2 / 32
第弐話
しおりを挟む
寝床に帰ると、母さんが食い物を用意していてくれた。
(お帰りなさい、炎陽、恵風。)
(ただいま母さん。)
「私はただいまで良いのかな。」
(私がお帰りなさいと言っているのだから、ただいまで良いのよ。)
恵風が何に遠慮してるのか分からないけど、母さんの言う通りだ。
食事を取ってる途中で恵風が母さんに話し掛けた。
「そう言えば早瀬、君明日村に行かないかい?」
恵風がそう言うと、母さんは一回恵風を見てから、また食い物を食べ始めた。
(如何して人間達の村に行かないといけないの。)
「会わせたい人がいるから、かな。」
母さんに会わせたい奴って誰だろう。環には会った事あるし、じゃあ誰だ。もしかして紫蘭母さんか?だとしたら、会わせて如何するんだよ。それに母さん人間嫌いだし。
恵風は暫く母さんを説得していた。あまりにも長い時間掛けて説得するもんだから、最終的には母さんの方が折れた。
(そんなに会わせたいなら、いっそ連れてくれば良いのに。)
「いや、今動ける状態じゃないから。」
(…………仕方ないわね。分かったわ。)
母さんって、何だかんだ恵風に優しいよな。あたいはそんな事を考えながら、飯を食い続けていた。
その日は特に行く場所とかは無いし、そもそも恵風の話が長かったらもう夜になってるし、でもまだ眠くないからその辺の木の上に登って空を眺める事にした。
薄ら雲が出てるけど、半月が良く見える。
(ゆっくり夜の空を見るのは、案外初めてかもしれないな。)
何か、恵風の昔の話があたいには難しくて、ちょっとだけ頭の中を空にしたかった。
恵風って…………
(今あいつ何歳なんだ?)
だって、何かちょくちょく百年とか経ってる感じだったけど、だったら今あいつ何歳なんだよ。明らかに見た目と年齢が合ってない気がする。
(やっぱり人間じゃないから、見た目と年齢は合わないのか。)
まぁそんな事は如何でも良いとして、そろそろ寝床に戻ろう。
寝床に戻ると、恵風の姿は無くて、母さんが眠っていた。
あたいは母さんを起こさない様に静かに歩いて、積み上げた木の葉の上に寝転がって目を瞑った。
(お帰りなさい、炎陽、恵風。)
(ただいま母さん。)
「私はただいまで良いのかな。」
(私がお帰りなさいと言っているのだから、ただいまで良いのよ。)
恵風が何に遠慮してるのか分からないけど、母さんの言う通りだ。
食事を取ってる途中で恵風が母さんに話し掛けた。
「そう言えば早瀬、君明日村に行かないかい?」
恵風がそう言うと、母さんは一回恵風を見てから、また食い物を食べ始めた。
(如何して人間達の村に行かないといけないの。)
「会わせたい人がいるから、かな。」
母さんに会わせたい奴って誰だろう。環には会った事あるし、じゃあ誰だ。もしかして紫蘭母さんか?だとしたら、会わせて如何するんだよ。それに母さん人間嫌いだし。
恵風は暫く母さんを説得していた。あまりにも長い時間掛けて説得するもんだから、最終的には母さんの方が折れた。
(そんなに会わせたいなら、いっそ連れてくれば良いのに。)
「いや、今動ける状態じゃないから。」
(…………仕方ないわね。分かったわ。)
母さんって、何だかんだ恵風に優しいよな。あたいはそんな事を考えながら、飯を食い続けていた。
その日は特に行く場所とかは無いし、そもそも恵風の話が長かったらもう夜になってるし、でもまだ眠くないからその辺の木の上に登って空を眺める事にした。
薄ら雲が出てるけど、半月が良く見える。
(ゆっくり夜の空を見るのは、案外初めてかもしれないな。)
何か、恵風の昔の話があたいには難しくて、ちょっとだけ頭の中を空にしたかった。
恵風って…………
(今あいつ何歳なんだ?)
だって、何かちょくちょく百年とか経ってる感じだったけど、だったら今あいつ何歳なんだよ。明らかに見た目と年齢が合ってない気がする。
(やっぱり人間じゃないから、見た目と年齢は合わないのか。)
まぁそんな事は如何でも良いとして、そろそろ寝床に戻ろう。
寝床に戻ると、恵風の姿は無くて、母さんが眠っていた。
あたいは母さんを起こさない様に静かに歩いて、積み上げた木の葉の上に寝転がって目を瞑った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる