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第七章 再開
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シラコが美彩の身体に歯を立てると同時に、美彩の身体から彼女の霊が飛び出した。半透明なそれは、久瑠羽の目にははっきりと彼女の姿に見えていた。
彼女の霊が、美彩の身体から離れた瞬間、シラコはその霊を捕食した。口を大きく開き、がぶりと霊を食べてしまった。結局、彼女の霊を成仏させることはできず、シラコの食糧となってしまった。
とはいえ、須見兄弟の依頼は遂行された。須見久瑠徒の身体から女性の霊を引き離し、その霊もこの世からいなくなった。
しかし、シラコが彼女の霊を捕食して、無事解決ということにはならなかった。美彩の身体に必要以上に長く居座り続けた霊の影響で、彼女は須見兄弟との記憶を失くしてしまった。本来、自分の身体に他人の魂を入れることは身体の負担が大きく、一週間を目安に決められている。その期間内で何とか解決できたとはいえ、今回の場合、彼女の思いが強すぎた。そのため、美彩の記憶に損傷を与えていた。
「お主、少し休んだ方がいいのではないか?」
須見兄弟と別れてから一週間、美彩は身体が思うように動かず、気分があまり良くなかった。両親は仕事のことで忙しく相談できなかった。事情を知っていそうなシラコには、体調を心配されて大学を休むように勧められたが、何とか重い身体を引きづって大学に通っていた。
「ねえ、シラコはどうして、私の記憶がないことについて、詳しく教えてくれないの?」
授業がある講義室に向かって歩いていく途中で、シラコに尋ねる。美彩は、自分の記憶がここ一週間ほどなくなっていることに気付くと、すぐに除霊の依頼を受けたことが影響していると考えた。それなのに、シラコは理由を説明してくれず、ただ身体の心配をするだけだった。
『何度も言っているが、記憶を失っていることが依頼の過激さを語っている。お主に依頼の説明をする必要はない。すでに依頼者はお主の仕事ぶりに感謝していた。それでよいではないのか?思い出したところでいったい何になる?記憶を失うほどのことだ。思い出さない方がいいものもある」
それに、大学に通っている限り、依頼者とであることもあるだろうから、そこで思い出すのも一興だ。
シラコの最後の言葉は独り言のようで、美彩の耳に届くことはなかった。
「おはよう、陽炎さん。なんだか大学で会うのは、久しぶりだね。とはいっても、一週間ぶりにという感じだけど」
「お、おはようございます」
シラコと話していると、突然声をかけられた。声がした方向を振り向くと、見たことない男性が立っていた。自分のことを知っているようだが、美彩には覚えがない。
『美彩は今、お前らの記憶を失っている。馴れ馴れしく声をかけるな。それに、我は言ったはずだ。美彩に不用意に近づくなと」
「し、シラコはこの男性と知り合いの?」
「シラコさん。ですが、あの時は本当に助かりました。改めてお礼を言いたくて。別に構わないでしょう?今の僕には悪霊などついていないはずだ」
『美彩。こいつと関わってもいいことなどない』
シラコは美彩の身体に巻き付いていた身体をくねらせて、その場から離れるように忠告する。しかし、男性の方はあきらめが悪く、シラコの言葉に従ってその場から去ろうとした美彩を追いかける。
「あの、オレ、実は!」
「ああ、いたいた。久瑠兄。こんなところにいた。美彩さんもいたんだ」
久瑠徒の言葉は途中で遮られた。美彩たちの前にもう一人の男性が現れた。男は久瑠徒とよく似た顔つきだった。
彼女の霊が、美彩の身体から離れた瞬間、シラコはその霊を捕食した。口を大きく開き、がぶりと霊を食べてしまった。結局、彼女の霊を成仏させることはできず、シラコの食糧となってしまった。
とはいえ、須見兄弟の依頼は遂行された。須見久瑠徒の身体から女性の霊を引き離し、その霊もこの世からいなくなった。
しかし、シラコが彼女の霊を捕食して、無事解決ということにはならなかった。美彩の身体に必要以上に長く居座り続けた霊の影響で、彼女は須見兄弟との記憶を失くしてしまった。本来、自分の身体に他人の魂を入れることは身体の負担が大きく、一週間を目安に決められている。その期間内で何とか解決できたとはいえ、今回の場合、彼女の思いが強すぎた。そのため、美彩の記憶に損傷を与えていた。
「お主、少し休んだ方がいいのではないか?」
須見兄弟と別れてから一週間、美彩は身体が思うように動かず、気分があまり良くなかった。両親は仕事のことで忙しく相談できなかった。事情を知っていそうなシラコには、体調を心配されて大学を休むように勧められたが、何とか重い身体を引きづって大学に通っていた。
「ねえ、シラコはどうして、私の記憶がないことについて、詳しく教えてくれないの?」
授業がある講義室に向かって歩いていく途中で、シラコに尋ねる。美彩は、自分の記憶がここ一週間ほどなくなっていることに気付くと、すぐに除霊の依頼を受けたことが影響していると考えた。それなのに、シラコは理由を説明してくれず、ただ身体の心配をするだけだった。
『何度も言っているが、記憶を失っていることが依頼の過激さを語っている。お主に依頼の説明をする必要はない。すでに依頼者はお主の仕事ぶりに感謝していた。それでよいではないのか?思い出したところでいったい何になる?記憶を失うほどのことだ。思い出さない方がいいものもある」
それに、大学に通っている限り、依頼者とであることもあるだろうから、そこで思い出すのも一興だ。
シラコの最後の言葉は独り言のようで、美彩の耳に届くことはなかった。
「おはよう、陽炎さん。なんだか大学で会うのは、久しぶりだね。とはいっても、一週間ぶりにという感じだけど」
「お、おはようございます」
シラコと話していると、突然声をかけられた。声がした方向を振り向くと、見たことない男性が立っていた。自分のことを知っているようだが、美彩には覚えがない。
『美彩は今、お前らの記憶を失っている。馴れ馴れしく声をかけるな。それに、我は言ったはずだ。美彩に不用意に近づくなと」
「し、シラコはこの男性と知り合いの?」
「シラコさん。ですが、あの時は本当に助かりました。改めてお礼を言いたくて。別に構わないでしょう?今の僕には悪霊などついていないはずだ」
『美彩。こいつと関わってもいいことなどない』
シラコは美彩の身体に巻き付いていた身体をくねらせて、その場から離れるように忠告する。しかし、男性の方はあきらめが悪く、シラコの言葉に従ってその場から去ろうとした美彩を追いかける。
「あの、オレ、実は!」
「ああ、いたいた。久瑠兄。こんなところにいた。美彩さんもいたんだ」
久瑠徒の言葉は途中で遮られた。美彩たちの前にもう一人の男性が現れた。男は久瑠徒とよく似た顔つきだった。
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