クラスメイトに良く当たる占い師を紹介して貰ったら、可愛い彼女が出来ました

若葉結実(わかば ゆいみ)

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第38話 ねぇ、しちゃおっか?

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「な、なに?」
「ねぇ、さっきの電話は何だったの?」
「何だったって……ただ声を聞きたいからって電話をしてきただけだったよ」
「そう……じゃあ来るとかって話じゃなかったのね?」
「うん」

 飯田さんは急に俺の太ももに温かい手を乗せ、優しく撫で始める。俺は驚いて背筋をピンっと伸ばした。

「ちょ……止めてくれないか?」
「どうして?」
「どうしてって……くすぐったい」

 飯田さんは「ふふ……」と笑うと俺の耳元で「ねぇ、しちゃおっか?」と囁く。

「え……しちゃうって──何を?」
「分かってるくせに、女の子に言わせる気?」
「しないよ。彼女が居るんだ」
「遠く離れていて来ないんじゃ、平気じゃない? バレはしないわよ」

 確かにバレる事はない──ないけど、俺は──。

 クッションから立ち、飯田さんの方に体を向けると「絶対にしない! それを望んでいるなら、ここから出て行ってくれ!!」と、キッパリ断った。

 飯田さんは立ち上がると「あ、そう……分かったわよッ!」と逆切れすると、ハンドバッグを手に取り──アパートから出て行った。

 俺は彼氏の浮気で悲しむ圭子の姿を見ている。だから不誠実な事は絶対にしたくないと思ってる。それに──どんな誘惑されても、星恵ちゃんの魅力には敵わない。俺はそれを知っているんだ。

 ※※※

 それから必要最低限のこと以外、飯田さんが俺に関わることは無くなった。だからといって、どうということはない。むしろ距離を置いて貰った方が、気持ちが楽だ。

 一体、飯田さんは何がしたかったんだろ? 一人でいる男子生徒に話しかけたりしているのをみると、もしかしたらチヤホヤしてくれる男性を探していたのかもしれない。

 俺はグループワークで一緒になった友達を大切にする様にし、大学生活を楽しんでいた。そんなある日──。

 大学の廊下を歩いていると、携帯の着信音が鳴る。俺はズボンから携帯を取り出すと、着信画面で星恵ちゃんだと確認してから電話に出た。

「はい」
「あ、光輝君。いま大丈夫?」

 俺は廊下の端に寄り、壁に背中を預けると「大丈夫だよ」

「今度の長期連休だけどさ、こっち戻ってくるの?」
「うん、そのつもり」
「じゃあさ、遊園地に行こうよ。新しいアトラクションが増えたみたいだよ」
「マジで!? 行く行く」
「じゃあ後で行けそうな日、連絡くれる?」
「了解!」
「楽しみにしてるね!」
「おう!」

 星恵ちゃんは俺の返事を聞くと、通話を切る。俺も通話を切って、携帯をズボンにしまった。

 飯田さんがアパートに来た日。飯田さんが帰った後、俺は直ぐに電話を入れて、事情を話した。
 
 その甲斐あってか、星恵ちゃんは信じてくれた様で、何も起きていない。だけどあれから会っていないから、ちょっと心配だな。何も起きずに楽しめれば良いけど……。

 ※※※

 長期連休に入り、俺は実家に帰っていた。明日はいよいよ星恵ちゃんとデートの日だけど、天気は大丈夫かな? 気になった俺は机に置いてあった携帯を手に取り、調べてみる。

「午前中は大丈夫そうだけど、午後は怪しいな」

 どうするかな……現地で買う事も出来そうだけど、念のために傘を持っていくか。俺はそう決めると、机に携帯を置き、クローゼットに向かう。

 クローゼットを開けると、折り畳み傘を取り出した。この傘をみると、星恵ちゃんと一緒に相合傘をしたことを思い出すな──。

「あ……そういえば今日は星子さんからメールが届かないけど、大丈夫かな?」

 俺がそう呟くとタイミングよく携帯の着信音が鳴る。俺は折り畳み傘を黒のリュックにしまうと、携帯を手に取った。

 良かった。星子さんからメールだ。直ぐにメールを開くとそこには『明日のラッキーカラーは、ズバリ赤です!』と書かれていた。

 なんか珍しい書き方だな。本当の占いみたいに抽象的で、どうしたら良いのか分からない。

「ん~……困ったぞ?」

 赤、赤ねぇ……とりあえず黒のリュックを赤にしてみるか! 俺は荷物を一旦だして、すべて赤色のリュックに移し替えた──。

 これが当たりかどうか分からないけど……準備は済んだし、明日に備えてもう寝よう!
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