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西園寺桜華という人物④
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私たちは西園寺さんの家を出て、事件が起きた現場に向かうことになった。タクシーで目的地まで20分ほどだった。そこは公園であり、公園内では男女二組が言い争いをしていた。
どうやら二人は交際していたらしく、現在は別れ話で言い争っているらしい。そして、言い争いだけでは終わらなかったらしく、男の手にはナイフが握られていて、女の腕にはナイフで切られたような傷跡が残っていた。
男がナイフを再び女に振りかざした。女を刺そうとした瞬間、西園寺さんは突然声を上げた。西園寺さんがいた場所から声がしたから西園寺さんだと思うが、声は公園にいた女の声で、姿も女と瓜二つだった。
「その女は偽物で私が本物よ。刺すなら私をさしなさい。偽物にも気が付かないなんて、あなたの愛はその程度なのかしら。」
「お前誰だよ。俺の嗅覚をなめるなよ。お前からはおれの女とは違うにおいがする。」
突然出てきた目の前の女と瓜二つの西園寺さんと本物の女を男は見比べる。男は血走った眼をしていた。そして、興奮しているのか、鼻息が荒い。興奮していて能力をコントロールできないのか頭から犬のような耳が生えてしまっている。お尻のあたりからは尻尾も生えてきてしまっている。
「本当にそうかしら。よく見てごらんなさい。あなたの隣にいるのは本当にあなたの彼女なのかしら。」
男は隣にいる女を見る。女は突然現れた自分と瓜二つの女を凝視した後、頭に犬の耳とお尻に尻尾をはやした男を見やる。男と女の視線が交差する。女は驚いた様子を一瞬見せたのち、男を突き飛ばし、逃げ出した。
その突然の行動に驚いた男は言葉を失う。そして、女の後を追いかけようと走り出す。すると、突然あたり一面に濃い霧が発生する。
「残念でした。あなたの彼女にはもう会えません。ここでおとなしく能力を奪われてしまいなさい。」
そう言って、西園寺さんはどこからか取り出した日本刀を男に向かって突き刺した。男の胸に突き刺さった日本刀だが、男の身体には傷一つついていない。西園寺さんが日本刀を男の胸から抜き取る。すると、男は突然意識を失い、その場に崩れ落ちた。男をいつの間にか近くに寄ってきた雨水君が支える。西園寺さんはいつの間にか元の姿に戻っていた。
あっという間の出来事だった。私はみていることしかできなかった。
「これで任務終了。男の方は自分が能力者だってことは覚えていないし、能力もなくなった。こんな感じだけど、何か質問は。」
「仕事の内容は大方理解しました。その日本刀で能力者を切ると、能力が奪えるようですね。本当に能力を奪うことができたか、信じがたいですけど、その日本刀が普通じゃないのはわかります。」
「まあ、本当に能力が奪えたか信じることができないのは仕方ないわ。でもこの刀は彼の特別製で、普通はそんなに簡単に奪うことはできないって言っていた。」
西園寺さんのところの狐の神様はとても強い力を持っているのだろう。それにしても、彼女は先ほどから彼と呼んでいるが、オスの狐の神様なのだろうか。一度会って話してみたくなった。
「この男の人はどうするのですか。このままにして置いても大丈夫なのですか。」
「このまま放置で大丈夫。能力と一緒に奪った時の記憶もないから何か疑われて、警察に捕まっても奴に殺されることはない。」
「とりあえず、私たちの仕事は終わったからいったん、また私の家に戻りましょう。」
私たちは西園寺さんの家に戻ることにした。
私たちが公園を後にして数分後、全身黒づくめの男が先ほど能力を奪った男に近づいた。そばにはフードを被り、丈の長いシャツを着た少年がいた。能力を奪われた男は気を失っていたので、男が近づいてきても気付かない。男は彼に近づくと、彼をじっと見つめ、その後、興味を失ったかのようにその場を後にした。物騒なつぶやきを残して。
「また、能力を奪われていますね。私の邪魔をしている何者かがいるということでしょうか。私の行いを邪魔する奴には容赦はしません。見つけて、私の子供たちにするのもよいですね。」
いったん西園寺さんの家に戻った私たちだったが、外が暗くなり始めていたため、このまま今日は解散となった。私は暗くなりつつある道を帰ることにした。聞きたいことはたくさんあったが、今は西園寺さんの話と実際に見た彼女たちの仕事を照らし合わせて話の内容を整理したい。
家に帰る途中、偶然瀧さんに出会った。欲しい小説の新刊が出ていたことを思い出したので本屋によると、そこに瀧さんがいた。目が合ったので軽く会釈をする。すると、瀧さんが私に近寄ってきた。
「こんばんは、珍しいですね。塾以外で会うことがあるなんて。」
「そうですね。でも、会えてうれしいですよ。また、塾の日に会いましょう。」
挨拶をして、去っていった。近寄ってきたのに挨拶しかしてこなかったのは意外だった。まあ、特に話があるわけでもないし、問題ないか。
それにしても瀧さんからは線香の臭いがした。葬式にでも参列してきたのだろうか。特に不思議に思わず、新刊を早く読みたい一心でレジに新刊をもって並び、それを持って急いで家に帰った。
今日もたくさんの出来事があった。疲れてしまったのでまたもや必要最低限のことをこなし、早々と眠ることにした。寝る前に思い出した。
西園寺さんが日本刀を男に向ける場面を夢で見た気がする。あれは予知夢だったのだろうか。私にも未来が見える力が備わっているのか。たまたま見た夢が正夢になっただけか。とはいっても、考えても答えが出るわけでもない。今日も疲れたし、寝ることにしよう。
最近、よく夢を見る。今日も夢を見た。男の人がどこかの地下室で作業をしているようだった。窓がなく、明かりだけが部屋を照らしている。その中に診察台が一つ置いてあった。その上には女性がひとり横たわっていて、女性には動物の耳と尻尾が生えていた。どうやら能力者のようだ。すでに女性は死んでいるようだ。それを男が見下ろしている。
男は何やら手にお札のようなものを持っていた。そのお札を女性の胸の上に置いて、何かをつぶやいた。すると、女性の身体から透明な人間が現れた。人間の形をした何かのように見える。女性を小さくしたような姿をしている。
それはまるで子供の幽霊のようだった。瀧さんのところに通っている幽霊と同じで頭には動物の耳が、お尻の付け根には尻尾が生えていた。男はその透明な物質に声をかけた。すると、それは笑顔を見せて、こういった。
「わかった。先生のところで私、勉強頑張るね。」
ここで目が覚めた。また、身体じゅうから汗が噴き出していて、全身びっしょり濡れていた。今見た夢は何だったのだろうか。とても重要な夢の気がする。夢でのことが衝撃過ぎて、テンションは急降下している。しかし、今日は月曜日。仕方なく、大学に行く準備を始めた。
どうやら二人は交際していたらしく、現在は別れ話で言い争っているらしい。そして、言い争いだけでは終わらなかったらしく、男の手にはナイフが握られていて、女の腕にはナイフで切られたような傷跡が残っていた。
男がナイフを再び女に振りかざした。女を刺そうとした瞬間、西園寺さんは突然声を上げた。西園寺さんがいた場所から声がしたから西園寺さんだと思うが、声は公園にいた女の声で、姿も女と瓜二つだった。
「その女は偽物で私が本物よ。刺すなら私をさしなさい。偽物にも気が付かないなんて、あなたの愛はその程度なのかしら。」
「お前誰だよ。俺の嗅覚をなめるなよ。お前からはおれの女とは違うにおいがする。」
突然出てきた目の前の女と瓜二つの西園寺さんと本物の女を男は見比べる。男は血走った眼をしていた。そして、興奮しているのか、鼻息が荒い。興奮していて能力をコントロールできないのか頭から犬のような耳が生えてしまっている。お尻のあたりからは尻尾も生えてきてしまっている。
「本当にそうかしら。よく見てごらんなさい。あなたの隣にいるのは本当にあなたの彼女なのかしら。」
男は隣にいる女を見る。女は突然現れた自分と瓜二つの女を凝視した後、頭に犬の耳とお尻に尻尾をはやした男を見やる。男と女の視線が交差する。女は驚いた様子を一瞬見せたのち、男を突き飛ばし、逃げ出した。
その突然の行動に驚いた男は言葉を失う。そして、女の後を追いかけようと走り出す。すると、突然あたり一面に濃い霧が発生する。
「残念でした。あなたの彼女にはもう会えません。ここでおとなしく能力を奪われてしまいなさい。」
そう言って、西園寺さんはどこからか取り出した日本刀を男に向かって突き刺した。男の胸に突き刺さった日本刀だが、男の身体には傷一つついていない。西園寺さんが日本刀を男の胸から抜き取る。すると、男は突然意識を失い、その場に崩れ落ちた。男をいつの間にか近くに寄ってきた雨水君が支える。西園寺さんはいつの間にか元の姿に戻っていた。
あっという間の出来事だった。私はみていることしかできなかった。
「これで任務終了。男の方は自分が能力者だってことは覚えていないし、能力もなくなった。こんな感じだけど、何か質問は。」
「仕事の内容は大方理解しました。その日本刀で能力者を切ると、能力が奪えるようですね。本当に能力を奪うことができたか、信じがたいですけど、その日本刀が普通じゃないのはわかります。」
「まあ、本当に能力が奪えたか信じることができないのは仕方ないわ。でもこの刀は彼の特別製で、普通はそんなに簡単に奪うことはできないって言っていた。」
西園寺さんのところの狐の神様はとても強い力を持っているのだろう。それにしても、彼女は先ほどから彼と呼んでいるが、オスの狐の神様なのだろうか。一度会って話してみたくなった。
「この男の人はどうするのですか。このままにして置いても大丈夫なのですか。」
「このまま放置で大丈夫。能力と一緒に奪った時の記憶もないから何か疑われて、警察に捕まっても奴に殺されることはない。」
「とりあえず、私たちの仕事は終わったからいったん、また私の家に戻りましょう。」
私たちは西園寺さんの家に戻ることにした。
私たちが公園を後にして数分後、全身黒づくめの男が先ほど能力を奪った男に近づいた。そばにはフードを被り、丈の長いシャツを着た少年がいた。能力を奪われた男は気を失っていたので、男が近づいてきても気付かない。男は彼に近づくと、彼をじっと見つめ、その後、興味を失ったかのようにその場を後にした。物騒なつぶやきを残して。
「また、能力を奪われていますね。私の邪魔をしている何者かがいるということでしょうか。私の行いを邪魔する奴には容赦はしません。見つけて、私の子供たちにするのもよいですね。」
いったん西園寺さんの家に戻った私たちだったが、外が暗くなり始めていたため、このまま今日は解散となった。私は暗くなりつつある道を帰ることにした。聞きたいことはたくさんあったが、今は西園寺さんの話と実際に見た彼女たちの仕事を照らし合わせて話の内容を整理したい。
家に帰る途中、偶然瀧さんに出会った。欲しい小説の新刊が出ていたことを思い出したので本屋によると、そこに瀧さんがいた。目が合ったので軽く会釈をする。すると、瀧さんが私に近寄ってきた。
「こんばんは、珍しいですね。塾以外で会うことがあるなんて。」
「そうですね。でも、会えてうれしいですよ。また、塾の日に会いましょう。」
挨拶をして、去っていった。近寄ってきたのに挨拶しかしてこなかったのは意外だった。まあ、特に話があるわけでもないし、問題ないか。
それにしても瀧さんからは線香の臭いがした。葬式にでも参列してきたのだろうか。特に不思議に思わず、新刊を早く読みたい一心でレジに新刊をもって並び、それを持って急いで家に帰った。
今日もたくさんの出来事があった。疲れてしまったのでまたもや必要最低限のことをこなし、早々と眠ることにした。寝る前に思い出した。
西園寺さんが日本刀を男に向ける場面を夢で見た気がする。あれは予知夢だったのだろうか。私にも未来が見える力が備わっているのか。たまたま見た夢が正夢になっただけか。とはいっても、考えても答えが出るわけでもない。今日も疲れたし、寝ることにしよう。
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