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1目覚めたら……
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「ああ、今日も仕事疲れた」
私は仕事に明け暮れている、実家暮らしの彼氏なしの腐女子である。黒髪ショートのメガネ、府中絵吏香(ふちゅうえりか)今年で25歳。腐女子ということもあり、趣味はBL(ボーイズラブ)作品を読み漁ること。仕事の癒しやストレス発散も込めて、いつもお世話になっている。
今日も仕事で残業があり、帰宅は夜の8時過ぎ。実家暮らしの良いところは、帰宅したら家族がいて、温かい食事が用意されていることだ。家族の多少の小言も我慢する。
「お疲れ。今日の夕食はおでんよ」
「そんなに疲れるのなら、やめちゃえば。今時、もっと良い仕事あるでしょう?バカなの?」
仕事でヘロヘロになっているところへ温かい言葉をかけてくれたのは母親。彼氏がどうとか結婚がどうとか言ってくるが、基本的に私に優しい。反対に私を口撃してきたのは妹の真理香(まりか)だ。年は5つ下で今年大学2年生の20歳。明るい茶髪のボブで、化粧も派手な今時の大学生。どうにも私のことが嫌いらしく、目が合えば私に対してきつめの言葉を投げてくる。
「お父さんもまだ仕事から帰ってきていないの。仕事が忙しいみたい」
父親もまだ帰っていないらしい。しかし、私の空腹は限界に近い。キッチンからはおでんの良い匂いがしてきて、私の腹が大きく音を立てる。
「先に食べていいわよ。私とマリカはもう食べたから」
「ありがとう」
私の家族はこんな感じで、現状、特に問題なく普通に生活している。明日も明後日も、同じような平穏な生活が続くと思っていた。
「なんか、股に違和感が……。ていうか、胸もないし、股間に何かついてる」
いつものように夕食を取って、入浴して日付が変わる前にベッドに入って寝たはずだ。おでんも大根がしみておいしかったし、他のたまごやはんぺん類に異常はなかった。だとしたら、寝ている間に身体に異変が起きたのか。
朝、目覚ましの音で目が覚めると、なぜか全裸だった。長そでのパジャマの上下とタンクトップ、パンツがベッドわきに落ちていた。そして、先ほどの発言となるわけだ。
ここで発狂して叫ばなかったのは、夢の続きかと思ったからだ。そもそも、二次元でもあるまいし、現実世界である日突然、性転換することなどありえない。だからこそ、落ち着いていられたのだが、どうにもおかしい。基本的に朝の目覚めは良い方なので、目覚ましの音が鳴るだけで起きてしまう私がまだ夢の中なわけがない。
性転換して男になってしまった事実が、徐々に私の頭の中に浸透していく。脳に確実にいきわたった瞬間。
「ええええええええええ!」
「うるさい!朝から何?」
思わず叫んでしまった。起きてから10分が経過していた。私の叫び声を聞き、隣の部屋から妹が迷惑そうにやってきた。いや、妹ではなく。
「リオ兄。な、なんで裸なの?も、もしかして、僕をま」
「マリカ、だよね?」
「なに言ってんだ?俺はマオでお前の弟。そ、そうだよな。今日は特別寝相が悪かったんだな。うん、ていうか、さっさと服着ろよ。見苦しい」
マリカ(なぜか今はマオ【弟】)は私の裸(男)を見て、顔を赤らめていた。しかし、すぐに不機嫌な様子に戻り、部屋から出ていった。
「性別転換、した世界か……」
私は二次元でよくある「目覚めたら性転換した世界」に飛ばされた?らしい。ということは、これからもっと驚くべきことがたくさんあるはずだ。自分や妹の性転換に驚いていたが、心してかからないといけない。
「二次元、嗜んできた良かったわ」
過去の私に感謝しながら、妹(弟)に言われた見苦しい姿を家族に晒さないため、部屋にあったクローゼットから下着と灰色のスウェット上下を取り出し、身に着ける。性転換した世界なので、服は男物らしい。先ほどのパジャマも下着も見たことのない男物だと気付く。
「まあ、男なのに女ものだったら逆におかしいか」
とりあえず、服を着たので朝食を食べに二階の部屋から一階のリビングに向かうことにした。部屋の間取りは昨日までの私の実家と同じだった。
私は仕事に明け暮れている、実家暮らしの彼氏なしの腐女子である。黒髪ショートのメガネ、府中絵吏香(ふちゅうえりか)今年で25歳。腐女子ということもあり、趣味はBL(ボーイズラブ)作品を読み漁ること。仕事の癒しやストレス発散も込めて、いつもお世話になっている。
今日も仕事で残業があり、帰宅は夜の8時過ぎ。実家暮らしの良いところは、帰宅したら家族がいて、温かい食事が用意されていることだ。家族の多少の小言も我慢する。
「お疲れ。今日の夕食はおでんよ」
「そんなに疲れるのなら、やめちゃえば。今時、もっと良い仕事あるでしょう?バカなの?」
仕事でヘロヘロになっているところへ温かい言葉をかけてくれたのは母親。彼氏がどうとか結婚がどうとか言ってくるが、基本的に私に優しい。反対に私を口撃してきたのは妹の真理香(まりか)だ。年は5つ下で今年大学2年生の20歳。明るい茶髪のボブで、化粧も派手な今時の大学生。どうにも私のことが嫌いらしく、目が合えば私に対してきつめの言葉を投げてくる。
「お父さんもまだ仕事から帰ってきていないの。仕事が忙しいみたい」
父親もまだ帰っていないらしい。しかし、私の空腹は限界に近い。キッチンからはおでんの良い匂いがしてきて、私の腹が大きく音を立てる。
「先に食べていいわよ。私とマリカはもう食べたから」
「ありがとう」
私の家族はこんな感じで、現状、特に問題なく普通に生活している。明日も明後日も、同じような平穏な生活が続くと思っていた。
「なんか、股に違和感が……。ていうか、胸もないし、股間に何かついてる」
いつものように夕食を取って、入浴して日付が変わる前にベッドに入って寝たはずだ。おでんも大根がしみておいしかったし、他のたまごやはんぺん類に異常はなかった。だとしたら、寝ている間に身体に異変が起きたのか。
朝、目覚ましの音で目が覚めると、なぜか全裸だった。長そでのパジャマの上下とタンクトップ、パンツがベッドわきに落ちていた。そして、先ほどの発言となるわけだ。
ここで発狂して叫ばなかったのは、夢の続きかと思ったからだ。そもそも、二次元でもあるまいし、現実世界である日突然、性転換することなどありえない。だからこそ、落ち着いていられたのだが、どうにもおかしい。基本的に朝の目覚めは良い方なので、目覚ましの音が鳴るだけで起きてしまう私がまだ夢の中なわけがない。
性転換して男になってしまった事実が、徐々に私の頭の中に浸透していく。脳に確実にいきわたった瞬間。
「ええええええええええ!」
「うるさい!朝から何?」
思わず叫んでしまった。起きてから10分が経過していた。私の叫び声を聞き、隣の部屋から妹が迷惑そうにやってきた。いや、妹ではなく。
「リオ兄。な、なんで裸なの?も、もしかして、僕をま」
「マリカ、だよね?」
「なに言ってんだ?俺はマオでお前の弟。そ、そうだよな。今日は特別寝相が悪かったんだな。うん、ていうか、さっさと服着ろよ。見苦しい」
マリカ(なぜか今はマオ【弟】)は私の裸(男)を見て、顔を赤らめていた。しかし、すぐに不機嫌な様子に戻り、部屋から出ていった。
「性別転換、した世界か……」
私は二次元でよくある「目覚めたら性転換した世界」に飛ばされた?らしい。ということは、これからもっと驚くべきことがたくさんあるはずだ。自分や妹の性転換に驚いていたが、心してかからないといけない。
「二次元、嗜んできた良かったわ」
過去の私に感謝しながら、妹(弟)に言われた見苦しい姿を家族に晒さないため、部屋にあったクローゼットから下着と灰色のスウェット上下を取り出し、身に着ける。性転換した世界なので、服は男物らしい。先ほどのパジャマも下着も見たことのない男物だと気付く。
「まあ、男なのに女ものだったら逆におかしいか」
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