泡沫の如く儚い平和

琴里 美海

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第参拾九話

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 結局箱が壊せなかった為、箱ごと暁光さんのお家へ帰って来た。最初は小屋に帰ろうと言う話だったんですが、暁光さんの家になら何かしらの道具があると判断されて、暁光さんのお家に帰って来た。
 一応お家の中には入れたんだけれど、箱から出る事は出来なかった。

「て言うか、本当にこれ如何するんだ?」

 鳩さんは私を見てそう言った。私も本当に困ってます。特に暁光さんが凄い苛々しているみたいなので。

「氷柱、氷柱……………………」

 ほら、もう鬼気迫る顔で私の名前を連呼してます。

「にしても全然壊れないっすね、この箱。」

 雀さんが私の入っている箱を叩きながらそう言うと、暁光さんは叫び声を上げてその場に倒れた。

「氷柱!!!ああああああああああああ!!!俺が付いていながら!!!!」
「ぎょ、暁光さん、暁光さんのせいじゃないです。それに、私がいつも簡単に捕まっちゃうから…………………」
「お前のせいじゃない!!!お前のせいな訳が無い!!!」
「そうっすよ!!!氷柱さんの何処に悪い要素があったんっすか!!?」

 そう言って頂けると、気持ち的に助かります。

「それにしても如何して関係無い氷柱さんをこんな窮屈な箱に閉じ込めるんっすか!!!」
「あいつ絶対ェ畜生外道だ!!!」

 でも、だけど本当に如何して箱の中に。その時私はあの時雉さんが私に言った言葉を思い出した。

「いやごめんね、オラ女の子傷付けるの嫌だから。」

 本当に悪意しか無い人が謝るでしょうか?本当に悪い人ならそんな事を言ってくるでしょうか?それに雉さん、ずっと本当はこんな事したくないって言っていた様な気が。
 鳩さんは私を見ると、多分私と同じ事を考えていたんだと思う。

「おいらは、雉をまだ信じていたい。」

 鳩さんの発言に暁光さんと雀さんが反応した。

「あんさん何言ってるんっすか!!?」
「そうだ鳩!!!手前ェ焼き鳥にするぞ!!!」
「二人が怒るのだって分かる!!!おいらだって腹が立ってる!!!だけど!!!だけ………………………………あの人は、おいらの幼馴染だから…………………………」

 鳩さんがそう言うと二人は黙った。
 私は少しだけ鳩さんが羨ましいと思った。私には村にいた時そう言える人がいなかったし、そう言ってくれる人もいなかったから。

「暁光さん。」
「あ?」
「あの、私からもお願いします。雉さんは、多分まだ何か隠してると思うんです。」

 私がそう言うと暁光さんは腕を組んで考え込んで、それから大きく溜め息を吐いた。

「分かった。だけどもしもあいつが本当の悪人だったら、容赦無く妖怪としての力を根こそぎ持って行くからな。」
「ありがとう。」
「ありがとうございます。」

 やっぱり暁光さんは優しい。
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