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第19話 なにしてくれてんだ!?
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視界がブラックアウトし、色を取り戻した時には……あれ、まだ暗いな。いよいよ俺も本当に死んだのか?
音も聞こえないシンとした空間。しかし人の気配はする。
一体どこにきてしまったのかと、固唾を呑んで見守る中、唐突に煌びやかなライトが真っ赤なカーペットを照らした。
「なんだ!?」
中央のライトに続き、バン、バンという音とともに、左右からもライトが照らされる。しかもレインボーだ。
真っ赤なカーペットの奥はステージになっており……あ、ここ、前に見たホストクラブだ。その時は中島愛理と倉橋加奈が椅子にされてたんだよな。
当時の記憶を呼び起こしていると、俺を殺した重装騎兵たちの突撃の咆哮よりも大きな歓声が上がった。
ステージの奥には、スタッフ用のルームと繋がっていると思われる両開きのドアがある。前は見なかったことから、新たに取り付けたらしい。
誰がやったんだ。金かけてんな。
……大体、犯人はわかってるけどな。
黒子の格好をしたスタッフらしき人間が、両開きのドアをふたりがかりで開ける。ライトが奥のスペースを照らし、店内で拍手が巻き起こる。
それを受けてやってきたのは――。
「――神輿かよ!」
ノーブラ法被にふんどしというマニアックすぎるコスチュームの女たちが、教皇神輿に似たものをわっしょいわっしょい楽しそうに担いでいる。
その中には愛理と加奈の姿もあった。
そして移動式の玉座に座っているのは、もしかしなくても俺である。
「あんた……なにやってんだ。本当に、なにやってんだ……」
チート能力持ちに敬語を使うのも忘れ、疲れきった精神を隠そうともせずに話しかけた。
すると見慣れた顔が、すぐさまこちらを向いた。
『そなた、またきたのか。さすがに多すぎではないか?』
今回も周囲に怪しまれないように頭の中で話しているのか、声がくぐもって聞こえてくる。しかし俺の声って不細工だよな。
おまけに顔も別段整っていない俺を、祭り上げ続ける女たち。もはや軽くホラーである。
「ベアトリーチェ様のいた世界がハードすぎるんですよ……」
『こちらの地球とて、紛争地域に行けば似たようなものであろう。それに、だからこそ武器も持たせたはずだぞ』
「ええ、助かってますよ。とんでもない思考になる以外は」
魂のみになって、銃を手放している今だからこそわかる。
森へ向かおうとしていた時の俺は、完全に気狂いじゃねえか。よく周りの人間は誰も逃げなかったな。
『ほう。それほどまでに効果があったのか』
頭の中での愚痴に言葉を返され、そういえばここでは考えたことが筒抜けになるのを思いだした。
「なんというか、日本で見たら、こいつ絶対ヤバいのきめてんなって感じのぶっ壊れぶりでした」
『げんなりしているようだが、そうでもなければこちら側で安穏と過ごしていたそなたが、暴力と策謀渦巻く向こうで生きていくのは難しいであろう』
「でも力があっても解決しない問題もあります。それが今回の死因です」
言葉で説明すると長くなりそうなので、頭の中にイメージを浮かべてみる。
するとそれらもきちんと伝わるのか、担がれた俺の体ことベアトリーチェがうんうんと頷いた。
『貴族の策略によって反逆者扱いされたか。実際には策略とも呼べぬ、権力による力技ではあるが、元剣闘士の平民兵となれば抗いようもあるまいな』
大仰に足を組み、肘掛けに左手を預けつつ、右手で顎をさすりさすり。
よくよく見慣れた……いや、面影はあるが、体形といい、顔つきといい、かなり鏡で見ていた自分とは異なりつつあるな。
『フフフ、わらわに不可能はない』
「チート能力のおかげで、少しずつ整形してたりとかします?」
『やはり顔立ちは整っているにこしたことはないのでな。女どもにも受けがいい。自分たちが尽くして、イケメンを作り上げている気分になっておるのであろう』
「それはまた……」
どうでもいい会話が一段落したところで、ベアトリーチェがポンと膝を打った。
『よし。次にきた時はマグナムを渡そうと思っておったが、それでは今回の難事は乗り切れまい。よってこれをくれてやろう』
煙が弾ける演出まで行って、俺の目の前に現れたのはとてもとてもゴツイ銃だった。どことなく火炎放射器みたいにも思えるが、これは……。
『無限グレネードランチャーだ。装備した際のバフ効果もアップしておる』
「それはまさか、頭が幸せになるアレもですか?」
『もちろんであろう。そもそも気分高揚がなければ、そなたろくに撃てぬぞ? 特にそれは焼夷弾を装備しておるゆえ、鎧を着こんだ騎士などは内側から蒸されてえらいことになる。平時の思考で耐えられるのか?』
軽く想像しただけで吐き気を催す。うん、無理だ。
『わかったのならなによりだ。しかし、相変わらず宮廷とは無縁の場所で死にかけておるの。元王妃の肩書をなにも活かせておらぬではないか』
「どなたかが正統な王家の血筋でありながら、浪費を理由に追いだされたせいですね」
『浪費などどこの王家でもしておるし、理由も前に説明したであろう。まあ、そなたのような平和ボケした人間では、宮廷に収まっていたところで、いいように使われて終わりだったかもしれぬな』
確かに宮廷でやりあえる腹芸が可能であれば、そもそも前世でいじめられ社畜をやっていなかった。
『だいぶ鬱屈も溜めておったようであるし、意外とそなたが銃を撃ちまくりたくなるのは、仕込んだバフ効果のせいだけではないかもしれぬぞ』
ベアトリーチェが、豪華絢爛に彩った椅子にもたれかかる。
結構な重量がありそうだが、文句を言いたげな女はひとりとしていない。
「ありえない……とは言いきれないのが辛いところですね。そうなると、私は向こうの罪なき人たちを相手に憂さ晴らししていることになるわけですか……」
『それよ』
白いタキシード姿の外見俺の外道元王妃が、どこからか取りだした白い、ふさふさした毛付きの閉じられた扇子をこちらに突きつけた。
『そのような心持ちの人間が、身を守るためとはいえ、向こうで殺害に手を染めるのは容易であるまい』
「うぐぐ……しかし、あそこまで狂人化するのは……」
『ふむ。気分高揚はあくまでもバフ効果。本来の人格を歪めるほどの力は発揮せぬはずだぞ?』
「……やはり、元々の秘めた願望というか人格が表に出ているだけと?」
『その可能性はあろう。そなたに敵対した者が吹き飛ぶ様は、さぞかし心躍る光景のはずだぞ』
困った。どうにも否定できないぞ。
『わかったのなら、そなたはそなたで幸せを掴むために頑張るがよい。わらわも助力は惜しまぬ』
敵にすれば恐ろしいが、味方にすれば……いや、味方にしてもろくでもない未来しか想像できないのはどういうわけだろうか。
『気を回しすぎだ。そなたを助けるのもわらわの力になっておるのだ。なにせ女神が安易に授けた力で造った代物が、向こうの世界で猛威を振るっておるのだからな。おかげで謹慎が延びて、わらわを咎められる者が誰もおらぬ』
くっくっくと笑う姿は、まごうことなき悪役。
っていうか、俺、知らない間に共犯者にされてるんだけど。
『今更であろう。それとも、わらわの授けたチート武器なしでも向こうで生きていけるか? 自信があるなら返却を受け入れるぞ?』
意地の悪そうな笑みを浮かべるベアトリーチェ。自分の顔を情けなく思っても、腹立たしさで殴りたいと思ったのは初めてだった。
本当に愛理や加奈の気持ちがわかる。そのふたりは輝かんばかりの笑顔で、教皇神輿ならぬ外道神輿を担ぎ中だが。
「あなた、好き勝手しすぎて、本当に女神様の上司からお叱りを受けますよ?」
『その時はその時であろうが、可能性は低かろうな。神は人の子の出来事に干渉せぬというのは以前伝えた通り。そうであるがゆえに、咎めはわらわにではなく、力を授けた女神に向けられているのであろうよ』
「それは確実に女神様の恨みを買ってますね」
『そなたが無限グレネードランチャーを使えば、そなたもな』
出会ってからこれまでで、一番素敵な笑顔だった。ちくしょう。
「あなた、いつか地獄に落ちますよ?」
『その時はそなたも一緒であろう。フフフ、夫婦にでもなってみるか?』
「遠慮しておきます」
『つれないことだ。わらわにこの店を買い与えた女などは、他のなにを捨ててでもそれを望んでおるというのに』
「買い与えた? ここは以前バイトしていたホストクラブでは?」
『そこを買い取ったのよ。柏浜という太客がわらわのためにな』
なんというブルジョワ。俺も気に入ったキャバ嬢に店を買い与え、チヤホヤされる人生を歩みたかった。
……待てよ? 柏浜?
「つかぬことをお聞きしますが、私が勤めていた会社は柏浜不動産というのですが、なにか関係が……?」
『うむ。社長の奥方よ』
「なにしてくれてんだ、あんた!?」
衝撃の度合いが強過ぎて、敬語も吹き飛びましたよ。
いじめを止めてくれなかったことに思うところはあるも、社長には新人時代から世話になった。奥さんとも何度か会っているのに、すぐ気が付けなかったのは迂闊だった。
にしても奥さん、化粧濃すぎじゃね?
あと、奥さんに似た十代後半くらいの女性もいるんだが。
『ああ、それは社長の娘だ。わらわに妻子を取られて、今は家でひとり泣き暮らしておるらしいぞ』
「本当になにしてくれてんだ、あんた!?」
『そう怒るな。他にも専務の奥方と妹、それにそれぞれの娘もおるぞ』
社内の血縁関係のオンパレードじゃねえか。
『どうじゃ、見事なざまあぶりであろう?』
「だから、あんたが達成してどうすんだ!? しかも俺は社長と専務には……あッ、体が引っ張られる!」
こんな時に時間切れかよ!?
女神様も、社長も、専務も、申し訳ありませんッ!
届くとも思えない謝罪を心の中で繰り返すうちに、視界が切り替わった。
音も聞こえないシンとした空間。しかし人の気配はする。
一体どこにきてしまったのかと、固唾を呑んで見守る中、唐突に煌びやかなライトが真っ赤なカーペットを照らした。
「なんだ!?」
中央のライトに続き、バン、バンという音とともに、左右からもライトが照らされる。しかもレインボーだ。
真っ赤なカーペットの奥はステージになっており……あ、ここ、前に見たホストクラブだ。その時は中島愛理と倉橋加奈が椅子にされてたんだよな。
当時の記憶を呼び起こしていると、俺を殺した重装騎兵たちの突撃の咆哮よりも大きな歓声が上がった。
ステージの奥には、スタッフ用のルームと繋がっていると思われる両開きのドアがある。前は見なかったことから、新たに取り付けたらしい。
誰がやったんだ。金かけてんな。
……大体、犯人はわかってるけどな。
黒子の格好をしたスタッフらしき人間が、両開きのドアをふたりがかりで開ける。ライトが奥のスペースを照らし、店内で拍手が巻き起こる。
それを受けてやってきたのは――。
「――神輿かよ!」
ノーブラ法被にふんどしというマニアックすぎるコスチュームの女たちが、教皇神輿に似たものをわっしょいわっしょい楽しそうに担いでいる。
その中には愛理と加奈の姿もあった。
そして移動式の玉座に座っているのは、もしかしなくても俺である。
「あんた……なにやってんだ。本当に、なにやってんだ……」
チート能力持ちに敬語を使うのも忘れ、疲れきった精神を隠そうともせずに話しかけた。
すると見慣れた顔が、すぐさまこちらを向いた。
『そなた、またきたのか。さすがに多すぎではないか?』
今回も周囲に怪しまれないように頭の中で話しているのか、声がくぐもって聞こえてくる。しかし俺の声って不細工だよな。
おまけに顔も別段整っていない俺を、祭り上げ続ける女たち。もはや軽くホラーである。
「ベアトリーチェ様のいた世界がハードすぎるんですよ……」
『こちらの地球とて、紛争地域に行けば似たようなものであろう。それに、だからこそ武器も持たせたはずだぞ』
「ええ、助かってますよ。とんでもない思考になる以外は」
魂のみになって、銃を手放している今だからこそわかる。
森へ向かおうとしていた時の俺は、完全に気狂いじゃねえか。よく周りの人間は誰も逃げなかったな。
『ほう。それほどまでに効果があったのか』
頭の中での愚痴に言葉を返され、そういえばここでは考えたことが筒抜けになるのを思いだした。
「なんというか、日本で見たら、こいつ絶対ヤバいのきめてんなって感じのぶっ壊れぶりでした」
『げんなりしているようだが、そうでもなければこちら側で安穏と過ごしていたそなたが、暴力と策謀渦巻く向こうで生きていくのは難しいであろう』
「でも力があっても解決しない問題もあります。それが今回の死因です」
言葉で説明すると長くなりそうなので、頭の中にイメージを浮かべてみる。
するとそれらもきちんと伝わるのか、担がれた俺の体ことベアトリーチェがうんうんと頷いた。
『貴族の策略によって反逆者扱いされたか。実際には策略とも呼べぬ、権力による力技ではあるが、元剣闘士の平民兵となれば抗いようもあるまいな』
大仰に足を組み、肘掛けに左手を預けつつ、右手で顎をさすりさすり。
よくよく見慣れた……いや、面影はあるが、体形といい、顔つきといい、かなり鏡で見ていた自分とは異なりつつあるな。
『フフフ、わらわに不可能はない』
「チート能力のおかげで、少しずつ整形してたりとかします?」
『やはり顔立ちは整っているにこしたことはないのでな。女どもにも受けがいい。自分たちが尽くして、イケメンを作り上げている気分になっておるのであろう』
「それはまた……」
どうでもいい会話が一段落したところで、ベアトリーチェがポンと膝を打った。
『よし。次にきた時はマグナムを渡そうと思っておったが、それでは今回の難事は乗り切れまい。よってこれをくれてやろう』
煙が弾ける演出まで行って、俺の目の前に現れたのはとてもとてもゴツイ銃だった。どことなく火炎放射器みたいにも思えるが、これは……。
『無限グレネードランチャーだ。装備した際のバフ効果もアップしておる』
「それはまさか、頭が幸せになるアレもですか?」
『もちろんであろう。そもそも気分高揚がなければ、そなたろくに撃てぬぞ? 特にそれは焼夷弾を装備しておるゆえ、鎧を着こんだ騎士などは内側から蒸されてえらいことになる。平時の思考で耐えられるのか?』
軽く想像しただけで吐き気を催す。うん、無理だ。
『わかったのならなによりだ。しかし、相変わらず宮廷とは無縁の場所で死にかけておるの。元王妃の肩書をなにも活かせておらぬではないか』
「どなたかが正統な王家の血筋でありながら、浪費を理由に追いだされたせいですね」
『浪費などどこの王家でもしておるし、理由も前に説明したであろう。まあ、そなたのような平和ボケした人間では、宮廷に収まっていたところで、いいように使われて終わりだったかもしれぬな』
確かに宮廷でやりあえる腹芸が可能であれば、そもそも前世でいじめられ社畜をやっていなかった。
『だいぶ鬱屈も溜めておったようであるし、意外とそなたが銃を撃ちまくりたくなるのは、仕込んだバフ効果のせいだけではないかもしれぬぞ』
ベアトリーチェが、豪華絢爛に彩った椅子にもたれかかる。
結構な重量がありそうだが、文句を言いたげな女はひとりとしていない。
「ありえない……とは言いきれないのが辛いところですね。そうなると、私は向こうの罪なき人たちを相手に憂さ晴らししていることになるわけですか……」
『それよ』
白いタキシード姿の外見俺の外道元王妃が、どこからか取りだした白い、ふさふさした毛付きの閉じられた扇子をこちらに突きつけた。
『そのような心持ちの人間が、身を守るためとはいえ、向こうで殺害に手を染めるのは容易であるまい』
「うぐぐ……しかし、あそこまで狂人化するのは……」
『ふむ。気分高揚はあくまでもバフ効果。本来の人格を歪めるほどの力は発揮せぬはずだぞ?』
「……やはり、元々の秘めた願望というか人格が表に出ているだけと?」
『その可能性はあろう。そなたに敵対した者が吹き飛ぶ様は、さぞかし心躍る光景のはずだぞ』
困った。どうにも否定できないぞ。
『わかったのなら、そなたはそなたで幸せを掴むために頑張るがよい。わらわも助力は惜しまぬ』
敵にすれば恐ろしいが、味方にすれば……いや、味方にしてもろくでもない未来しか想像できないのはどういうわけだろうか。
『気を回しすぎだ。そなたを助けるのもわらわの力になっておるのだ。なにせ女神が安易に授けた力で造った代物が、向こうの世界で猛威を振るっておるのだからな。おかげで謹慎が延びて、わらわを咎められる者が誰もおらぬ』
くっくっくと笑う姿は、まごうことなき悪役。
っていうか、俺、知らない間に共犯者にされてるんだけど。
『今更であろう。それとも、わらわの授けたチート武器なしでも向こうで生きていけるか? 自信があるなら返却を受け入れるぞ?』
意地の悪そうな笑みを浮かべるベアトリーチェ。自分の顔を情けなく思っても、腹立たしさで殴りたいと思ったのは初めてだった。
本当に愛理や加奈の気持ちがわかる。そのふたりは輝かんばかりの笑顔で、教皇神輿ならぬ外道神輿を担ぎ中だが。
「あなた、好き勝手しすぎて、本当に女神様の上司からお叱りを受けますよ?」
『その時はその時であろうが、可能性は低かろうな。神は人の子の出来事に干渉せぬというのは以前伝えた通り。そうであるがゆえに、咎めはわらわにではなく、力を授けた女神に向けられているのであろうよ』
「それは確実に女神様の恨みを買ってますね」
『そなたが無限グレネードランチャーを使えば、そなたもな』
出会ってからこれまでで、一番素敵な笑顔だった。ちくしょう。
「あなた、いつか地獄に落ちますよ?」
『その時はそなたも一緒であろう。フフフ、夫婦にでもなってみるか?』
「遠慮しておきます」
『つれないことだ。わらわにこの店を買い与えた女などは、他のなにを捨ててでもそれを望んでおるというのに』
「買い与えた? ここは以前バイトしていたホストクラブでは?」
『そこを買い取ったのよ。柏浜という太客がわらわのためにな』
なんというブルジョワ。俺も気に入ったキャバ嬢に店を買い与え、チヤホヤされる人生を歩みたかった。
……待てよ? 柏浜?
「つかぬことをお聞きしますが、私が勤めていた会社は柏浜不動産というのですが、なにか関係が……?」
『うむ。社長の奥方よ』
「なにしてくれてんだ、あんた!?」
衝撃の度合いが強過ぎて、敬語も吹き飛びましたよ。
いじめを止めてくれなかったことに思うところはあるも、社長には新人時代から世話になった。奥さんとも何度か会っているのに、すぐ気が付けなかったのは迂闊だった。
にしても奥さん、化粧濃すぎじゃね?
あと、奥さんに似た十代後半くらいの女性もいるんだが。
『ああ、それは社長の娘だ。わらわに妻子を取られて、今は家でひとり泣き暮らしておるらしいぞ』
「本当になにしてくれてんだ、あんた!?」
『そう怒るな。他にも専務の奥方と妹、それにそれぞれの娘もおるぞ』
社内の血縁関係のオンパレードじゃねえか。
『どうじゃ、見事なざまあぶりであろう?』
「だから、あんたが達成してどうすんだ!? しかも俺は社長と専務には……あッ、体が引っ張られる!」
こんな時に時間切れかよ!?
女神様も、社長も、専務も、申し訳ありませんッ!
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