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Shape of love
一人ぼっちの羊④
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『さぁ、この椅子に座って』
ピエロはそう言うと俺の目の前にある椅子を白手をした左手で指し示した。そして、俺はその黒い椅子に座った。
『まず。いまから君の歩んできた人生を振り返ってもらおうかな』
そう言うとピエロは俺の目に合わせて姿勢を下げる。そして俺の目をじっくりと見つめる。
そして俺の目の前をピエロの白い手袋をした右手が素早く通過した。すると何故だが俺の目が閉じた。
『さあ、君の今までの人生をふりかえろう』
そういってピエロが指をパチンと鳴らした。意識が朦朧とする中、確かにそう言うピエロの声が聞こえた。その後ピエロの鳴らしたパチンという音で完全に意識がなくなった。頭に大きな衝撃が走ってきたのだ。そして頭の中に映像が流れ始めた。
俺は映像とともに自分の人生を振り返った。
・議員の父親とその秘書との間に生まれる。
「あなた幸せになりましょうね。この子と」
「ああ、もちろんだよ」
・小学校に入学
「父さん野球しようよ!!キャッチボール。父さんと一緒にやりたくて、父さんが買ってくれたグローブまだ1回も使ってないんだ!!」
「父さん忙しいんだ今度な」
・中学校に入学
「はい、今日はこれで御飯食べてきなさい」
「父さん勉強教えてよ」
「また今度な」
「お前は俺の母校の高校に入るんだ」
・高校に入学
「お前も高校生になったんだ、俺に恥をかかせるな!!」
「お前、浮気してるだろ!!」
「あなたが悪いんでしょ!!」
「山田君、お父様によろしくね」
改めて思い返せば、俺はいつも親から見離されていた。そして、ついには先生や友達からも。
俺は本当は、葉羽の母親のような親が欲しかった。葉羽のことを愛し、葉羽のその母親のことを心から愛している。そんな関係をずっと求めていた。俺は葉羽に出会った頃からずっと葉羽が憧れだった。
俺は親に愛されたことなんてない。そんな記憶微塵も残っていない。
俺も葉羽みたいに………。
俺は決心がついた。
「ピエロ!!こんな糞みたいな人生やり直させてくれ!」
ピエロはその言葉を受け取ると、胸ポケットから折り畳まれた一枚の紙を取り出し、それを開くと人生リセマラについての説明を始めた。その説明を理解するには少し時間がかかった。
簡単に言うと、俺の人生4年をこのピエロに渡す代わりに、新しい人生が複数入った箱からくじのように一つ選べる。気に入った場合はその人生を歩め、気に入らなかった場合はまた4年払うことで再挑戦が出来るということだった。
『それじゃあ契約書にサインをしたまえ』
ピエロは何やら不敵な笑みを浮かべていた。
胸ポケットから出した契約書とやらに、さっきの羽ペンでサインをした。羽ペンはインクをつけなくても黒いインクが出ていた。
ピエロはなれない手つきで使い込まれた手帳をスーツのポケットから取り出すと、ページをパラパラとめくった。
『いつもは、アイツがいるからな……えーと……君の残り人生は…………60年』
そしてピエロは手帳を元の場所へしまった。すると右手の手の平を俺の胸の方へ突き出した。俺の心臓にチクッとした痛みが来た、すると、俺の心臓の当たりから白いモヤに覆われた球体のようなものが飛び出た。その白い球体はそのままピエロが突き出した右手へと収まり。ピエロはその白い球体を自分の口に押し込んだ。
その球体スルスルと溶けるようにピエロの口の中へと消えていった。俺はその一連の動作に驚いたが、さっき決めた決心が揺らぐことはなかった。
『さあ、この篋から一枚紙をとってくださいね』
中に手を入れると、篋の中は冷蔵庫のようにヒンヤリとしていて気持ちがよかった。さらに奥に手を入れ、篋の底まで手をやると、たくさんの紙が入っているのがわかった。
俺はその中から折り畳まれた紙を一枚だけとった。そしてそれをピエロに手渡した。
ピエロはその紙を開いて確認した。すると、また頭に衝撃が走った。そして映像が流れ始めた。
ピエロはそう言うと俺の目の前にある椅子を白手をした左手で指し示した。そして、俺はその黒い椅子に座った。
『まず。いまから君の歩んできた人生を振り返ってもらおうかな』
そう言うとピエロは俺の目に合わせて姿勢を下げる。そして俺の目をじっくりと見つめる。
そして俺の目の前をピエロの白い手袋をした右手が素早く通過した。すると何故だが俺の目が閉じた。
『さあ、君の今までの人生をふりかえろう』
そういってピエロが指をパチンと鳴らした。意識が朦朧とする中、確かにそう言うピエロの声が聞こえた。その後ピエロの鳴らしたパチンという音で完全に意識がなくなった。頭に大きな衝撃が走ってきたのだ。そして頭の中に映像が流れ始めた。
俺は映像とともに自分の人生を振り返った。
・議員の父親とその秘書との間に生まれる。
「あなた幸せになりましょうね。この子と」
「ああ、もちろんだよ」
・小学校に入学
「父さん野球しようよ!!キャッチボール。父さんと一緒にやりたくて、父さんが買ってくれたグローブまだ1回も使ってないんだ!!」
「父さん忙しいんだ今度な」
・中学校に入学
「はい、今日はこれで御飯食べてきなさい」
「父さん勉強教えてよ」
「また今度な」
「お前は俺の母校の高校に入るんだ」
・高校に入学
「お前も高校生になったんだ、俺に恥をかかせるな!!」
「お前、浮気してるだろ!!」
「あなたが悪いんでしょ!!」
「山田君、お父様によろしくね」
改めて思い返せば、俺はいつも親から見離されていた。そして、ついには先生や友達からも。
俺は本当は、葉羽の母親のような親が欲しかった。葉羽のことを愛し、葉羽のその母親のことを心から愛している。そんな関係をずっと求めていた。俺は葉羽に出会った頃からずっと葉羽が憧れだった。
俺は親に愛されたことなんてない。そんな記憶微塵も残っていない。
俺も葉羽みたいに………。
俺は決心がついた。
「ピエロ!!こんな糞みたいな人生やり直させてくれ!」
ピエロはその言葉を受け取ると、胸ポケットから折り畳まれた一枚の紙を取り出し、それを開くと人生リセマラについての説明を始めた。その説明を理解するには少し時間がかかった。
簡単に言うと、俺の人生4年をこのピエロに渡す代わりに、新しい人生が複数入った箱からくじのように一つ選べる。気に入った場合はその人生を歩め、気に入らなかった場合はまた4年払うことで再挑戦が出来るということだった。
『それじゃあ契約書にサインをしたまえ』
ピエロは何やら不敵な笑みを浮かべていた。
胸ポケットから出した契約書とやらに、さっきの羽ペンでサインをした。羽ペンはインクをつけなくても黒いインクが出ていた。
ピエロはなれない手つきで使い込まれた手帳をスーツのポケットから取り出すと、ページをパラパラとめくった。
『いつもは、アイツがいるからな……えーと……君の残り人生は…………60年』
そしてピエロは手帳を元の場所へしまった。すると右手の手の平を俺の胸の方へ突き出した。俺の心臓にチクッとした痛みが来た、すると、俺の心臓の当たりから白いモヤに覆われた球体のようなものが飛び出た。その白い球体はそのままピエロが突き出した右手へと収まり。ピエロはその白い球体を自分の口に押し込んだ。
その球体スルスルと溶けるようにピエロの口の中へと消えていった。俺はその一連の動作に驚いたが、さっき決めた決心が揺らぐことはなかった。
『さあ、この篋から一枚紙をとってくださいね』
中に手を入れると、篋の中は冷蔵庫のようにヒンヤリとしていて気持ちがよかった。さらに奥に手を入れ、篋の底まで手をやると、たくさんの紙が入っているのがわかった。
俺はその中から折り畳まれた紙を一枚だけとった。そしてそれをピエロに手渡した。
ピエロはその紙を開いて確認した。すると、また頭に衝撃が走った。そして映像が流れ始めた。
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