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学校案内
木造二階建て本校舎。
渡り廊下を挟んで別館が一棟。
シェリル達は校舎内を案内されている。廊下ももちろん板作りになっていて、たまにギシッと音がする。
授業中の子ども達を廊下から眺めながらドナス校長から話を聞いていた。
全校生徒は180人程。ばらつきはあるが概ね20人前後で1クラス。
受け持ちは7年生~9年生のいわゆる高学年クラス。
ここでマナー講師として教鞭をとる。
空き時間は授業を見学してもいいし、受けてもいい。
「シェリル、聞いてますか?」
「っはい。聞いてます」
「そう?上の空でなくて?」
シェリルは鋭いなぁと思い苦笑した。
「さっきの鳥は・・・?」
「あぁ、マルティナ様の飼ってるチャッピーですよ」
ドナス校長が微笑み、そして線を引いた。
「あの、ドナス校長は私達がその本土で・・・」
「知ってますよ。号外が出ましたからね」
「「号外!?」」
ドナスがクスクス笑いながら頷く。
『追放令嬢来たる!冤罪で島流し!みんな暖かく迎えよう。〇月✕日××時 砦にて出迎えよう!』
驚きで声も出ないシェリル達。
ゴクリと思わず喉が鳴る。
「・・・な、なんで」
声が掠れてしまって上手く話せない。
そもそもどうして冤罪だといえるのだろう。
マルティナ達は、なにをどこまで知っているというのだろう。
そっとアンナに手を握られ肩が跳ねる。
交わした目線は不安げに揺れている。
ドナスがじっと様子を窺ってる気がする。
握りしめた手に汗が吹き出してくる。
「シェリル?」
顔を向けるとニーサンとカーラが心配そうに立っていた。
「顔色悪ぃぞ、どした?」
「シェリル、アンナ、疲れた?」
大丈夫というように首を振っていると鐘がなり、教室から一気に子ども達が飛び出して来た。
シェリルせんせー!
いっしょに遊ぼー
給食食べていく?
いっしょに食べようよー
あっという間に囲まれる新しい先生二人。
「せんせー、にちようびのパンまつり行く?」
パン祭り?首を傾げるとニーサンが後を引き取って答えてくれる。
「町のパン屋とか食堂が出店出して、パンを売るってそれだけだよ。パン祭りでしか売らないパンがあったりして子どもらは楽しみにしてるな」
「ねー、いく?」
「ええ、行ってみたいわ」
シェリルはかがんでにっこり笑う。
えへへとはにかむ子の頭をそっと撫でる。
ずるーい
僕もー
私もー
シェリルは微笑みながら、この後のお勉強も頑張ってね、と一人一人撫でていく。
「シェリル、扱い慣れてんな」
「お嬢様は孤児院の慰問によく行ってらしたので」
「へぇ、さすがだな。孤児院はあちこち回ってたのか?」
「いえ、先々代の王妃殿下が創設されたペテロ孤児院です。・・・一度王都の外れにある孤児院へ行った際に野党に襲われて命拾いしたので」
「なるほど、あちこち行くのは危険だったわけだ」
アンナは小さく頷いた。
ふと囲まれたシェリルがニーサンを見上げる。
「よーし、お前ら俺が責任もってパン祭りに先生連れて行くからもう教室戻れー。鐘なるぞー」
そう言ってシェリルに手を差し出した。
ありがとう、とシェリルが腰をあげた時ちょうど鐘が鳴った。
「シェリル、じゃあ次は別館に行きましょうか」
ドナス校長の案内が再開される。
ニーサンも一緒に案内に加わり、話に花が咲いた。
シェリル達はカーラがいつの間にか、その場を離れたことに気付かなかった。
渡り廊下を挟んで別館が一棟。
シェリル達は校舎内を案内されている。廊下ももちろん板作りになっていて、たまにギシッと音がする。
授業中の子ども達を廊下から眺めながらドナス校長から話を聞いていた。
全校生徒は180人程。ばらつきはあるが概ね20人前後で1クラス。
受け持ちは7年生~9年生のいわゆる高学年クラス。
ここでマナー講師として教鞭をとる。
空き時間は授業を見学してもいいし、受けてもいい。
「シェリル、聞いてますか?」
「っはい。聞いてます」
「そう?上の空でなくて?」
シェリルは鋭いなぁと思い苦笑した。
「さっきの鳥は・・・?」
「あぁ、マルティナ様の飼ってるチャッピーですよ」
ドナス校長が微笑み、そして線を引いた。
「あの、ドナス校長は私達がその本土で・・・」
「知ってますよ。号外が出ましたからね」
「「号外!?」」
ドナスがクスクス笑いながら頷く。
『追放令嬢来たる!冤罪で島流し!みんな暖かく迎えよう。〇月✕日××時 砦にて出迎えよう!』
驚きで声も出ないシェリル達。
ゴクリと思わず喉が鳴る。
「・・・な、なんで」
声が掠れてしまって上手く話せない。
そもそもどうして冤罪だといえるのだろう。
マルティナ達は、なにをどこまで知っているというのだろう。
そっとアンナに手を握られ肩が跳ねる。
交わした目線は不安げに揺れている。
ドナスがじっと様子を窺ってる気がする。
握りしめた手に汗が吹き出してくる。
「シェリル?」
顔を向けるとニーサンとカーラが心配そうに立っていた。
「顔色悪ぃぞ、どした?」
「シェリル、アンナ、疲れた?」
大丈夫というように首を振っていると鐘がなり、教室から一気に子ども達が飛び出して来た。
シェリルせんせー!
いっしょに遊ぼー
給食食べていく?
いっしょに食べようよー
あっという間に囲まれる新しい先生二人。
「せんせー、にちようびのパンまつり行く?」
パン祭り?首を傾げるとニーサンが後を引き取って答えてくれる。
「町のパン屋とか食堂が出店出して、パンを売るってそれだけだよ。パン祭りでしか売らないパンがあったりして子どもらは楽しみにしてるな」
「ねー、いく?」
「ええ、行ってみたいわ」
シェリルはかがんでにっこり笑う。
えへへとはにかむ子の頭をそっと撫でる。
ずるーい
僕もー
私もー
シェリルは微笑みながら、この後のお勉強も頑張ってね、と一人一人撫でていく。
「シェリル、扱い慣れてんな」
「お嬢様は孤児院の慰問によく行ってらしたので」
「へぇ、さすがだな。孤児院はあちこち回ってたのか?」
「いえ、先々代の王妃殿下が創設されたペテロ孤児院です。・・・一度王都の外れにある孤児院へ行った際に野党に襲われて命拾いしたので」
「なるほど、あちこち行くのは危険だったわけだ」
アンナは小さく頷いた。
ふと囲まれたシェリルがニーサンを見上げる。
「よーし、お前ら俺が責任もってパン祭りに先生連れて行くからもう教室戻れー。鐘なるぞー」
そう言ってシェリルに手を差し出した。
ありがとう、とシェリルが腰をあげた時ちょうど鐘が鳴った。
「シェリル、じゃあ次は別館に行きましょうか」
ドナス校長の案内が再開される。
ニーサンも一緒に案内に加わり、話に花が咲いた。
シェリル達はカーラがいつの間にか、その場を離れたことに気付かなかった。
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