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第21話 ペンは剣より強しって言葉があるのさ
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「それは真か!?」
なんとか辿り着いたガルブレドとの国境にあるクエスファーラの砦。指揮を執る将軍に事情を聞かされたリアが、カケルも見ている前で唇を震わせる。
「陛下がロスレミリアへ亡命なされただと……で、では王城には誰がいるのだ!」
「シャーレ王妃様と、アズバル宰相閣下でございます」
「……陛下を追い出して実権を握ったか。それとも亡き者にしようとして……いや、そうであるなら国内はもっとザワついているはず……」
リアが爪を噛む。砦には行商人たちの姿もあり、アーシャが情報収集していたが、緊迫した話はなかった。それだけに彼女の驚きも大きかったのだ。
「恐れながらリアレーヌ王女殿下には、王妃様のお名前で出頭命令が出ております。我らが護衛をいたしますので、どうぞこのまま王都へお向かいください」
※
リアを先頭に王城の謁見の間に入るなり、青筋を立てた宰相が盛大に唾を飛ばした。
「勝手に帰国するとは、どういうおつもりですか! 一刻も早くガルブレドへ戻り、婚姻による同盟を結んでいただきたい!」
明らかに話が噛み合っておらず、困惑する王女が鉱山の件について切り出すと、宰相は嘲るように嗤った。
「聡明な王女殿下とは思えない浅はかな嘘ですね。ガルブレドに攻め込むなど正気の沙汰ではありません」
「わらわも同感だ。ゆえに理解できず、国へ戻ったのだ。アズバルが知らぬのであれば、ガルブレドの狂言か? それにしては向こうの騎士団長は鬼気迫っておったが……」
「小賢しい真似はおやめになり、王族としての責務を果たしてください。ゴフル王が責任を放棄なさった今、国を繁栄させるにはシャーレ様に新たな指導者になってもらうよりないのです。その役に立てるのであれば、リアレーヌ様も本望でしょう」
リアが、宰相の説得を鼻で笑う。
「そうしてお主が後ろから国を操るのか」
「おっしゃっている意味がよくわかりませんね」
負けじと宰相も嘲笑を顔に張りつけた直後、謁見の間に伝令の兵士が飛び込んできた。
「ガルブレドが我が国に対し、侵攻を開始しました! 騙し討ちで奪われた鉱山の報復を果たすとのことです!」
「何ですと!? 一体どうなっているのです!」
動揺するアズバルを不審そうに眺めながら、リアが言わんこっちゃないとばかりに小さな肩を竦めた。
「まさか……ガルブレドに祖国を売り渡すおつもりか!」
「何故、わらわがそのような真似をせねばならぬ!」
一触即発な謁見の間で、それまで黙って玉座に座っていた王妃が、いきなり楽しげに笑い出した。
「リアレーヌは何も知りません。鉱山を奪うように命じたのは私ですもの」
「なっ!? ど、どういうことですか」
「貴方が大量の鉄を欲しがったからです。我が国で生産した分は、もう使い切ってしまいましたし、貴方の威光を示す良い機会でもあります」
「……なるほど。ですが今後は私にも相談していただけると助かります」
「ではアズバル宰相、攻め込んできたガルブレド軍をどうすればよいと思いますか?」
余裕を取り戻したアズバルが不敵に笑う。
「もちろん正面から撃退します」
「なっ!? 先ほど正気の沙汰ではないと言っていたであろう!」
非難するリアに、宰相は得意げに人差し指を振って見せる。
「お披露目はもっと後にするつもりでしたが、私の秘密兵器を使えば不可能が可能になります。朗報をお待ちください、王女殿下」
軍事国家と名高いガルブレドとの国境での一戦は、予想に反してクエスファーラの圧勝で終わる。
最強と名高い敵国の騎士団を打ちのめしたのは、新設された鉄砲部隊だった。
※
クエスファーラの勝利から一週間後、王都の宿屋の一室にカケルはいた。周囲にはいつもの面々が集まっている。
「いつまで落ち込んでんのよ」
「うむ。前にも話したが、お主のせいではない」
口々に慰めてくれるが、カケルにはとてもそう思えなかった。
何せ小説として書いた織田信長が武田の騎馬隊を破った時同様の展開になったのだ。誰のせいかは明らかだった。
鉄砲という新時代の武器を得たクエスファーラ軍は波に乗り、奪われ返されていた鉱山を再び占領下に置き、補給線を確保しながら北上。
途中に何度も襲撃を受けたが、鉄砲の乱射を食らったガルブレド軍は十分に接近もできずに瓦解するという展開を繰り返していた。
「俺が銃なんて存在を出さなければ、ガルブレドに攻めてなかっただろ」
「それは違うぞ」
クエスファーラの王女は、改めてカケルの言葉を否定した。
「考えてもみろ。お主の本を参考にしたとはいえ、こうまで早く銃を製造できると思うか? 火薬は元々あった。鉄もあった。筒状にして、火薬を使って弾丸を放つという仕組みが構築されていなかったにすぎぬ。土台は元からあったのだ」
人間という種族が暮らす以上、いずれはカケルのいた地球と同じ道筋を歩むのは避けられない。リアはそうも加えた。
「人の歴史は戦いの歴史。昔から大陸を統一しようと目論む統治者は多かった。南のアマゾネスの国も含めて、各国の国境線が制定されたのは、比較的最近になってからなのだ」
戦いが激化すればより強い武器を求めるのは必須。クエスファーラも他国に負けず研究していた矢先、カケルという劇薬を体内に含んだ。
「宰相の手回しはわらわの想定を越えていた。不測の事態を招いたのが誰の責任かと問われれば、わらわ以外にはおるまい」
重苦しい雰囲気に支配される室内に、ノックの音が響く。
王妃が呼んでいると侍女に言われ、カケルたちもリアに付き添って謁見の間に入る。
「ロスレミリアが我が国に宣戦布告をしました」
わざとらしいため息をつきながら、王妃ではなく宰相が報告する。
「……後ろ盾となった陛下を王座へ戻し、恩を売るつもりなのであろう」
「さすがに理解が早いですが、王女殿下、一つだけ誤りがあります。この国の支配者はもうゴフルなどという逆賊ではなく、ここにおられるシャーレ女王陛下なのですよ」
「よくもぬけぬけと……! 陛下を亡命に追い込んだ貴様こそが逆賊であろうが!」
「落ち着きさない、リアレーヌ。それにアズバルもです」
玉座に座る王妃の柔らかながらも芯のある声が、謁見の間に響いた。
「私はまだ戴冠しておりません。そこでこちらはリアレーヌを女王にして、応戦します」
これには宰相ばかりでなく、リアも目を剥いた。
「わらわが素直に従うとお思いですか」
「ええ。後ろにいる大切なお友達のためですもの」
意図を理解したリアは唇を噛み、アズバルは愉快そうに口元を歪めた。
「……つまり、俺たちは人質ってことか」
「理解が早くなってきたわね。カケルもこっちに染まってきた証かしら」
小声で呟いたカケルに、悪戯っぽくアーシャが言葉を返した。
「王女殿下を傀儡にして、クエスファーラを支配するつもりなんでしょ。何か問題が起こった時に、責任を取らせるためにもね」
「つくづく腐ってやがるな」
舌打ちしたカケルに、同じように嫌悪感を露わにしたアーシャが言う。
「これが権力闘争よ。貴族も含めて、飽きもせずによくやるわ」
「誰かやめようとは思わないのか」
「弱気になったら最後、骨までしゃぶられるもの。特にカケルみたいなお人好しはいいカモね。一文無しにされて、家族ともども苦労するはめになった貴族もいたわ」
悲しげなアーシャの横顔に吸い込まれそうになっていたカケルだったが、謁見の間を揺らすような怒声に反射的に顔を上げた。
「そんなに権力が欲しいのか!」
王妃に詰め寄ろうとするリアを、アズバルの命令で数人の衛兵が取り押さえる。
「離せ! ええい、お主らに国を憂う気持ちはないのか!」
「リアレーヌ、少し頭を冷やしなさい。お友達も一緒にね。そうすれば何が最善か、おのずと結論も出るでしょう」
話は終わりだと王妃は立ち上がり、カケルたちは揃って王城の個室に押し込まれた。
天窓から光が差し込む部屋は幻想的だが、ドアの前には衛兵が常に立っており、自由に出入りできない現状では息苦しさしか感じない。
「広々としてるが、ベッドと机以外は何もないな」
「簡単に牢には入れられない身分ある者を、軟禁しておくための部屋だからな」
面白くもなさそうにリアが鼻を鳴らした。
「いかに鉄砲部隊が強力でも、二国相手じゃ負けそうなもんだけどな」
「だが弓よりも遠くの距離から狙いをつけられるというのは恐怖だ。四六時中盾を構えているわけにもいかぬし、気の休まる暇がない」
リアの指摘に、カケルはなるほどと頷く。
「最新武器なだけに、対応策はまだできてないわけか。しばらくは快進撃が続くか」
「補給線の問題もあるから、そう一気に帝都までは攻め込めないだろうけどね」
貴族らしいというべきか、クオリアが敵国へ攻め込む際の注意点を並べる。大きな問題になるのはやはり水と食料、それに士気ということだった。
「だからロスレミリアは、ここぞとばかりにゴフル王へ協力したのかもな」
「カケルには、イザベラ女王の狙いがわかるの?」
「ガルブレドが落ちれば、鉄砲を所有するクエスファーラと一対一になる。攻め込まれる前に大義名分を得て、二体一となる現状を作り上げたかった……ってのはどうだ」
「確かに話としては繋がるわね。さすが小説家だわ」
褒めているのかわからない言葉を発して、アーシャは人数分あるベッドの一つに体を弾ませた。
「何にせよ、アタシたちにできるのは休むことくらいね」
「いや、そうでもない」
ニヤリとしたカケルに周囲の視線が集まる。
「俺の国にはな、ペンは剣より強しって言葉があるのさ。検閲もないクエスファーラなら、十分に戦えそうだぜ」
「……お主、何をするつもりだ」
共犯者の顔になったリアが、楽しそうに問いかけた。
なんとか辿り着いたガルブレドとの国境にあるクエスファーラの砦。指揮を執る将軍に事情を聞かされたリアが、カケルも見ている前で唇を震わせる。
「陛下がロスレミリアへ亡命なされただと……で、では王城には誰がいるのだ!」
「シャーレ王妃様と、アズバル宰相閣下でございます」
「……陛下を追い出して実権を握ったか。それとも亡き者にしようとして……いや、そうであるなら国内はもっとザワついているはず……」
リアが爪を噛む。砦には行商人たちの姿もあり、アーシャが情報収集していたが、緊迫した話はなかった。それだけに彼女の驚きも大きかったのだ。
「恐れながらリアレーヌ王女殿下には、王妃様のお名前で出頭命令が出ております。我らが護衛をいたしますので、どうぞこのまま王都へお向かいください」
※
リアを先頭に王城の謁見の間に入るなり、青筋を立てた宰相が盛大に唾を飛ばした。
「勝手に帰国するとは、どういうおつもりですか! 一刻も早くガルブレドへ戻り、婚姻による同盟を結んでいただきたい!」
明らかに話が噛み合っておらず、困惑する王女が鉱山の件について切り出すと、宰相は嘲るように嗤った。
「聡明な王女殿下とは思えない浅はかな嘘ですね。ガルブレドに攻め込むなど正気の沙汰ではありません」
「わらわも同感だ。ゆえに理解できず、国へ戻ったのだ。アズバルが知らぬのであれば、ガルブレドの狂言か? それにしては向こうの騎士団長は鬼気迫っておったが……」
「小賢しい真似はおやめになり、王族としての責務を果たしてください。ゴフル王が責任を放棄なさった今、国を繁栄させるにはシャーレ様に新たな指導者になってもらうよりないのです。その役に立てるのであれば、リアレーヌ様も本望でしょう」
リアが、宰相の説得を鼻で笑う。
「そうしてお主が後ろから国を操るのか」
「おっしゃっている意味がよくわかりませんね」
負けじと宰相も嘲笑を顔に張りつけた直後、謁見の間に伝令の兵士が飛び込んできた。
「ガルブレドが我が国に対し、侵攻を開始しました! 騙し討ちで奪われた鉱山の報復を果たすとのことです!」
「何ですと!? 一体どうなっているのです!」
動揺するアズバルを不審そうに眺めながら、リアが言わんこっちゃないとばかりに小さな肩を竦めた。
「まさか……ガルブレドに祖国を売り渡すおつもりか!」
「何故、わらわがそのような真似をせねばならぬ!」
一触即発な謁見の間で、それまで黙って玉座に座っていた王妃が、いきなり楽しげに笑い出した。
「リアレーヌは何も知りません。鉱山を奪うように命じたのは私ですもの」
「なっ!? ど、どういうことですか」
「貴方が大量の鉄を欲しがったからです。我が国で生産した分は、もう使い切ってしまいましたし、貴方の威光を示す良い機会でもあります」
「……なるほど。ですが今後は私にも相談していただけると助かります」
「ではアズバル宰相、攻め込んできたガルブレド軍をどうすればよいと思いますか?」
余裕を取り戻したアズバルが不敵に笑う。
「もちろん正面から撃退します」
「なっ!? 先ほど正気の沙汰ではないと言っていたであろう!」
非難するリアに、宰相は得意げに人差し指を振って見せる。
「お披露目はもっと後にするつもりでしたが、私の秘密兵器を使えば不可能が可能になります。朗報をお待ちください、王女殿下」
軍事国家と名高いガルブレドとの国境での一戦は、予想に反してクエスファーラの圧勝で終わる。
最強と名高い敵国の騎士団を打ちのめしたのは、新設された鉄砲部隊だった。
※
クエスファーラの勝利から一週間後、王都の宿屋の一室にカケルはいた。周囲にはいつもの面々が集まっている。
「いつまで落ち込んでんのよ」
「うむ。前にも話したが、お主のせいではない」
口々に慰めてくれるが、カケルにはとてもそう思えなかった。
何せ小説として書いた織田信長が武田の騎馬隊を破った時同様の展開になったのだ。誰のせいかは明らかだった。
鉄砲という新時代の武器を得たクエスファーラ軍は波に乗り、奪われ返されていた鉱山を再び占領下に置き、補給線を確保しながら北上。
途中に何度も襲撃を受けたが、鉄砲の乱射を食らったガルブレド軍は十分に接近もできずに瓦解するという展開を繰り返していた。
「俺が銃なんて存在を出さなければ、ガルブレドに攻めてなかっただろ」
「それは違うぞ」
クエスファーラの王女は、改めてカケルの言葉を否定した。
「考えてもみろ。お主の本を参考にしたとはいえ、こうまで早く銃を製造できると思うか? 火薬は元々あった。鉄もあった。筒状にして、火薬を使って弾丸を放つという仕組みが構築されていなかったにすぎぬ。土台は元からあったのだ」
人間という種族が暮らす以上、いずれはカケルのいた地球と同じ道筋を歩むのは避けられない。リアはそうも加えた。
「人の歴史は戦いの歴史。昔から大陸を統一しようと目論む統治者は多かった。南のアマゾネスの国も含めて、各国の国境線が制定されたのは、比較的最近になってからなのだ」
戦いが激化すればより強い武器を求めるのは必須。クエスファーラも他国に負けず研究していた矢先、カケルという劇薬を体内に含んだ。
「宰相の手回しはわらわの想定を越えていた。不測の事態を招いたのが誰の責任かと問われれば、わらわ以外にはおるまい」
重苦しい雰囲気に支配される室内に、ノックの音が響く。
王妃が呼んでいると侍女に言われ、カケルたちもリアに付き添って謁見の間に入る。
「ロスレミリアが我が国に宣戦布告をしました」
わざとらしいため息をつきながら、王妃ではなく宰相が報告する。
「……後ろ盾となった陛下を王座へ戻し、恩を売るつもりなのであろう」
「さすがに理解が早いですが、王女殿下、一つだけ誤りがあります。この国の支配者はもうゴフルなどという逆賊ではなく、ここにおられるシャーレ女王陛下なのですよ」
「よくもぬけぬけと……! 陛下を亡命に追い込んだ貴様こそが逆賊であろうが!」
「落ち着きさない、リアレーヌ。それにアズバルもです」
玉座に座る王妃の柔らかながらも芯のある声が、謁見の間に響いた。
「私はまだ戴冠しておりません。そこでこちらはリアレーヌを女王にして、応戦します」
これには宰相ばかりでなく、リアも目を剥いた。
「わらわが素直に従うとお思いですか」
「ええ。後ろにいる大切なお友達のためですもの」
意図を理解したリアは唇を噛み、アズバルは愉快そうに口元を歪めた。
「……つまり、俺たちは人質ってことか」
「理解が早くなってきたわね。カケルもこっちに染まってきた証かしら」
小声で呟いたカケルに、悪戯っぽくアーシャが言葉を返した。
「王女殿下を傀儡にして、クエスファーラを支配するつもりなんでしょ。何か問題が起こった時に、責任を取らせるためにもね」
「つくづく腐ってやがるな」
舌打ちしたカケルに、同じように嫌悪感を露わにしたアーシャが言う。
「これが権力闘争よ。貴族も含めて、飽きもせずによくやるわ」
「誰かやめようとは思わないのか」
「弱気になったら最後、骨までしゃぶられるもの。特にカケルみたいなお人好しはいいカモね。一文無しにされて、家族ともども苦労するはめになった貴族もいたわ」
悲しげなアーシャの横顔に吸い込まれそうになっていたカケルだったが、謁見の間を揺らすような怒声に反射的に顔を上げた。
「そんなに権力が欲しいのか!」
王妃に詰め寄ろうとするリアを、アズバルの命令で数人の衛兵が取り押さえる。
「離せ! ええい、お主らに国を憂う気持ちはないのか!」
「リアレーヌ、少し頭を冷やしなさい。お友達も一緒にね。そうすれば何が最善か、おのずと結論も出るでしょう」
話は終わりだと王妃は立ち上がり、カケルたちは揃って王城の個室に押し込まれた。
天窓から光が差し込む部屋は幻想的だが、ドアの前には衛兵が常に立っており、自由に出入りできない現状では息苦しさしか感じない。
「広々としてるが、ベッドと机以外は何もないな」
「簡単に牢には入れられない身分ある者を、軟禁しておくための部屋だからな」
面白くもなさそうにリアが鼻を鳴らした。
「いかに鉄砲部隊が強力でも、二国相手じゃ負けそうなもんだけどな」
「だが弓よりも遠くの距離から狙いをつけられるというのは恐怖だ。四六時中盾を構えているわけにもいかぬし、気の休まる暇がない」
リアの指摘に、カケルはなるほどと頷く。
「最新武器なだけに、対応策はまだできてないわけか。しばらくは快進撃が続くか」
「補給線の問題もあるから、そう一気に帝都までは攻め込めないだろうけどね」
貴族らしいというべきか、クオリアが敵国へ攻め込む際の注意点を並べる。大きな問題になるのはやはり水と食料、それに士気ということだった。
「だからロスレミリアは、ここぞとばかりにゴフル王へ協力したのかもな」
「カケルには、イザベラ女王の狙いがわかるの?」
「ガルブレドが落ちれば、鉄砲を所有するクエスファーラと一対一になる。攻め込まれる前に大義名分を得て、二体一となる現状を作り上げたかった……ってのはどうだ」
「確かに話としては繋がるわね。さすが小説家だわ」
褒めているのかわからない言葉を発して、アーシャは人数分あるベッドの一つに体を弾ませた。
「何にせよ、アタシたちにできるのは休むことくらいね」
「いや、そうでもない」
ニヤリとしたカケルに周囲の視線が集まる。
「俺の国にはな、ペンは剣より強しって言葉があるのさ。検閲もないクエスファーラなら、十分に戦えそうだぜ」
「……お主、何をするつもりだ」
共犯者の顔になったリアが、楽しそうに問いかけた。
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