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第25話 キャ~、狼男に襲われる~
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十数分程して、ダイニングのドアが開き、俺はビックリしてビクッと体を震わせる。直ぐに立ち上がり後ろを向くと、星恵ちゃんがダイニングに入ってきた。
星恵ちゃんは俺の顔を見るのが恥ずかしい様で、俯き加減で「ど、どうかな?」と聞いてくる。
黒のトンガリ帽子に、黒のローブ。これは「──魔女のコスプレだね。凄く可愛いよ」と、正直に褒めてみた。
なのに……何故か星恵ちゃんは俺の前で立ち止まり、頬を膨らませる。え、何か変な事言った?
「──これ、魔女じゃなくて、占い師!」
「え、あ、そうだったの?」
「そうだよ! 私といえば占いでしょ?」
「そうだね」
「まったく……まぁ、褒めてくれたから良いけど!」
星恵ちゃんはそう言って、ソファに座ると、座れとポンポンとソファを軽く叩く。
「さぁて、御菓子を食べましょ! トリックオアトリート~!」
そんな風にはしゃぐ星恵ちゃんが可愛くて、意地悪な俺は、何だか悪戯の方をされたくなる。
「──あ、ごめん。御菓子、忘れてきちゃった」
「え~……じゃあ悪戯するしかないなぁ」
「うん、そうして下さい」
「いきなり言われてもなぁ……」
星恵ちゃんは人差し指を顎に当て、考え始める──指を顎から離すと「あ! じゃあ、とりあえず私の隣に座って、目を瞑ってよ」
「分かった」と俺は返事をして、星恵ちゃんの隣に座る。
「動かないでよ」
「うん」
「──ちゃんと目を閉じてる?」
「閉じてるよ」
「本当に?」
星恵ちゃんは疑うようにそう言って、俺の目の上に手を乗せた。そこまでして何をしようとしているのだろう? ドキドキ……してくる。
「──ちょっと、恥ずかしいなぁ」と、ボソッと聞こえ、え!? 恥ずかしいって何!!? 何をする気なの!!? と、俺は更に速く心臓を高鳴らせた。
──そのままの姿勢で待っていると……俺のホッペに湿った柔らかいものが当たる。こ……これはッ!!!
「目……開けて良いよ」
「う、うん」
目を開けると、そこには上目遣いで恥ずかしそうに俺を見つめる星恵ちゃんの姿があった。
「御菓子、忘れるからだぞ!」と、星恵ちゃんは言って、俺の腕で人差し指でツンツンと突く。
ホッペにチューなんて、悪戯じゃなくて御褒美でしかないだろ!!!!
星恵ちゃんのあまりの可愛さにテンションがMAXになった俺は、「ガオォー……そんな可愛い事すると、食べちゃうぞ~」と調子に乗る。
星恵ちゃんはソファから立ちあがり「キャ~、狼男に襲われる~」と逃げ出した。俺は「待て~」と、ゆっくり立ち上がり、星恵ちゃんを追いかける。
小学生のようにキャッキャとダイニングのテーブルの周りを追いかけっこして、数分後に星恵ちゃんの肩を掴み「捕まえたぞ~」と、こちらに向けた。
「キャ~、捕まっちゃった。誰か助けて~」
「逃がさないぞ~」と、どさくさに紛れて俺も星恵ちゃんのホッペにキスをしようと顔を近づけた瞬間、ダイニングのドアが開く。
「え……?」
何が起こったのか、状況が掴めなかった俺は、買い物袋をぶら下げて立っている女性を見つめ、固まる。
女性は驚いた表情を見せていたが、すぐに表情を崩してニコッと微笑み「あらあら、まぁまぁ……お邪魔だったかしら?」とリビングの中に入った。
「お、お母さん、仕事は?」
「思ったより早く片付いた」
「そ、そう……」
星恵ちゃんのお母さんかぁ……星恵ちゃんのお母さんだけあって、若くて綺麗だな。星恵ちゃんも大人になったら、こういう感じになるのかな──って、そうじゃない!
俺は星恵ちゃんの肩から手を離し、お辞儀をすると「遅くなりまして、すみません! お、俺、星恵ちゃんのクラスメイトで、その……お付き合いさせて頂いている井上 光輝と言います」と自己紹介をした。
星恵ちゃんのお母さんは買い物袋を床に下ろすと、俺に向かってお辞儀する。
「あなたが光輝君、星恵の母です。あなたの事はいつも娘から聞いていますよ。カッコ良くて優しい彼氏なんだってね」
「ちょ、お母さん! 余計な事は言わなくて良いの!」
チラッと星恵ちゃんの方に視線を向けると、星恵ちゃんは恥ずかしそうに髪を撫でていた。照れている星恵ちゃんも本当、可愛い。お母さん、グッジョブ!
「はいはい、もう邪魔しませんよ。じゃあ、光輝君。ごゆっくりどうぞ」
星恵ちゃんのお母さんはそう言って、買い物袋を持ち上げると、キッチンの方へと歩いて行った──。
星恵ちゃんは俺の顔を見るのが恥ずかしい様で、俯き加減で「ど、どうかな?」と聞いてくる。
黒のトンガリ帽子に、黒のローブ。これは「──魔女のコスプレだね。凄く可愛いよ」と、正直に褒めてみた。
なのに……何故か星恵ちゃんは俺の前で立ち止まり、頬を膨らませる。え、何か変な事言った?
「──これ、魔女じゃなくて、占い師!」
「え、あ、そうだったの?」
「そうだよ! 私といえば占いでしょ?」
「そうだね」
「まったく……まぁ、褒めてくれたから良いけど!」
星恵ちゃんはそう言って、ソファに座ると、座れとポンポンとソファを軽く叩く。
「さぁて、御菓子を食べましょ! トリックオアトリート~!」
そんな風にはしゃぐ星恵ちゃんが可愛くて、意地悪な俺は、何だか悪戯の方をされたくなる。
「──あ、ごめん。御菓子、忘れてきちゃった」
「え~……じゃあ悪戯するしかないなぁ」
「うん、そうして下さい」
「いきなり言われてもなぁ……」
星恵ちゃんは人差し指を顎に当て、考え始める──指を顎から離すと「あ! じゃあ、とりあえず私の隣に座って、目を瞑ってよ」
「分かった」と俺は返事をして、星恵ちゃんの隣に座る。
「動かないでよ」
「うん」
「──ちゃんと目を閉じてる?」
「閉じてるよ」
「本当に?」
星恵ちゃんは疑うようにそう言って、俺の目の上に手を乗せた。そこまでして何をしようとしているのだろう? ドキドキ……してくる。
「──ちょっと、恥ずかしいなぁ」と、ボソッと聞こえ、え!? 恥ずかしいって何!!? 何をする気なの!!? と、俺は更に速く心臓を高鳴らせた。
──そのままの姿勢で待っていると……俺のホッペに湿った柔らかいものが当たる。こ……これはッ!!!
「目……開けて良いよ」
「う、うん」
目を開けると、そこには上目遣いで恥ずかしそうに俺を見つめる星恵ちゃんの姿があった。
「御菓子、忘れるからだぞ!」と、星恵ちゃんは言って、俺の腕で人差し指でツンツンと突く。
ホッペにチューなんて、悪戯じゃなくて御褒美でしかないだろ!!!!
星恵ちゃんのあまりの可愛さにテンションがMAXになった俺は、「ガオォー……そんな可愛い事すると、食べちゃうぞ~」と調子に乗る。
星恵ちゃんはソファから立ちあがり「キャ~、狼男に襲われる~」と逃げ出した。俺は「待て~」と、ゆっくり立ち上がり、星恵ちゃんを追いかける。
小学生のようにキャッキャとダイニングのテーブルの周りを追いかけっこして、数分後に星恵ちゃんの肩を掴み「捕まえたぞ~」と、こちらに向けた。
「キャ~、捕まっちゃった。誰か助けて~」
「逃がさないぞ~」と、どさくさに紛れて俺も星恵ちゃんのホッペにキスをしようと顔を近づけた瞬間、ダイニングのドアが開く。
「え……?」
何が起こったのか、状況が掴めなかった俺は、買い物袋をぶら下げて立っている女性を見つめ、固まる。
女性は驚いた表情を見せていたが、すぐに表情を崩してニコッと微笑み「あらあら、まぁまぁ……お邪魔だったかしら?」とリビングの中に入った。
「お、お母さん、仕事は?」
「思ったより早く片付いた」
「そ、そう……」
星恵ちゃんのお母さんかぁ……星恵ちゃんのお母さんだけあって、若くて綺麗だな。星恵ちゃんも大人になったら、こういう感じになるのかな──って、そうじゃない!
俺は星恵ちゃんの肩から手を離し、お辞儀をすると「遅くなりまして、すみません! お、俺、星恵ちゃんのクラスメイトで、その……お付き合いさせて頂いている井上 光輝と言います」と自己紹介をした。
星恵ちゃんのお母さんは買い物袋を床に下ろすと、俺に向かってお辞儀する。
「あなたが光輝君、星恵の母です。あなたの事はいつも娘から聞いていますよ。カッコ良くて優しい彼氏なんだってね」
「ちょ、お母さん! 余計な事は言わなくて良いの!」
チラッと星恵ちゃんの方に視線を向けると、星恵ちゃんは恥ずかしそうに髪を撫でていた。照れている星恵ちゃんも本当、可愛い。お母さん、グッジョブ!
「はいはい、もう邪魔しませんよ。じゃあ、光輝君。ごゆっくりどうぞ」
星恵ちゃんのお母さんはそう言って、買い物袋を持ち上げると、キッチンの方へと歩いて行った──。
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