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第5話 メールが届いてないな
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次の日の朝。星恵さんが教室に入ると、教室内が少しザワつく。占いを馬鹿にしていた二人は、星恵さんを黙って見送ると、「おいおい、星恵の奴、どうしたんだ?」と会話を始めた。
「さぁ? 知らねぇけど、メッチャ可愛くないか?」
「あぁ……地味な奴だと思って、相手にしてなかったぜ」
占いを馬鹿にしていた二人の会話を聞いて、俺は思わず笑みを零す。星恵さんが努力した結果なのに、まるで自分の事の様に嬉しかった。
そして昨日、俺はそんな星恵さんを独り占めして、デートしている事を自慢したくて仕方が無かった。
※※※
球技大会の季節になり、今日はその当日。今年は全学年、男女ともにバスケットボールである。
バスケットボールは小学校の頃、流行ったアニメの影響で、よくクラスメイトと放課後に残ってやっていたので、得意ではないがレイアップシュートぐらいはスムーズに出来る。だから今日は、割と楽しみだった。
俺は学校に着くと、直ぐに教室でエンジ色のジャージに着替える。
「光輝、今日は宜しく頼むな」
「おう! 頑張ろうぜ」
同じチームAの男子生徒が話しかけてきて、俺はそう答える。チームは五人一組に分かれていて、3チームに分かれている。俺のチームはバスケ部だった男子が3人もいて、勝ち進む自信はあった。
俺は着替え終わると、体育館に向かう──すると、大勢の生徒が既に集まっていて、準備体操やシュート練習などしていた。
注目しておく生徒が居ないかと、俺がキョロキョロと辺りを見渡していると、後ろから「おはよ」と、女子生徒から声を掛けられる。
後ろを振り向くと、ジャージ姿の星恵さんが立っていた。何故だろう、女子生徒のジャージ姿は見慣れているはずなのに、今日は特別、可愛く見える。
「あ、おはよ。女子の方は隣のコートでやるんだっけ?」
「うん、そうだよ。お互い頑張ろうね」
「うん!」
星恵さんは挨拶だけしに来たのか、それだけ伝えると小さく手を振りながら去っていく──あ、星恵さんで思い出したけど、今日は星子さんからメールが届いてないな。
そう思った俺は一応、携帯を取り出し確認してみる──やっぱり無いか。滅多にない行事なのに、何も無いのも寂しいな……まぁ、そりゃ仕方ないか。
俺は携帯をしまうと、少しでも練習しようと、バスケットボールのある体育倉庫へと向かった──。
少しして開会式が始まり、球技大会がスタートする──俺達は順調に1回戦……2回戦……と、突破した。
コートから出ると丁度、星恵さんが座ろうとしている所が目に入る。星恵さんの試合は終わったのかな? 俺はちょっと恥ずかしかったけど、思い切って星恵さんに近づいた──。
「星恵さん。試合、終わったの?」
「うん、早々と負けちゃった」
「それは残念だったね」
俺はそう言って、ちょこんと体育座りで座る星恵さんの横に座った。
「うん。だから、こう──」と星恵さんは言い掛けて、表情を隠すかのように俯き加減で首を振ると「男子の様子を見に来たの」
「へぇ……そうだったんだ」
「光輝君のさっきの試合、勝ったんでしょ?」
「うん!」
「じゃあ、このまま観戦してようかな? 1試合5分だし、直ぐに回ってくるでしょ?」
「うん、10分後。10分なんて、あっという間だし俺もここで待ってようかな?」
「そうしたら? ねぇ──」と、星恵さんが話しかけてきて、俺達は世間話を始める。その時間が楽しくて、本当にあっという間に順番が回ってきてしまった。
「あ、ごめん。俺、行ってくる」と俺は立ち上がる。星恵ちゃんは両手でガッツポーズをしながら「頑張って! 応援してる!」と言ってくれた。
キュン! あぁ……何だか星恵さんが彼女の様に見えてきた。今日はこれで満足だ。
「さぁ? 知らねぇけど、メッチャ可愛くないか?」
「あぁ……地味な奴だと思って、相手にしてなかったぜ」
占いを馬鹿にしていた二人の会話を聞いて、俺は思わず笑みを零す。星恵さんが努力した結果なのに、まるで自分の事の様に嬉しかった。
そして昨日、俺はそんな星恵さんを独り占めして、デートしている事を自慢したくて仕方が無かった。
※※※
球技大会の季節になり、今日はその当日。今年は全学年、男女ともにバスケットボールである。
バスケットボールは小学校の頃、流行ったアニメの影響で、よくクラスメイトと放課後に残ってやっていたので、得意ではないがレイアップシュートぐらいはスムーズに出来る。だから今日は、割と楽しみだった。
俺は学校に着くと、直ぐに教室でエンジ色のジャージに着替える。
「光輝、今日は宜しく頼むな」
「おう! 頑張ろうぜ」
同じチームAの男子生徒が話しかけてきて、俺はそう答える。チームは五人一組に分かれていて、3チームに分かれている。俺のチームはバスケ部だった男子が3人もいて、勝ち進む自信はあった。
俺は着替え終わると、体育館に向かう──すると、大勢の生徒が既に集まっていて、準備体操やシュート練習などしていた。
注目しておく生徒が居ないかと、俺がキョロキョロと辺りを見渡していると、後ろから「おはよ」と、女子生徒から声を掛けられる。
後ろを振り向くと、ジャージ姿の星恵さんが立っていた。何故だろう、女子生徒のジャージ姿は見慣れているはずなのに、今日は特別、可愛く見える。
「あ、おはよ。女子の方は隣のコートでやるんだっけ?」
「うん、そうだよ。お互い頑張ろうね」
「うん!」
星恵さんは挨拶だけしに来たのか、それだけ伝えると小さく手を振りながら去っていく──あ、星恵さんで思い出したけど、今日は星子さんからメールが届いてないな。
そう思った俺は一応、携帯を取り出し確認してみる──やっぱり無いか。滅多にない行事なのに、何も無いのも寂しいな……まぁ、そりゃ仕方ないか。
俺は携帯をしまうと、少しでも練習しようと、バスケットボールのある体育倉庫へと向かった──。
少しして開会式が始まり、球技大会がスタートする──俺達は順調に1回戦……2回戦……と、突破した。
コートから出ると丁度、星恵さんが座ろうとしている所が目に入る。星恵さんの試合は終わったのかな? 俺はちょっと恥ずかしかったけど、思い切って星恵さんに近づいた──。
「星恵さん。試合、終わったの?」
「うん、早々と負けちゃった」
「それは残念だったね」
俺はそう言って、ちょこんと体育座りで座る星恵さんの横に座った。
「うん。だから、こう──」と星恵さんは言い掛けて、表情を隠すかのように俯き加減で首を振ると「男子の様子を見に来たの」
「へぇ……そうだったんだ」
「光輝君のさっきの試合、勝ったんでしょ?」
「うん!」
「じゃあ、このまま観戦してようかな? 1試合5分だし、直ぐに回ってくるでしょ?」
「うん、10分後。10分なんて、あっという間だし俺もここで待ってようかな?」
「そうしたら? ねぇ──」と、星恵さんが話しかけてきて、俺達は世間話を始める。その時間が楽しくて、本当にあっという間に順番が回ってきてしまった。
「あ、ごめん。俺、行ってくる」と俺は立ち上がる。星恵ちゃんは両手でガッツポーズをしながら「頑張って! 応援してる!」と言ってくれた。
キュン! あぁ……何だか星恵さんが彼女の様に見えてきた。今日はこれで満足だ。
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