朔夜蒼紗の大学生活~幽霊だって勉強したい~

折原さゆみ

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GWの過ごし方

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 さて、大学生活にも慣れてきたところで、もうすぐGWである。特に予定もなかった私は家でごろごろ休みを満喫するつもりでいたのだが、今年はどうやらゴロゴロは無理らしい。例のごとく、西園寺さんが予定をぶつけてきたからだ。

 ある日のこと。いつものように大学に行き、西園寺さんからもらった衣装に着替えると、西園寺さんが唐突に宣言した。ちなみに今日の衣装は袴だった。今日ももちろん目立っている。




「今から、GWの計画を立てましょう。」




 確かにもうすぐGWである。とはいえ、なぜ計画を立てるのに私が必要なのだろう。GWはいい加減、この二人とは会わずに、家でゆっくりとくつろぎたい。そんな私の心を読んだかのように西園寺さんは続けてこういった。


「私と静流と蒼紗と3人で旅行に行くんだから、3人で話し合うのは当然でしょう。」


 やはり、GWも一緒に過ごすことは確定のようだ。私に平穏な休みというものも存在しないらしい。


「授業が終わったら、蒼紗の家でGWの計画を立てましょう。」


 授業が終わり、3人で私の家に向かう。途中で、いつものケーキ屋により、ケーキを買っていく。


「蒼紗はGWにどこか行きたいところはあるかしら。希望があれば聞くわよ。」


「それより、GWの計画ですが、私も計画に参加しなければならないでしょうか。一応、私にも予定というものがあるのですが。」


 予定など入っていないが、一塁の望みをかけて言ってみる。GWの休みはゴロゴロ過ごしたいのだ。この至福の時間を西園寺さんに奪われたくない。

「もちろん、GWも蒼紗と一緒に過ごそうと思っているから、計画を一緒に立てるのは当然でしょう。蒼紗はどこに行きたいかしら。海外は手続きが面倒くさいからやめておいてほしいけど、もしどうしてもというなら考えないでもないけど。」



 さらっととんでもないことを言っている。金持ちのお嬢様の考えることはスケールが大きくて嫌になる。日本ならどこでもいいのだろうか。



「じゃあ、沖縄とかはどうで………。」


「ということでGWは京都に行きましょう。久しぶりに実家の様子も見ておきたいし、そのあとは大阪によってUFNユニバーサルススタジオにっぽんで遊びましょう。」



 勝手に決められた。私の意見を聞くと言いながら全く聞く気がない。だったら、最初から私の意見を求めないでほしい。いつものことなので今更気にしないのだが。しかし、京都に行ったのは小学校の修学旅行以来だ。大阪のUFNに至っては実は私は一度も行ったことがない。これはこれで楽しそうである。



「宿泊については問題なし。西園寺グループの旅館を使えばただで泊まることができるし、これで決定ね。」





 こうして、何の話し合いもなく、GWに西園寺さんの実家の京都への旅行は決定したのだった。もちろん、今回もその場にいた何も発言していない雨水君も旅行には強制参加らしい。旅行に行くのは実は久しぶりでゴロゴロも捨てがたいが、旅行も旅行で悪くないなと思っている自分がいたことに苦笑いした。




 結局、私たち3人はGWに京都で1泊し、その後大阪のUFNに行き、思う存分旅行を楽しんだのだった。旅行中は予期せぬハプニングや事件があったが、それはそれで旅のスパイスとしてよい思い出となった。それを語るのはまた別の機会にしよう。


 

 

 西園寺さんたちとの旅行はGW前半に決まった。ということは、後半こそは家でゴロゴロを満喫できるはず。そう思っていたら、今回のGWはとことん予定を詰め込まされるらしい。

 いつものように塾でバイトをしていたら、突然瀧さんからGWの予定を聞かれた。正直にGW前半に大学の友達と1泊2日の旅行に出かけると伝えた。なぜ、GWの予定を聞くのだろうか。まさか、GW中も塾が開講しているというのか。しかし、それはないと思う。5月のシフト表を出したが、GW中塾は開講していなかったはずだ。ということは、単に私の予定を聞きたかっただけか、あるいは………。




「そうですか。では、GW後半に予定を入れないでくださいね。」




 嫌な予感がする。これは、GW後半も家でゴロゴロできないということか。いったい、瀧さんはどこに私を連れていってくれるのだろうか。もし、瀧さんと二人きりの旅行だとしたら、これはデートになるのだろうか。私は全然、瀧さんは好みのタイプではないし、恋愛感情は全くない。瀧さんの方はどう思っているのか。




「では、塾が終わったら、ゆっくりGWの計画を立てましょう。」




 これは西園寺さんたちと同じルートをたどる気がする。私はGW中の家でゴロゴロ計画をあきらめた。


「朔夜さんはどこか行きたいところはありますか。海外はさすがに無理ですけど。あと、日本といっても沖縄や北海道などの遠いとこところもちょっと無理ですね。何しろ、彼らを連れていくとなると、そう遠くへは行けませんからね。」


 瀧さんも一応私の行きたいところを聞いてくれた。どうやら、瀧さんと二人きりの旅行ではないらしい。ほっとしたが、彼らとはだれなのか。この塾で働いてみたが、塾の講師は瀧さんと私以外にあったことがない。



「彼らといえば、彼らですよ。土曜日に来ている子供たちですよ。塾で勉強ばかりでは退屈でしょうから、毎年旅行に連れていくのですよ。私以外に連れ出す人はいないですから。」



 旅行まで連れて行くなんて、どれだけあの子たちのことが好きなのだろう。しかし、普通の人には見えない彼らをどうやって連れていくのだろうか。



「彼らには一日だけ人の姿が見える術をかけますので旅行中は普通の人間と一緒です。耳と尻尾まではなくせませんが。」




 便利な術があったものである。一日だけということは日帰りで帰ることができる場所が良い。ふと候補を思いつく。ここなら、ケモミミ尻尾でも怪しまれないだろう。




「東京アニマルランドに行きませんか。あそこなら、ケモミミ尻尾姿のまま楽しく遊べると思いますよ。」


「それは良い考えですね。きっと彼らも喜びますよ。今度の土曜日に伝えましょう。」




 私の意見が通り、瀧さんと子供たちとは東京アニマルランドに行くことに決まった。その後は、どの日に行くのか、待ち合わせ時間はどうするのかなどの細かい打ち合わせをした。子供たちのお金は瀧さんが自費で出すそうである。


 東京アニマルランドでも予期せぬハプニングや事件が起こったが、それでも西園寺さんたちとの旅行同様、とても楽しく過ごすことができた。この話も別の機会に話すことにしよう。
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