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第27話 彼女の誕生日プレゼントには
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それから数カ月が経つ。俺が大学受験に向けて、休み時間を返上して勉強していると、「勉強?」と、星恵ちゃんが話しかけてきた。
顔を上げると、星恵ちゃんは心配してくれているのか眉を顰めて、俺を見つめていた。
「うん、受かるか心配で今のうちに勉強しておこうと思って」
「──まだ大丈夫じゃない?」
星恵ちゃんのその言葉が軽々しく聞こえ、俺はちょっと腹が立ち「大丈夫な訳ないだろ? ダメだったら、どうするんだ。そうなったら星恵ちゃんも恥ずかしいだろ? 俺はそんな思いをさせたくなくて必死なんだ」と、ボロッと本音を漏らしてしまう。
星恵ちゃんは俺から視線を逸らすと「──そう……無理しないでね」
「あ……うん、ありがとう」
俺は何だか気まずくて、そう返事をすると星恵ちゃんを見送ることなく勉強の続きを始めた──。
※※※
休日になり、俺は朝から勉強をしていた──すると携帯にメールが届く。俺は気分転換に丁度いいと思い、携帯を手に取りメールを開いた。
メールの相手は星子さんで『ストレスが溜まっている様なら、外で趣味を楽しむと吉!』と、書かれていた。
正直、遊ぶ気分にはなれない……でも、久しぶりの誘いだ。ちょっとだけなら……と、俺は椅子から立ち上がると、釣りに行く準備を始めた──。
池に着くと、星恵ちゃんは既に釣りを始めていた。俺は近づくと「星恵ちゃんも来てたんだ」と声を掛けた。
星恵ちゃんはリールを巻きながら、こちらに顔を向け「うん! 久しぶりに自然に触れたくなってね。光輝君もそんな感じ?」
「うん、1時間ぐらいなら……と思って来てみた」
「そう……勉強は順調?」
「うーん……まだまだ心配かな」
俺はそう返事をして、星恵ちゃんの横で釣りを始める──。
「それだけど……私、重しになってない?」
「え? ──あ……教室でのこと?」
「うん……」
「ごめん、そんな事は無いよ。あれは、その……言い訳にしちゃっただけだから」
星恵ちゃんは池から離れると、しゃがみ込む。
「そう? 私──恥ずかしいなんて思わないから。受験に限らず、辛い時があったら支えたいと思ってる。だって私は、光輝君の彼女なんだから」
星恵ちゃんは俺を見るのが恥ずかしいのか、ルアーを付け替えながら、そう言った。こっちを見てなくて良かった……俺はいま顔を見られたくないぐらい情けない顔をしている。
俺はシレっと涙を指で拭いて、釣りを続ける──星恵ちゃんが、なかなか釣りを再開しないので、様子が気になった俺は、星恵ちゃんの方へと視線を向けた。
星恵ちゃんは何故か竿を持たずに俺に近づき、横に並ぶと、俺のウインドブレーカーの袖を掴んだ。
「どうしたの?」
「星子さん……とまではいかないけど、私も占いをしてみたの。光輝君の勉強運は最高だって! きっと努力は実を結ぶでしょう!って、出てたよ」
星恵さんは笑顔を浮かべて、そう言ってくれた。
「そう……じゃあ、きっと大丈夫だな!」
──それから俺はリラックスした気持ちで勉強を続ける事が出来た。
※※※
月日が流れ、桜が綺麗な季節になる。俺はポカポカと暖かい陽気の中、星恵ちゃんの誕生日はどうしようかと考えながら、通学路を歩いていた。
去年は直接聞いて、御飯を食べに行っただけで喜んでくれたけど……今年もそんな感じになるのかな? まぁ、とにかく、明日は一緒に帰って、その時に聞いてみるか。
──次の日の放課後。俺は自分の席に座る星恵ちゃんに近づき「一緒に帰ろう」と誘った。
「うん、良いよ」と、星恵ちゃんは通学鞄を手に取る。俺が歩き出すと、星恵ちゃんも合わせて歩き出し、横に並んだ。
「──ねぇ、星恵ちゃん。もうすぐ誕生日だけど、何か欲しい物ある?」
「欲しい物かぁ……」
星恵ちゃんは考え始めた様で、人差し指を顎に当てた。そのまま廊下を歩き続け、少しすると人差し指を顎から離し「もう少し考えさせてくれる?」
「あぁ、良いよ」
「ありがとう! 今日、美術の時間にさ──」と、星恵ちゃんは話し始め、俺達はそのまま世間話をしながら、家に帰った。
──その日の夜。風呂から出て、自室に戻ると机の上にある携帯が光っている事に気付く。俺は近づき携帯を手に取ると、星子さんからのメールを開いた。なになに……。
『彼女の誕生日プレゼントにはルージュを贈ってあげましょう』だって!?
ルージュって口紅だよな? 男が一人で買いに行くのはちょっとハードル高いぞ? ──かといって圭子に頼むのはなぁ……別の問題を生みそうだ。だったら高橋さん? いや、付いてきてくれそうだけど……怒られそうでもある。
うーん……ん? いや待てよ、一緒に買いに行きたいって事なのか?
──いやいやいや、違うだろ。もしそうだとしても、どうやって誘うんだ? 君の誕生日に口紅を買いに行かないかい? なんて行き成り誘えないだろ──仕方ない、嫌だけどあの人に頼むか。
顔を上げると、星恵ちゃんは心配してくれているのか眉を顰めて、俺を見つめていた。
「うん、受かるか心配で今のうちに勉強しておこうと思って」
「──まだ大丈夫じゃない?」
星恵ちゃんのその言葉が軽々しく聞こえ、俺はちょっと腹が立ち「大丈夫な訳ないだろ? ダメだったら、どうするんだ。そうなったら星恵ちゃんも恥ずかしいだろ? 俺はそんな思いをさせたくなくて必死なんだ」と、ボロッと本音を漏らしてしまう。
星恵ちゃんは俺から視線を逸らすと「──そう……無理しないでね」
「あ……うん、ありがとう」
俺は何だか気まずくて、そう返事をすると星恵ちゃんを見送ることなく勉強の続きを始めた──。
※※※
休日になり、俺は朝から勉強をしていた──すると携帯にメールが届く。俺は気分転換に丁度いいと思い、携帯を手に取りメールを開いた。
メールの相手は星子さんで『ストレスが溜まっている様なら、外で趣味を楽しむと吉!』と、書かれていた。
正直、遊ぶ気分にはなれない……でも、久しぶりの誘いだ。ちょっとだけなら……と、俺は椅子から立ち上がると、釣りに行く準備を始めた──。
池に着くと、星恵ちゃんは既に釣りを始めていた。俺は近づくと「星恵ちゃんも来てたんだ」と声を掛けた。
星恵ちゃんはリールを巻きながら、こちらに顔を向け「うん! 久しぶりに自然に触れたくなってね。光輝君もそんな感じ?」
「うん、1時間ぐらいなら……と思って来てみた」
「そう……勉強は順調?」
「うーん……まだまだ心配かな」
俺はそう返事をして、星恵ちゃんの横で釣りを始める──。
「それだけど……私、重しになってない?」
「え? ──あ……教室でのこと?」
「うん……」
「ごめん、そんな事は無いよ。あれは、その……言い訳にしちゃっただけだから」
星恵ちゃんは池から離れると、しゃがみ込む。
「そう? 私──恥ずかしいなんて思わないから。受験に限らず、辛い時があったら支えたいと思ってる。だって私は、光輝君の彼女なんだから」
星恵ちゃんは俺を見るのが恥ずかしいのか、ルアーを付け替えながら、そう言った。こっちを見てなくて良かった……俺はいま顔を見られたくないぐらい情けない顔をしている。
俺はシレっと涙を指で拭いて、釣りを続ける──星恵ちゃんが、なかなか釣りを再開しないので、様子が気になった俺は、星恵ちゃんの方へと視線を向けた。
星恵ちゃんは何故か竿を持たずに俺に近づき、横に並ぶと、俺のウインドブレーカーの袖を掴んだ。
「どうしたの?」
「星子さん……とまではいかないけど、私も占いをしてみたの。光輝君の勉強運は最高だって! きっと努力は実を結ぶでしょう!って、出てたよ」
星恵さんは笑顔を浮かべて、そう言ってくれた。
「そう……じゃあ、きっと大丈夫だな!」
──それから俺はリラックスした気持ちで勉強を続ける事が出来た。
※※※
月日が流れ、桜が綺麗な季節になる。俺はポカポカと暖かい陽気の中、星恵ちゃんの誕生日はどうしようかと考えながら、通学路を歩いていた。
去年は直接聞いて、御飯を食べに行っただけで喜んでくれたけど……今年もそんな感じになるのかな? まぁ、とにかく、明日は一緒に帰って、その時に聞いてみるか。
──次の日の放課後。俺は自分の席に座る星恵ちゃんに近づき「一緒に帰ろう」と誘った。
「うん、良いよ」と、星恵ちゃんは通学鞄を手に取る。俺が歩き出すと、星恵ちゃんも合わせて歩き出し、横に並んだ。
「──ねぇ、星恵ちゃん。もうすぐ誕生日だけど、何か欲しい物ある?」
「欲しい物かぁ……」
星恵ちゃんは考え始めた様で、人差し指を顎に当てた。そのまま廊下を歩き続け、少しすると人差し指を顎から離し「もう少し考えさせてくれる?」
「あぁ、良いよ」
「ありがとう! 今日、美術の時間にさ──」と、星恵ちゃんは話し始め、俺達はそのまま世間話をしながら、家に帰った。
──その日の夜。風呂から出て、自室に戻ると机の上にある携帯が光っている事に気付く。俺は近づき携帯を手に取ると、星子さんからのメールを開いた。なになに……。
『彼女の誕生日プレゼントにはルージュを贈ってあげましょう』だって!?
ルージュって口紅だよな? 男が一人で買いに行くのはちょっとハードル高いぞ? ──かといって圭子に頼むのはなぁ……別の問題を生みそうだ。だったら高橋さん? いや、付いてきてくれそうだけど……怒られそうでもある。
うーん……ん? いや待てよ、一緒に買いに行きたいって事なのか?
──いやいやいや、違うだろ。もしそうだとしても、どうやって誘うんだ? 君の誕生日に口紅を買いに行かないかい? なんて行き成り誘えないだろ──仕方ない、嫌だけどあの人に頼むか。
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