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第3話 外で趣味を楽しむと良いことがあるでしょう
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日曜日。俺は自室のベッドから起き上がると、机の上にある携帯を手に取る。
「今日は何をしようかな~」と、電源を入れると、星子さんからメールが届いた。
開いてみると『今日は午前10時~12時の間。外で趣味を楽しむと良いことがあるでしょう』と書かれていた。
外ねぇ……俺はカーテンを開け、天気を確認してみる。気持ちが良いくらい晴れてるな。だったら釣りにでも行ってみるか。
──俺は出かける準備を済ませると、自転車で近くの池へと向かった。池に着くと自転車を止め、釣りをする準備を始める。
「あ! 光輝君!」と、いきなり女の子に名前を呼ばれ、ビックリした俺は声の方へと顔を向けた。
そこにはネイビーのワンピースを着た星恵さんが立っていて、俺を見つめている。
「え、星恵さん。何でこんな所に?」
「池の近くまで散歩してて、前に光輝君がここに釣りをしに来るって言ってたのを思い出してね。もしかしたら居るかな~って、様子を見に来たら本当に居るからビックリしちゃった」
「はは……俺もビックリしたよ」
星恵さんは、しゃがみ込むと「いまから始める所?」
「うん」
「じゃあ、見てても良いかな?」
「いいよ」
俺はそう返事をして、ルアーの入ったプラスチックのケースを開けた。星恵さんはのぞき込み「へぇー……綺麗なルアーが、いっぱいだね──ふふ。光輝君、A型だけあって綺麗に並んでる」
「え?」
「ん? どうしたの?」
「えっと……気のせいだったら、ごめん。俺、星恵さんと血液型の話をした事あったっけ?」
「あれ? 無かったっけ? ──だ、誰かと勘違いしたのかも?」
「あぁ、そういう事か」
俺は赤と黄色のバイブレーションのルアーを付けると、立ち上がる。星恵さんも俺に合わせて立ち上がった。
「危ないから、ちょっと離れて見ててね」
「うん、分かった」
俺は池に近づき、釣り始める──しばらく同じ場所でやっていたが、釣れる気がしない……俺はルアーを替えるため池から離れた。
星恵さんが俺に近づき「ダメそう?」と話しかけてくる。
「分からないなぁ」
「──ねぇ、ちょっと私もやってみたいんだけど、良いかな?」
「良いよ。やった事ある?」
「ごめん、やった事ないから教えて貰える?」
「うん」
俺はルアーを蛍光色の緑と黄色のバイブレーションに替えると、星恵さんと一緒に池に近づく。
「えっと、まずこれをこうして──」と、説明すると「はい、やってみて」と、竿を星恵さんに渡した。
星恵さんは言われた通りにルアーを飛ばし「──これで、巻くだけで良いんだよね?」
「うん、そうだよ」
「ワクワクするなぁ……」
星恵さんは楽しそうに笑顔を浮かべて、ゆっくりリールを巻き始める──すると星恵さんが「え、ちょ、何!?」と慌てだす。
「星恵さん。釣れてる! 釣れてる!」
「えぇ~!! ど、どうすれば良いの!?」
「慌てないで! どんどん巻いていって」
「うん!」
ブラックバスが見える所まで来ると、俺は「星恵さん、竿をゆっくりこっちに向けて」
「分かった」
──ブラックバスが釣りあげられ、俺は糸を自分の方へ引き寄せると、ブラックバスの口についた針を外した。
「それ、どうするの?」
「逃がすだけ」
「へぇー、食べないんだ」
「食べられない事はないけど、美味しくないみたいだよ」
「そうなんだ」
星恵さんは胸に手を当て「はぁ……ビックリした」
「初めてで釣っちゃうなんて凄いね」
「ビギナーズラックだよ」
「それでも凄いよ」
「へへ。なんか、釣り楽しくなってきたなぁ……私も始めちゃうかな!」
「いいね」
少しして星恵さんは、落ち着かない様子で髪を撫で始める。
「──あ、あのさ」
「ん?」
「釣りって、髪の毛が長いと邪魔かな?」
「あぁ……どうだろ? 俺はショートだから分からないけど、枝に引っ掛かったりすることもあるだろうし、短い方が良いかもね」
「そっかぁ……」と、星恵さんは返事をし、髪から手を離すと「光輝君はさ……どんな髪型の女性が好み?」
「え? 好み? そうだな……ロングも好きだけど、ボブとかも良いよねって思うかな」
「なるほど、ボブねぇ……眼鏡は? 眼鏡は無い方が良いと思う人?」
「眼鏡かぁ……どちらも良いと思うタイプかな。ギャップとかでドキっ! って、する事もあるからねぇ」
「そ、そう……あ、竿。ありがとうね」
星恵さんがそう言って、竿を返してくれると丁度、御昼のチャイムが鳴る。
「あ、光輝君。お昼は?」
「持ってきてないから、帰ろうと思ってる。星恵さんは?」
「私も」
「そう。今日は楽しかった。ありがとうね」
「こちらこそ。じゃあまた明日、学校で」
「うん」
「今日は何をしようかな~」と、電源を入れると、星子さんからメールが届いた。
開いてみると『今日は午前10時~12時の間。外で趣味を楽しむと良いことがあるでしょう』と書かれていた。
外ねぇ……俺はカーテンを開け、天気を確認してみる。気持ちが良いくらい晴れてるな。だったら釣りにでも行ってみるか。
──俺は出かける準備を済ませると、自転車で近くの池へと向かった。池に着くと自転車を止め、釣りをする準備を始める。
「あ! 光輝君!」と、いきなり女の子に名前を呼ばれ、ビックリした俺は声の方へと顔を向けた。
そこにはネイビーのワンピースを着た星恵さんが立っていて、俺を見つめている。
「え、星恵さん。何でこんな所に?」
「池の近くまで散歩してて、前に光輝君がここに釣りをしに来るって言ってたのを思い出してね。もしかしたら居るかな~って、様子を見に来たら本当に居るからビックリしちゃった」
「はは……俺もビックリしたよ」
星恵さんは、しゃがみ込むと「いまから始める所?」
「うん」
「じゃあ、見てても良いかな?」
「いいよ」
俺はそう返事をして、ルアーの入ったプラスチックのケースを開けた。星恵さんはのぞき込み「へぇー……綺麗なルアーが、いっぱいだね──ふふ。光輝君、A型だけあって綺麗に並んでる」
「え?」
「ん? どうしたの?」
「えっと……気のせいだったら、ごめん。俺、星恵さんと血液型の話をした事あったっけ?」
「あれ? 無かったっけ? ──だ、誰かと勘違いしたのかも?」
「あぁ、そういう事か」
俺は赤と黄色のバイブレーションのルアーを付けると、立ち上がる。星恵さんも俺に合わせて立ち上がった。
「危ないから、ちょっと離れて見ててね」
「うん、分かった」
俺は池に近づき、釣り始める──しばらく同じ場所でやっていたが、釣れる気がしない……俺はルアーを替えるため池から離れた。
星恵さんが俺に近づき「ダメそう?」と話しかけてくる。
「分からないなぁ」
「──ねぇ、ちょっと私もやってみたいんだけど、良いかな?」
「良いよ。やった事ある?」
「ごめん、やった事ないから教えて貰える?」
「うん」
俺はルアーを蛍光色の緑と黄色のバイブレーションに替えると、星恵さんと一緒に池に近づく。
「えっと、まずこれをこうして──」と、説明すると「はい、やってみて」と、竿を星恵さんに渡した。
星恵さんは言われた通りにルアーを飛ばし「──これで、巻くだけで良いんだよね?」
「うん、そうだよ」
「ワクワクするなぁ……」
星恵さんは楽しそうに笑顔を浮かべて、ゆっくりリールを巻き始める──すると星恵さんが「え、ちょ、何!?」と慌てだす。
「星恵さん。釣れてる! 釣れてる!」
「えぇ~!! ど、どうすれば良いの!?」
「慌てないで! どんどん巻いていって」
「うん!」
ブラックバスが見える所まで来ると、俺は「星恵さん、竿をゆっくりこっちに向けて」
「分かった」
──ブラックバスが釣りあげられ、俺は糸を自分の方へ引き寄せると、ブラックバスの口についた針を外した。
「それ、どうするの?」
「逃がすだけ」
「へぇー、食べないんだ」
「食べられない事はないけど、美味しくないみたいだよ」
「そうなんだ」
星恵さんは胸に手を当て「はぁ……ビックリした」
「初めてで釣っちゃうなんて凄いね」
「ビギナーズラックだよ」
「それでも凄いよ」
「へへ。なんか、釣り楽しくなってきたなぁ……私も始めちゃうかな!」
「いいね」
少しして星恵さんは、落ち着かない様子で髪を撫で始める。
「──あ、あのさ」
「ん?」
「釣りって、髪の毛が長いと邪魔かな?」
「あぁ……どうだろ? 俺はショートだから分からないけど、枝に引っ掛かったりすることもあるだろうし、短い方が良いかもね」
「そっかぁ……」と、星恵さんは返事をし、髪から手を離すと「光輝君はさ……どんな髪型の女性が好み?」
「え? 好み? そうだな……ロングも好きだけど、ボブとかも良いよねって思うかな」
「なるほど、ボブねぇ……眼鏡は? 眼鏡は無い方が良いと思う人?」
「眼鏡かぁ……どちらも良いと思うタイプかな。ギャップとかでドキっ! って、する事もあるからねぇ」
「そ、そう……あ、竿。ありがとうね」
星恵さんがそう言って、竿を返してくれると丁度、御昼のチャイムが鳴る。
「あ、光輝君。お昼は?」
「持ってきてないから、帰ろうと思ってる。星恵さんは?」
「私も」
「そう。今日は楽しかった。ありがとうね」
「こちらこそ。じゃあまた明日、学校で」
「うん」
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