嘘日記

2025年8月12日

　けたたましいスマホの着信音に起こされた私は不機嫌なまま通話ボタンを押した。
「もしもし、私様ですか？当選おめでとうございます」

　どうやら以前応募していた懸賞に当選したとの事らしい。賞金は100万円。慌てて飛び起きると相手が指定した場所で現金を受け取った。
　興奮状態のままでは危険だと考え、現金をATMに入金するするといつもの様に行きつけのスーパーへと向かった。
　今日くらい豪華にいこう。
　酒とつまみを大量に購入すると、店長から何かいい事があったのかと声をかけられてしまった。
「実は宝くじで5万円当たってね。パーっと使っちゃおうかなって」
「それならちょうどいい酒があるんだ」

　断れずに店長おすすめの高級酒を買ってしまったが仕方ない。
　昼間から1人でひとしきり楽しんだ後いつの間にか寝ていたらしい。
　既に夕方になっていた。
　ただ散らかしたままだったはずのゴミはどこにもなかった。