Boys Summer Love!

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再会の夏休み

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ちょっと残念に思い、肩を竦めた。

「花火始まるまで、屋台回ろうぜ。オレ、焼きソバとカキ氷食いたい」

「僕はチョコバナナとわたあめが良いな」

「甘いもんばっかだな」

「屋台ならではの食べ物が食べたいんだよ。チョコバナナとわたあめなんて、屋台じゃなきゃ滅多に食べれないし」

「まっ、そうだな。近くの店から行こうぜ」

「うん!」

川原にはいっぱい屋台が出ていた。

僕達は眼についた屋台に、片っ端から行った。

そして充分に食べて、遊んだ後、由月は言った。

「花火が静かに見られる穴場があるんだ。そこへ行こうぜ」

「うん」

由月の案内で向かったのは、川原の上にある神社だった。

川原と山が繋がっていて、その途中に小さな神社があった。

「ここ、普段からあんまり人が寄り付かないんだ。こういうイベントだと、誰も来ない」

「なるほど。確かに穴場だね」

神社の階段に座ると、川原一面が見下ろせる。

<ひゅるる~… ぱぁん!>

「あっ、はじまった!」

「うん!」

夜空に次々と火の花が咲く。

色鮮やかな火の花は、咲いては夜空に散っていく。

幻想的な光景に、息をするのも忘れてしまう。 

「キレイだな」

「うん」

思わず彼の方を向いてしまって、…僕はその姿に眼を見開いた。

キラキラと輝く瞳に、まだ幼さの残る顔。

群青色の浴衣から出ている細い手足、首から胸元に視線を向けてしまう。

「っ!?」

花火が上がるたびに、彼にもたくさんの色がふりかかる。

花火よりも、彼の方が幻想的に見えて、とてもキレイだった。

だからか視線が彼から外せなかった。

「…ん? どうかしたか?」

僕の視線に気付き、由月はこっちを見た。

「いやっ、あの…」

何か言い訳をしないといけないのに、僕の眼は彼から動かせない。

すると由月まで、僕を見つめてきた。

時が…止まった気がした。

そっと、由月が顔を寄せる。

だけど僕は少し後ろに引いた。

けれど腕を捕まれ、体が固まった。

そのまま彼は再び顔を寄せてきたので、僕は眼を閉じた。

「んっ…」

唇に、柔らかな感触。

見なくても分かる。

彼の…由月の唇だ。

花火の音より、心臓の鼓動がうるさいぐらいに体の中で響いた。

由月の熱くて甘い唇は、しばらくして離れた。

「…ゴメン」

「何で雅貴が謝るんだよ?」

「何となく…」 

「何だよ、それ」

暗いながらも、由月の顔が真っ赤になっていることが分かった。

きっと僕の顔も赤いだろう。

互いに額を合わせて、その後しばらくそうしていた。

すると花火は終わって、僕達は手を繋ぎ、無言で家に帰った。

家に帰ると浴衣を脱いで、おフロに一緒に入った。

だけどお互い、会話はなかった。

なくても、何となく…居心地は良かった。

どこかポカポカした気持ちのまま、結局その後何一つ話さず、僕達は同じ部屋で眠った。

翌朝、彼は普通に接してきたので、僕も普通に接した。

その年の夏休みも、いつも通りに楽しく、おもしろく終わった。

ただ帰り際、彼が部屋にいたので、挨拶に行った時、再びキスされた。

来年も必ずここへ来るという約束を交わして、僕は去った。

いつもは指きりで別れていた。

だけど今年は…。

指で唇をなぞると、ぞくっと背中が疼いた。

「んっ…!」

声を押し殺すと、顔に血が上った。

僕らはもしかしなくても、踏み出してはいけない一歩を踏み出したんじゃないかって…思わずにはいられなかった。

その後、いつも通りに彼とメールや電話のやり取りをしても、キスしたことがずっと頭の中に浮かんでいた。 

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