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第弐拾四話
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星河達を残した場所に戻る途中、困った様子で辺りを見回す継子ちゃんを見付けた。
「継子ちゃん。」
己等が声を掛けるとすぐに己等に気付いて、全速力で駆け寄って来た。そして己等が引きずっている野槌を見付けて本気で驚いた顔をした。
「殺したのか!!?」
「うん。あ、この妖怪で合ってる?」
その問い掛けに対して、継子ちゃんは何度も頷いた。
もう掴んでなくて良いかと思い、己等は野槌から手を離した。
地面に落ちている野槌を、継子ちゃんは何も言わずに見詰めた。その瞳には確かに怒りが浮かんでいた。そして歯ぎしりの音が聞こえるくらい、歯を食いしばり、そして野槌を思い切り蹴り飛ばした。
その後も何度も何度も蹴って、そしてやっと止めると息を切らしていた。
無言のまま、荒い呼吸を整えて、己等の方を向いた。その目じりには涙が浮かんでいた。
「…………ありがとう。」
震えた消入りそうな声で、感謝の言葉が紡がれると、己等は微笑んで継子ちゃんの頭を撫でた。
「どういたしまして。」
やっぱり、感謝の言葉は嬉しい。
少し言葉の余韻に浸っていたけど、其処で己等は気が付いた。
「継子ちゃん、星河は?」
己等がそう問い掛けると、継子ちゃんはハッとして辺りを見回して、また己等を見て来た。
「そうだ!!あたし此処で待ってるように言ったのに、気付いたら居なくなってたんだ!!」
「待って!!何で星河から離れたの!?」
「それに関しては悪かったと思うけど、少し離れた所で苦しそうな声が聞こえたから、念の為あたし一人で様子を見に来たんだよ。」
だけど何処にもそれらしい人物はいなかったと。
不審に思いながらも星河の所へ戻って、星河の姿が見えなかったから辺りを見回していたって事か。
自分も継子ちゃんと同じで様子を見に行こうとしたのかな。いや、星河の場合待っててって言った場所から簡単に離れるかな。あの子結構落ち着いてるから、移動するにしても元の場所が多少なりとも見える範囲でしか動かないと思うんだけど。
だとしたら可能性はもう一つ。
「連れて行かれたかな。」
「連れて行かれたって何にだよ!?」
「妖か妖怪辺り。」
さて、何処に行ったかな。
「継子ちゃん。」
己等が声を掛けるとすぐに己等に気付いて、全速力で駆け寄って来た。そして己等が引きずっている野槌を見付けて本気で驚いた顔をした。
「殺したのか!!?」
「うん。あ、この妖怪で合ってる?」
その問い掛けに対して、継子ちゃんは何度も頷いた。
もう掴んでなくて良いかと思い、己等は野槌から手を離した。
地面に落ちている野槌を、継子ちゃんは何も言わずに見詰めた。その瞳には確かに怒りが浮かんでいた。そして歯ぎしりの音が聞こえるくらい、歯を食いしばり、そして野槌を思い切り蹴り飛ばした。
その後も何度も何度も蹴って、そしてやっと止めると息を切らしていた。
無言のまま、荒い呼吸を整えて、己等の方を向いた。その目じりには涙が浮かんでいた。
「…………ありがとう。」
震えた消入りそうな声で、感謝の言葉が紡がれると、己等は微笑んで継子ちゃんの頭を撫でた。
「どういたしまして。」
やっぱり、感謝の言葉は嬉しい。
少し言葉の余韻に浸っていたけど、其処で己等は気が付いた。
「継子ちゃん、星河は?」
己等がそう問い掛けると、継子ちゃんはハッとして辺りを見回して、また己等を見て来た。
「そうだ!!あたし此処で待ってるように言ったのに、気付いたら居なくなってたんだ!!」
「待って!!何で星河から離れたの!?」
「それに関しては悪かったと思うけど、少し離れた所で苦しそうな声が聞こえたから、念の為あたし一人で様子を見に来たんだよ。」
だけど何処にもそれらしい人物はいなかったと。
不審に思いながらも星河の所へ戻って、星河の姿が見えなかったから辺りを見回していたって事か。
自分も継子ちゃんと同じで様子を見に行こうとしたのかな。いや、星河の場合待っててって言った場所から簡単に離れるかな。あの子結構落ち着いてるから、移動するにしても元の場所が多少なりとも見える範囲でしか動かないと思うんだけど。
だとしたら可能性はもう一つ。
「連れて行かれたかな。」
「連れて行かれたって何にだよ!?」
「妖か妖怪辺り。」
さて、何処に行ったかな。
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