ブラッシング!!

倉畑コウキ@小説書く介護職

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内緒

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 クアリクは更に隠し持っていた鉤爪3本を頭の腹に突き刺した。
 「ぐ……!!」
 「ヘッドぉ!!」

 頭はその場で倒れるのを避けて跳び、クアリクの間合いから離れて膝をついた。
 「チ! うぅ……」
 聞いたことのない頭のうめき声が聞こえる。
 「ふふふ。逃がしませんよ。」
 その場を逃れた頭をクアリクが追いかけ、鉤爪かぎづめを突き刺そうと迫っていた。
 「頭ぉ! 逃げてください!」 
 「ばか。ゲホ! 逃げねーよ。」
 ぺ!っと血を吐いた頭の足元には大きな血だまりができていた。

 「同じことを繰り返すんですか、おかしらさん? 3本もお腹に刺さったままでは苦しいでしょう?」
 またクアリクは笑った。
 「これで終わりにしましょうよ」
 クアリクが脳天狙いの鉤爪を振り下ろした。
 
 グサ!
 
 「え……!」
 頭は左掌をクアリクの鉤爪に突き出し、1本だけ掌を貫かせ、そのままもう1度クアリクの腕掴んだ。
 「ごほ! 捕まえたぞ。」
 「く! は、離せ!」
 頭の足元に血だまりができていた訳が分かった。鉤爪が刺さっただけであんなに大きな血だまりはできない。
 「これ、返すぞ」
 「!?」

 グサ!

 「あ……! ……これ。」脂汗が吹き出る中クアリクは頭を信じられないといった顔つきで見つめた。
 「そうだよ。」
 頭はさっき自身が刺された鉤爪を抜き取り、クアリクの胸に突き立てていた。
 「お、お腹から抜いた……? 出血多量で、死んじゃいます……よ?」
 「そーかもな。でも、お前の鉤爪なんかが刺さったまんま死ぬよりは……いいからな」
 「はは、そーです……か。」
 膝から崩れるようにクアリクは倒れ、ごろりと仰向けになった。
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