王子発掘プロジェクト

urada shuro

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序章

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「あのね、あたしはばかだって。まほうのごほんをよんでも、じゅもんをいっても、にんげんのあたしにまほうはつかえないって、みんながいうの。ほんとう?」

 幼いあたしが尋ねると、あのひとはしゃがんで視線を合わせてくれた。
 紅色の緩い巻き毛がふわりとゆれ、映画で見た王子様のように口元が甘く微笑んでいる。

「……なにがほんとうでほんとうじゃないかは、きみが決めていいんだよ。きみが求める限り、きみの可能性は無限なんだ」

 こちらを見つめる黄金色の瞳の左側がぱちんと瞬いた、その瞬間。


 ――きゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!


 あたしの胸はときめきを孕んだ音を奏で、傷ついた心は魔法のように癒されたのでした。



 これがあたしの大切な思い出。
 あのひとに会った、最初で最後の日――。

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