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1結婚相談所に入会を決意
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「そうだ、結婚相談所に入会しよう」
思い立ったが吉日である。私は29歳の3月、これまであえて無視していた結婚について、急に考えるようになった。
まずは私の自己紹介から始めよう。私の名前は茂木萌絵(もてぎもえ)、29歳。よくある恋愛漫画の主人公の能書き通り、彼氏いない歴イコール年齢の独身女性である。この能書きが恥ずかしいという風潮が広がっているが、それがどうしたというのだろうか。彼氏がいないだけであって、それが世間様の迷惑をかけているのか。まったくもって、世間はわけのわからないことが多い。迷惑をかけていないのならば、それは各自の自由でいいはずだ。
と常々世間の意見を批判している、すこし痛い女性ともいえる。
話が脱線したが、そんな私がどうして結婚相談所に入会しようと思いったのか。明確な理由は会社の同僚の一件だ。
私はしがない中小企業の事務員として働いている。社員全員合わせても10人に満たない小さな会社だ。そんな中、事務員は私を含めて4人いた。その中の一人のせいで、私はしたくもない結婚をしいられる羽目になった。
そいつが、結婚を機に会社をやめると言い出したのだ。世の中は会社の育休が推奨されているが、そんなものが中小企業に当てはまるなんて甘い考えは捨てたほうがいい。そんな制度はまやかしだ。大企業だけができる幻の制度といえよう。
まあ、そんな前置きはどうでもいいが、とりあえず、私の会社では結婚を機に仕事を辞める事務員が多い。しかし、そんなことで自分の結婚観を変えていたら、私は過去に何度、結婚相談所の門をたたいたのかわからない。
とはいえ、今回ばかりは違ったのだ。そいつは、事務所に迷惑をかけまくるやばい奴だった。そんな奴に結婚相手がいた。それが私の女のプライドに傷をつけた。
「こんなにやばいやつに結婚相手がいるのに、私は何をしているのだろうか」
こう、思ってしまったのだ。
そいつは嫌みのように結婚を機にやめると言い出した。今まで彼氏などいないようなそぶりを見せていたが、どうやら3年ほど前から付き合っていた彼氏がいたようで、彼からこのほどプロポーズを受けたらしい。
ああ、むかつくやつだ。
また話が脱線してしまった。そんな奴のことはもう、どうでもいい。私の「結婚しなくては」という気分を促してくれたのだから、ある意味、私にとっては救世主的存在だったのかもしれない。
そいつがろくに字もかけない、ミスが多い、毎日同じ私服、昼がカロリーメイトだけのやばい奴だったとしても、いまとなっては関係ない。
さて、長々と語ってしまったが、本題に入るとしよう。世の中、結婚するためには出会いがないといけない。それは人それぞれだろう。高校、大学、会社などで出会いがあれば、それで結婚してしまう人もいる。しかし、それらに出会いがない場合もある。
そんなときの頼みの綱が結婚相談所である。ほかにもマッチングアプリとか、婚活アプリなど、スマホオンリーで登録するだけで出会いを増やせるものもある。
しかし、そんなアプリだけで彼氏いない歴(以下略)が結婚相手を見つけられるとは思えない。私は無難に結婚相談所に入会することに決めた。
とはいえ、結婚相談所ももうかっているもので、一口に結婚相談所といっても、たくさんある。地方に特化した地元の相談所、全国規模の名の知れた相談所など様々だ。そんな中、私が選んだのは地元に支店を持つ全国規模の相談所だ。
特に理由などない。なんとなくネットで検索して、口コミが良さげで自分の家の近くに支店があったのが決め手となった。
ネットで予約をしていよいよ、私の婚活が幕を開ける。それと同時に私は結婚相談所の闇を知ることになるのだった。
思い立ったが吉日である。私は29歳の3月、これまであえて無視していた結婚について、急に考えるようになった。
まずは私の自己紹介から始めよう。私の名前は茂木萌絵(もてぎもえ)、29歳。よくある恋愛漫画の主人公の能書き通り、彼氏いない歴イコール年齢の独身女性である。この能書きが恥ずかしいという風潮が広がっているが、それがどうしたというのだろうか。彼氏がいないだけであって、それが世間様の迷惑をかけているのか。まったくもって、世間はわけのわからないことが多い。迷惑をかけていないのならば、それは各自の自由でいいはずだ。
と常々世間の意見を批判している、すこし痛い女性ともいえる。
話が脱線したが、そんな私がどうして結婚相談所に入会しようと思いったのか。明確な理由は会社の同僚の一件だ。
私はしがない中小企業の事務員として働いている。社員全員合わせても10人に満たない小さな会社だ。そんな中、事務員は私を含めて4人いた。その中の一人のせいで、私はしたくもない結婚をしいられる羽目になった。
そいつが、結婚を機に会社をやめると言い出したのだ。世の中は会社の育休が推奨されているが、そんなものが中小企業に当てはまるなんて甘い考えは捨てたほうがいい。そんな制度はまやかしだ。大企業だけができる幻の制度といえよう。
まあ、そんな前置きはどうでもいいが、とりあえず、私の会社では結婚を機に仕事を辞める事務員が多い。しかし、そんなことで自分の結婚観を変えていたら、私は過去に何度、結婚相談所の門をたたいたのかわからない。
とはいえ、今回ばかりは違ったのだ。そいつは、事務所に迷惑をかけまくるやばい奴だった。そんな奴に結婚相手がいた。それが私の女のプライドに傷をつけた。
「こんなにやばいやつに結婚相手がいるのに、私は何をしているのだろうか」
こう、思ってしまったのだ。
そいつは嫌みのように結婚を機にやめると言い出した。今まで彼氏などいないようなそぶりを見せていたが、どうやら3年ほど前から付き合っていた彼氏がいたようで、彼からこのほどプロポーズを受けたらしい。
ああ、むかつくやつだ。
また話が脱線してしまった。そんな奴のことはもう、どうでもいい。私の「結婚しなくては」という気分を促してくれたのだから、ある意味、私にとっては救世主的存在だったのかもしれない。
そいつがろくに字もかけない、ミスが多い、毎日同じ私服、昼がカロリーメイトだけのやばい奴だったとしても、いまとなっては関係ない。
さて、長々と語ってしまったが、本題に入るとしよう。世の中、結婚するためには出会いがないといけない。それは人それぞれだろう。高校、大学、会社などで出会いがあれば、それで結婚してしまう人もいる。しかし、それらに出会いがない場合もある。
そんなときの頼みの綱が結婚相談所である。ほかにもマッチングアプリとか、婚活アプリなど、スマホオンリーで登録するだけで出会いを増やせるものもある。
しかし、そんなアプリだけで彼氏いない歴(以下略)が結婚相手を見つけられるとは思えない。私は無難に結婚相談所に入会することに決めた。
とはいえ、結婚相談所ももうかっているもので、一口に結婚相談所といっても、たくさんある。地方に特化した地元の相談所、全国規模の名の知れた相談所など様々だ。そんな中、私が選んだのは地元に支店を持つ全国規模の相談所だ。
特に理由などない。なんとなくネットで検索して、口コミが良さげで自分の家の近くに支店があったのが決め手となった。
ネットで予約をしていよいよ、私の婚活が幕を開ける。それと同時に私は結婚相談所の闇を知ることになるのだった。
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