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Shape of love
一人ぼっちの羊①
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山田祐大朗の場合
俺は高校2年生だ。都内にある公立高校に通っている。豪邸と呼んでいいほどの大きな家を出て、徒歩で毎日通っているその高校は俺のストレスを解消する場所でもあった。
毎日なんの生産性もないつまらない授業を寝て過ごしている。そんな俺の唯一の楽しみは、同じクラスで眼鏡をかけた佐東を俺を含めた4人のグループでいじめることだった。
授業が全て終わり、帰りのホームルームが終わると荷物を家まで運ばせる。
嫌がる佐東の金を無理矢理奪いゲーセンなんかで使うことは、まあよくあることだった。
トイレで水をぶっかけたり昼にはパシりに使ったり……そんなことは日常茶飯事だった。
だけど、そんなある日、同じクラスの葉羽がしゃしゃり出てきた。
「……いじめは………やめろよ……」
俺達4人を前にして、震えながらボソボソとそう言う葉羽に俺は不思議な感覚を覚えた。
しかし、俺達はいじめをやめることはなく、それどころかターゲットを佐東から葉羽に変えた。
葉羽にも佐東にしてきたことと同じことをした。金を無理矢理使ったり、荷物を運ばせたり、昼休みにパシリに使ったり、掃除当番を代わりにやらせたりだ。
最近はずっとその葉羽をいじめている。
葉羽は元々は俺の友達だった。
葉羽とは中学校の頃からの友達で母親同士が仲がいいこともあり、すぐに仲良くなった。仲がいいと言っても、頻繁に言葉を交わすということはなく、それぞれがそれぞれの友人と一緒にいることが多かった。それはお互い同じクラスになったことがなかったのも一つの原因だろうが、お互いに気の合う友達がいたことも原因だろう。
葉羽の家は、シングルマザーで生活が大変だった。
俺の家は、都議会議員をしている父親と趣味でファッションデザイナーをしている母親の収入のおかげで生活には困らず、小遣いもいっぱいもらっていた。
そして中学を卒業して、高校1年で同じクラスになった。
俺は金のない葉羽をかわいそうだと憐れみ、帰り道に、お金がない葉羽に食べ物を奢ってやろうとしたり、ゲーセンに誘ったりした。
しかし、葉羽は決まってこう言った。
「ごめん、母さんが待ってるから早く帰んなきゃ」
俺はどこか自分を否定されたようなそんな気がした。
俺が家に帰っても家には、いつも誰もいなかった。父親は毎日忙しく、あまり帰ってこず、母親も父親の金で毎日遊び歩いていた。
そして、2年になると1年の頃別のクラスでその時いじめられていたという佐東という奴と同じクラスになった。そしてそこには佐東をいじめていた3人の男子生徒と葉羽もいた。
俺は一人になるのが怖くて佐東をいじめていた、やつの仲間に入り、いじめに参加した。金持ちの俺はやがてその仲間内のリーダーになった。
そんなある日。
俺たちがいつものように佐東をいじめていると目の前に葉羽が現れた。
俺たちを怖がりつつも勇気を振り絞り前に出てきたんだろう。膝が僅かに震えているのが見えた。
俺はというと、何故かとっさに仲間の影に隠れていた。影に隠れて見る葉羽の姿はとてもカッコよく見えた。それと同時に自分のしていることが恥ずかしく思えてきた。
葉羽が俺達に言った、この一言で他のメンバー達が話し合い、次の日から葉羽がいじめの対象に変わっていた。俺は何も言えなかった。
俺はいじめられたくない。一人になりたくない。
こないだまでいじめられてた佐東も最初のうちは半ば強引にいじめに参加させられていた。佐東は当然嫌そうな顔をしていた。
こんなの悪いことだとは自分が一番分かっていた。
だけど教室内は、多数派が正しい。
クラスメイトも見てみぬふり。正しいのは俺たちなんだ。そう錯覚をしていた。
久しぶりに家に帰ってきても父親と母親は、浮気をしたとかしないとかで喧嘩をしている。家の物が宙を舞い、壁や床を傷つける。その傷はどんどんと増えていき、俺の心にも傷をつけていく。
もう何が正しくて間違ってるのかなんてことは、どうでもよくなっていたんだ。
こんなことを考えてしまう自分に嫌気が差していた。
俺は高校2年生だ。都内にある公立高校に通っている。豪邸と呼んでいいほどの大きな家を出て、徒歩で毎日通っているその高校は俺のストレスを解消する場所でもあった。
毎日なんの生産性もないつまらない授業を寝て過ごしている。そんな俺の唯一の楽しみは、同じクラスで眼鏡をかけた佐東を俺を含めた4人のグループでいじめることだった。
授業が全て終わり、帰りのホームルームが終わると荷物を家まで運ばせる。
嫌がる佐東の金を無理矢理奪いゲーセンなんかで使うことは、まあよくあることだった。
トイレで水をぶっかけたり昼にはパシりに使ったり……そんなことは日常茶飯事だった。
だけど、そんなある日、同じクラスの葉羽がしゃしゃり出てきた。
「……いじめは………やめろよ……」
俺達4人を前にして、震えながらボソボソとそう言う葉羽に俺は不思議な感覚を覚えた。
しかし、俺達はいじめをやめることはなく、それどころかターゲットを佐東から葉羽に変えた。
葉羽にも佐東にしてきたことと同じことをした。金を無理矢理使ったり、荷物を運ばせたり、昼休みにパシリに使ったり、掃除当番を代わりにやらせたりだ。
最近はずっとその葉羽をいじめている。
葉羽は元々は俺の友達だった。
葉羽とは中学校の頃からの友達で母親同士が仲がいいこともあり、すぐに仲良くなった。仲がいいと言っても、頻繁に言葉を交わすということはなく、それぞれがそれぞれの友人と一緒にいることが多かった。それはお互い同じクラスになったことがなかったのも一つの原因だろうが、お互いに気の合う友達がいたことも原因だろう。
葉羽の家は、シングルマザーで生活が大変だった。
俺の家は、都議会議員をしている父親と趣味でファッションデザイナーをしている母親の収入のおかげで生活には困らず、小遣いもいっぱいもらっていた。
そして中学を卒業して、高校1年で同じクラスになった。
俺は金のない葉羽をかわいそうだと憐れみ、帰り道に、お金がない葉羽に食べ物を奢ってやろうとしたり、ゲーセンに誘ったりした。
しかし、葉羽は決まってこう言った。
「ごめん、母さんが待ってるから早く帰んなきゃ」
俺はどこか自分を否定されたようなそんな気がした。
俺が家に帰っても家には、いつも誰もいなかった。父親は毎日忙しく、あまり帰ってこず、母親も父親の金で毎日遊び歩いていた。
そして、2年になると1年の頃別のクラスでその時いじめられていたという佐東という奴と同じクラスになった。そしてそこには佐東をいじめていた3人の男子生徒と葉羽もいた。
俺は一人になるのが怖くて佐東をいじめていた、やつの仲間に入り、いじめに参加した。金持ちの俺はやがてその仲間内のリーダーになった。
そんなある日。
俺たちがいつものように佐東をいじめていると目の前に葉羽が現れた。
俺たちを怖がりつつも勇気を振り絞り前に出てきたんだろう。膝が僅かに震えているのが見えた。
俺はというと、何故かとっさに仲間の影に隠れていた。影に隠れて見る葉羽の姿はとてもカッコよく見えた。それと同時に自分のしていることが恥ずかしく思えてきた。
葉羽が俺達に言った、この一言で他のメンバー達が話し合い、次の日から葉羽がいじめの対象に変わっていた。俺は何も言えなかった。
俺はいじめられたくない。一人になりたくない。
こないだまでいじめられてた佐東も最初のうちは半ば強引にいじめに参加させられていた。佐東は当然嫌そうな顔をしていた。
こんなの悪いことだとは自分が一番分かっていた。
だけど教室内は、多数派が正しい。
クラスメイトも見てみぬふり。正しいのは俺たちなんだ。そう錯覚をしていた。
久しぶりに家に帰ってきても父親と母親は、浮気をしたとかしないとかで喧嘩をしている。家の物が宙を舞い、壁や床を傷つける。その傷はどんどんと増えていき、俺の心にも傷をつけていく。
もう何が正しくて間違ってるのかなんてことは、どうでもよくなっていたんだ。
こんなことを考えてしまう自分に嫌気が差していた。
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