上 下
8 / 40

8仮交際と真剣交際

しおりを挟む
 女性らしさについて語ってきたが、それを無視しても相手からお見合いを申し込まれることは私で証明された。今まで何人もの男性からお見合いを申し込まれている。

 結婚相談所には、20代から上は定年退職を迎えている人まで幅広い年代が入会している。私に申し込んできたのは、一番下だと24歳。一番上だと41歳だ。これだけ見ても、幅広い年代だということがわかる。

 お見合いを申し込まれたら、それに対してどうするのか選択を迫られる。申し込みを受けるか、断るか。申し込みを受けることで、相手と実際に会うことになる。逆の場合も同じである。私が相手に申し込みをして、それを受けてくれて初めて相手と実際に会えるということだ。

 ここで、婚活特有のルールを説明しておこう。実際に相手と会ってよさげだなと思ったら、会う回数を増やしていく。回数を重ねて最終的に結婚という流れにもっていく。この流れは自然なことであり、当然、結婚相談所も推奨している。

 ルールというのは、会う相手の人数のことである。初めて会う男性と3回ほどあうと、真剣交際に進むかどうかを決める。これがルールというわけだ。

 真剣交際というのは、その人と結婚を前提に付き合うことを指すらしい。じゃあ、今まで出会った相手とは結婚を前提としていないのか。そうではない。真剣交際に進んだということは、その人でほぼ決まりという意思表示でもある。真剣交際に進んだと結婚相談所のカウンセラーに報告して、相手もそれを了承した時点で、他の相手と会うことは禁止となる。そのままうまくいけば、成婚で無事、結婚相談所を退会というシステムだ。

 真剣交際をする前までの1~3回ほど会う相手との交際は仮交際と呼ばれている。この仮交際の時点では基本的に何人とでも並行して会ってよいらしい。

 つまり、真剣交際に進む前は何人の相手と会ってもよいということだ。真剣交際ではないので、そこに進むまでに2~3人ほど相手を確保しておくのが王道の婚活の進め方のようだ。

 まあ、それは別に強制ではないので、一人と会ってそのまま真剣交際、成婚成立という場合も考えられる。


 大体、3回ほどあったところで真剣交際をするか決めることが多いのだが、それはあくまで目安であり、3回で真剣交際に進まない場合もある。5回、6回と重ねてようやく新家交際スタートという場合もあるようだ。

 とはいえ、それはそれで有難いシステムでもある。3回目で選択するということが分かっていれば、それまでに相手の情報を集めなければならないという焦りが生まれる。それが成婚を速めることにつながると私は考える。

 真剣交際という目標が定まっているのなら、そこに向けて頑張ることができる。このシステムでは、会った男性に対してその都度カウンセラーに報告することになっている。一度目のデートの感想、今後、また会いたいかどうか。真剣交際に進みたいかを詳しくカウンセラーに報告するので、結婚に向けて自分が前に進んでいるかをしっかりと把握することができる。

 しかし、そうではないシステムも存在する。最初に説明したように私が入会した結婚相談所には二種類のシステムがあった。今説明したものとは別のものは、カウンセラーを介さないものなので、真剣交際もなければ、仮交際という概念もないらしい。お互いに結婚をする意思を固め、それをカウンセラーに報告して無事退会という流れになっている。

 とりあえず、私にはなかなか前途多難だなと思えてきた。そもそも、今まで男性との出会いがなかったから、決死の覚悟で結婚相談所に入会したのに、同時に何人もの男性と会えるわけがない。

 私は並行して会うことはやめ、よさげな人がいたら会ってみるというスタイルで頑張ることにした。

しおりを挟む

処理中です...