星河輝く外の空

琴里 美海

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第弐拾参話

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 彩雲が行ってしまって少し経った頃、継子さんは辺りを見回していた。

「特に誰も来ないな。ってか、こんな山奥にあたし等以外に来る奴とかいるのかよ。」
「ど、如何ですかね。」

 流石にいないとは思うけど、彩雲が特に何の意味も無くそんな事を言うとは思えないし。
 暫くして遠くの方で凄まじい音が聞こえると、私と継子さんは同時に音のした方を見た。もしかして、彩雲がもう野槌と戦っているのかな。

「行ってみるか?」

 継子さんの提案に対し、私は首を縦に振った。
 継子さんは私の手を引いて、私の歩く速度に合わせて音のした方へ歩いて行った。
 あの音以降、特に音は聞こえない。彩雲は大丈夫だろうかと心配すると同時に、何か嫌な感じが襲われた。何と言うか、こう、誰かにジッと見られている様な、そんな感じ。
 不安に思って継子さんを見るけれど、継子さんは特にそんな物は感じていない様子だった。
 暫く歩いて行くと、小さく声が聞こえた。それは苦しそうな息遣いで、時々咳き込んでいる様子だった。

「継子さん、あの。」
「如何した?」
「誰かの咳き込む声が聞こえるんです。」

 私がそう言うと、継子さんは耳を澄ませた。そしてハッとした顔をした。

「本当だ!」

 その言葉に、如何やら私だけじゃないんだと少し安心した。
 さっきの彩雲の言葉が引っ掛かっているけど、もしも本当に具合の悪い人が倒れていたりしたら。そう考えてから、一度継子さんだけ様子を見に行く事になった。
 この場を動かないようにと継子さんに念を押され、私は近くの木に寄り掛かりながら、遠ざかって行く継子さんの背中を見詰めていた。
 一人残されて、私は空を見上げた。何だかんだ、結構な時間が経っているのか、ただでさえ暗い森の中は、太陽が傾いているせいで更に暗くなってきていた。

「二人共遅いな……」

 もしかして何かあったんじゃないのか。
 そう一度考え出すと急に不安になった。
 継子さんに動くなと言われているけれど、この場所の周辺くらいなら様子を見に行っても良いんじゃないのだろうか。
 そう考えて私は寄り掛かっていた木を横目で見詰めながら、少し離れた所の様子を見に行った。
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