ブラッシング!!

コトハナリユキ

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内緒

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 備品倉庫の入口付近でヘッド達は、ジリジリと互いがどう出るかを伺いあっていた。

  クアリクが頭に背負い投げをされた時、ユースケ兄さんが、ミズエを助け出した。
今、俺の後ろで傷の手当てをしている。

 「よし、これで大丈夫だ。」
 ユースケ兄さんはそう言いながら、包帯でミズエの両掌をきちんと縛った。
 「あ、ありがと。けど…。」
 ミズエは少し気まずそうにユースケ兄さんにお礼を言った。照れてるのか?
 「……いいから。」
 とユースケ兄さんは少し笑って人差し指を立て「シッ。」とミズエに言っていたけど、俺にはよく意味が分からなかった。

 「フフフ。……ハハハ。」
 不意にクアリクが笑いだした。不審に思った頭が「なんだ?」と尋ねる。
 「いや、こんな風にやり合うって僕は滅多とないので、なんだか楽しくなって来ちゃって……。」
 3本の鉤爪かぎづめを取り出した。まだ武器を隠していたんだ……!
 「これは銃もナイフも使えなくなった時の為のものです。でも、これを使うのは初めてです。」
 クアリクはその凶器を持ち上げて頭へと向けた。それは掌と同じ位の長さで先は鋭い爪のような形状になっていた。
 「この3本の爪で一気に皮膚を裂けば簡単には治せない。そのまま八つ裂きにしてあげますよ。」

 「へぇ。いつでも来いよ。」
 そう頭が言った瞬間にクアリクは踏み込んだ。振り上げた右手で頭の左首を狙ったが、頭は左腕でクアリクの右手を手刀で撃ち落とし、そのまま掴んだ。
 「お前はワンパターンなんだよ。」
 「あ! 離せ……!」
 2人の間がゼロ距離になった時、頭が余裕の笑みを浮かべると、クアリクの口元も笑っていた。
 「……とでも言うと思いましたか?」
 「!?」
 
 ドス!
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