死に戻り悪役令息は二人の恋を応援…するはずだった…。

二章

ノアside

ノアside(前世)　

トワ様が処刑された。

トワ様は何もしていないというのに、ビッチだと言われている。　

何故か分からないがトワ様が処刑されたとき、あいつとリュカは自殺した。
ーまるでトワ様の後を追うように。　

(お前らのせいでトワ様は死んだというのに)　

あいつらの考えていることが理解出来ない。　


トワ様のことは僕が幸せにしてあげたい。

ーそう思うが、この恋は報われるものではないと分かっている。
そして、2人がトワ様のことを愛していたということも知っている。　

(リュカには死んでほしくなかった。)

彼とは友達になれそうな気がしたのだ。

勝手に同じ執事として親近感を感じていた。　　





「ノアは死なないで生きてて欲しい。

ー処刑される前に弟はノアにそう遺した。
…俺からも頼む。ノア。」　

トワ様が生前、育てていた花壇に水をやっていたところ、後ろから声を掛けられた。　

「トワ様の命令でしたら背きません。僕はトワ様とお兄様の執事ですので。」　

主の最後の命令だ。聞かない執事がどこにいると言うのか。もう一人の主であるお兄様の方へ振り返り答える。　

「ありがとな、ノア。…んで、いつものあの様子は演技だったのか？」　

「半分本当で半分嘘の姿です。」　

トワ様がいることであの〃ノア〃がいるのだ。　　



「ここに、トワ様が生きた跡が残ってるんです。あと少し、生きるのを頑張ろうと思います。」　


僕の言葉に答えるように、太陽が花壇と僕達を明るく照らした。