は届かなくなっていく。
階段が終わると、床があった。
前、右、左、と3つの通路があった。
「引き返したほうがいいんじゃないかな」
「いや、土蜘蛛。まだ道は始まったばかりだ」
「……」
「なんだよ」
「いや、お前が言うと雰囲気ぶっ壊れると思って(笑)」
「笑うな」
「ごめん(笑)」
タンタンタンタン
「なんの音だ?」
蜃気が言った。
シッ。俺は蜃気に静かにするようにジェスチャーをした。
足音は前の通路からだ。
タンタンタンタンタン!
歩くのが速まって来ていた。
「うわあっ」
人が俺の方にぶつかって来た。
「お、お前!」
蜃気が驚いているのが聞こえた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる