貴方じゃないと嫌

レイティア

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拾われたのは

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寒く雪のちらつく日、路地裏に一人の青年が蹲っていた

…お腹…減ったな…

青年はぼんやりと雪を眺める
すでに何日も食べていない青年は、まともな思考をする事さえ難しくなっていた


「…なにしてんの?」

そんな青年に声をかける男がいた

青年の細くすぐに折れてしまいそうな体とは違い、均衡の取れたスラリとしながらもがっしりとした体
手入れのされていない黒髪と違い、右側を後ろに撫で付けた金髪
耳にはいくつものピアスが鈍く輝いている

「…」
「…あんた名前は?」

青年がぼんやりと男を見つめると、男は質問を変えた

「…ゆき、と…」
「ふぅん、ゆきとさんね
こんなところで夜を過ごす気?
こっからもっと寒くなるよ?」
「…」

男のその言葉に、雪斗はうつむくしかなかった

雪斗は両親に恵まれなかった
幼い頃から家事をすべてさせられるのはもちろん、少しでも間違うとすぐに暴力をふるった
お酒を飲んでも、機嫌が悪くても、雪斗は暴力をふるわれた

学校では事なかれ主義のため、誰も雪斗を気にかけたりせず、むしろ「面倒事」だと嫌煙した

そして高校を卒業した日、雪斗は両親に追い出されてしまった
理由は簡単
こんな就職難な時代に、就職が決まるまで面倒を見るには金がかかるからだ

家も何も持たない身一つで追い出された雪斗はどうすることもできず、ただ人目に触れない路地裏に蹲っていたのだ


何を思ったのか、男は雪斗の腕を掴むと、無理矢理立たせ、歩き始めた

「あ、あの…」
「そんなところで死なれたら目覚めわりぃんだよ」
「あ…ご、ごめんなさ…」
「お前、家事できるか?」
「え…?」
「できんのか?」
「は、はい…できます…」
「ならお前、俺ん家に住めよ
家事と…まぁ、色々してもらうけど、それで家賃も食費代もいらねぇよ」
「あ、あの…」

ニヤリとした男に雪斗は戸惑うが、どうすることもできず、黙ってついていくしかなかった
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