黎明の天泣

琴里 美海

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第弐拾七話

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 ある日、両親は過労で倒れて、そのまま死んだっす。常にあっしの事を心配して、あっしにだけは無いもさせないようにと無理をして、結果として両親とも死んでしまったっす。そう、詰まりはあっしのせいっす。
 両親が死んだ悲しみにくれる暇無く、あっしは突然御主人に呼び出されたっす。

「えっと、何っすか?」
「あんた今日から仕事しなさい。」
「え…………」

 もう少しだけ両親の死を悲しみたかったのに、御主人はそう言ってきた。
 凄い量の紙の束を出すと、あっしに押し付けてきた。

「あんたの両親のやり残しだから。」
「ちょ、ちょっと待ってほしいっす!!両親にこんなに仕事させてたんっすか!?」
「住まわせてやってたんだから当たり前でしょ?」

 例えそうだとしても、この量は流石に多すぎるっす。これ以上の者を両親は毎日やってたって事っす。やっぱりあっしが両親に無理をさせたから、両親が死んだ事じゃないっすか。
 罪悪感が湧き出て来て、あっしは結局御主人の言う通りに仕事をしていたっす。だけど少しでも間違えたりしたら、容赦無く御主人に殴られたっす。

 毎日毎日異常な程の仕事をさせられ、毎日毎日殴られたっす。そんな日々を過ごしていると、段々と心が荒んでいくもので、多分あの時のあっしの瞳は酷く濁っていたと思うっす。
 御主人に何かしらの仕返しをしようと考えた事もあったっす。だけどそんな事をする勇気も何も無かったっす。

「ちょっとグズ!!」

 そう言って唐突にあっしの事を殴った。

「あんた此処間違えてんじゃないの!!!」
「…………………ごめんなさいっす。」
「何その態度。あんた反省してるの!?」
「してるっす。」

 本当は一切反省なんてしてないし、する気も一切無いっす。それを感じ取ったのか、御主人はまたあっしの事を殴ったっす。
 勿論逃げようとしたっす。だけどその度に御主人に酷く暴力を振るわれて、逃げる気すら失せたっす。
 もういっそ心を殺して生きていこうと思ったその矢先だったっす。

 あっしが暁光と出会ったのは。
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