死に戻り悪役令息は二人の恋を応援…するはずだった…。

ましろ

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一章

殿下2

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「で、殿下!?ごめっ…すぐ退く…」 

そう言い、殿下の腕から抜けようとするが、強く抱き締められ、抜けない。 

「あ、あれ…?殿下?」 

慌てていると、殿下に頭を撫でられた。

ーえ?え?

僕が動揺していると、優しく微笑んでいる彼と目が合った。


…え、好き。  

僕はしれっと殿下の背中に手を回した。
なんだかカップルっぽくて嬉しい。

「トワ。後ろの男、誰?トワのお友達?」

「えっ!…奴隷の子だよ!

ーこの子を見て見て何か思った?」 

(やっぱり惚れてるのかなぁ。) 

「?…特に何も。 

それより、トワ、すごく震えてるよ。寒いの?お風呂入る?」 

リュカに対して本当に何も感じていないのだろう、それ以上リュカに対しては何も話さなかった。

「そっか…!そうだ!」 

(皆で殿下のところに住んでしまえば良いんだ!) 
 
そうすればリュカは実質殿下の奴隷なのではないか。 
 
「あ、リュカ!殿下のこと見て何か思った?」 

「トワちゃんにベタベタ触んなとしか思いませんでした。」 

えぇ…。思っていた答えと斜め上の回答が来た。

「あ、あと!殿下のとこに皆で住まわせてもらおう!皆は、嫌?」

「俺はトワなら大歓迎だよ。いつでもおいで。」

「僕はトワ様の執事ですので。」

「トワちゃんが一緒ならそれでも良いです。」 

無事住まわせてもらうことに決まった…と思う。

…まぁ、一緒に住んでいたら、性格を好きになるはず。


そもそも、前世では一目惚れと言っていたが、好きなのは顔だけなんだろうか…。

ふと、そう思った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回からは主人公以外の視点になります。

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