泡沫の如く儚い平和

琴里 美海

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第四話

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 今日は雨。お外では遊べないので、家の中で暁光さんと一緒にお勉強です。

「お前大分字読める様になったよな。それに意味も分かるようになってきたし。」
「え、そうですか?えっと、嬉しいです。」

 嬉しくて笑うと暁光さんが変な声を上げてその場に倒れた。

「暁光さん!?」
「氷柱、可愛い、本当、可愛い、辛い、死ぬ。」

 暁光さんの喋り方が可笑しな事に。
 暫くしてやっと暁光さんが落ち着くと、暁光さんは大きく息を吐いてからまたお勉強を再開してくれた。と言うより、私はもしかしたら下手な事はしない方が良いのかもしれない。
 結構な時間お勉強をしてから暁光さんが御昼御飯の準備をしてくれた。
 暁光さんが御飯を作っている間、私は畳の上でコロコロと転がっていた。
 段々と良い匂いがしてくると、小腹が空いた程度だったけど、どんどんお腹が空いて来て、最終的にお腹の虫が鳴ってしまった。

「あ、はぅぅうう…………」

 恥ずかしくてお腹を押さえた。遠くから暁光さんの変な叫び声が聞こえて来たけど、流石に確かめに行く勇気は無かったので放置。
 早く御飯出来ないかなと思っていると、暁光さんが御飯を持って来てくれた。服に血が付いていたけど、其処には触れないでおこう。

「ほら氷柱、出来たぞ。」
「あ、ありがとうございます。」

 暁光さんからおぼんを受け取ると、私はすぐに床に置いた。暁光さんは暁光さんで、自分の御飯を持って来ていて、私の前に腰を降ろした。

「頂きます。」
「おう、召し上がれ。」

 私はお箸を持って御飯を食べ始めた。

「そう言えば雀さんは元気ですかね。」
「多分元気だろ。」
「多分って何っすか!!あっしは元気っすよ!!!」

 その声が聞こえて窓を見ると、窓の縁に一羽の雀が止まっていた。
 家の中に入って来ると同時に人の姿になった。

「雀さん!!」
「氷柱さんお久しぶりっす!!」

 雀さんは私の隣に座ると、私の御飯をジッと見ていた。

「食べますか?」
「え!!いや良いっすよ!!氷柱さんの御飯じゃないっすか!!!」
「そうだ氷柱!!!それはお前のだ!!!」

 暁光さん、そんなに強く言わなくても良いじゃないですか。でも雀さん凄くお腹空いてるみたいだし、少しくらい雀さんに上げても良いと思うんですけど。

「お前は俺のやるから。」

 そう言って暁光さんは自分の御飯の乗ったおぼんを雀さんの前に置いた。
 雀さんは驚いた様子で御飯を見てから暁光さんを見た。

「え、良いんっすか?」
「氷柱の飯食われるくらいなら良いんだよ。」
「ありがとうございますっす!!!」

 雀さんは凄い勢いで頭を下げてから御飯を食べ始めた。
 怒ってないかなと思いつつ、私は暁光さんを見ると、暁光さんは私と雀さんを楽しそうに見ていた。

「あの、暁光さん。」
「あ?」

 私はお箸で御飯を持って暁光さんに差し出した。

「はい、どうぞ。」
「ゴフッ!!!」
「暁光さん!!?」

 暁光さんが血を吐いて倒れた。
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