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Smile of sadness
無知の恐怖⑥
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『同意しやがったな!!☆6なんて本当はないんだよ!!アッハハハ』
恵比寿は嘲笑うように顔を真上に上げていた。
「そんなのズルいよ!!」
恵比須は博史の胸ぐらを掴んで言う。
『てめぇは、契約書に同意したんだよ!!ルールの④確認しやがれ!!!!』
恵比寿は顔を博史に近づけるだけ近づけて物凄い迫力でそう言い放った。
契約書に書かれているルールの④には、こうあった。
【④私と貴方の同意があればルール、手順、その他を変更できる。】
『残念ねぇ~あなたには契約書通りに元の人生に戻すわ。ここでの記憶は、消さないでおいて あ・げ・る!!せいぜいいつ死ぬか怖がりながら3日間過ごしなさい。アッハハハ!!!!』
博史は絶望し膝から崩れ落ちた。目から自然と涙がこぼれ落ちていた。
『1つ伝えとくわ。森君は生きてるわよ……』
恵比寿はそう言うと達成感を得たように穏やかな表情を見せていた。そして垣間見得る表情には後悔と失念の表情が見える。
「最初から嘘だっ……」
博史はそう言いかけたが、そこで博史の視界が一瞬でブラックアウトし気を失った。
そして、気づくと病院の目の前にいた。博史は放心状態だったが、恵比寿の言葉を信じてとりあえず病院の中へと向かった。
院内の看護師に森君の病室を聞き、部屋の目の前に着いた。
中に入ろうとドアに手をかけた時、森君の声がドアの置くから聞こえた。その時博史は安堵の表情が顔全体に溢れ出ていた。
「パパ、ママ、博史君は何にも悪くないからね。だから怒らないでね、僕は全然大丈夫だから」
博史は意を決してドアを開き、病室に入った。
「……森君本当にごめんね」
博史は涙目で森君に向かって頭を下げた。
「博史君!! 僕は大丈夫だよ」
頭に包帯を巻いた森は元気そうな声でそう言った。傍らにはお気に入りの帽子が置いてあった。
「あら……いらっしゃい博史君……でも今日は、遅いから帰りなさい。ご両親は?」
博史はその言葉を聞くと、首を横に振った。
「なら私が送ってくわ。貴方、剛をお願いね。行きましょ……」
「じゃあね!!博史君!!また月曜に学校で」
ベッドの上の森君はそう元気な声で博史を見送った。その隣にいた森君の父親の顔はどこか浮かない顔をしていた。
博史は森君の母親と病院を出た。そしてそのまま、博史は森君の母親と帰路についた。博史が恵比寿と出会った病院までの近道の路地へと入った。夜も遅かったためもう人の気配はなかった。
「――――ば」
そう呟き突然足を止めた。
「どうしたの森君ママ……」
「剛ね……手と足に麻痺が出てね。これからね、一生後遺症が残るみたいなの……」
そういった森君の母親は生気を失くした表情をしていた。そして見える表情は恵比寿がしていたものと同じ、怒りと悲しみに満ちたものだった。
「…………ごめんなさい」
博史はそう答えることしか出来なかった。目には計り知れない恐怖で涙が溢れてくる。
「……お前さえいなければ!!!!」
森君の母親はそう叫ぶと、半狂乱で突然持っていた鞄から大きなハサミを取り出した。そしてそのハサミで――――。
グサッグサッグサッ
切れかかった街灯に照らされたその光景は悲劇そのものだった。博史の血がコンクリートの地面に咲き乱れた。
森君の母親と博史は共に血の涙を流し泣いていた。
恵比寿は嘲笑うように顔を真上に上げていた。
「そんなのズルいよ!!」
恵比須は博史の胸ぐらを掴んで言う。
『てめぇは、契約書に同意したんだよ!!ルールの④確認しやがれ!!!!』
恵比寿は顔を博史に近づけるだけ近づけて物凄い迫力でそう言い放った。
契約書に書かれているルールの④には、こうあった。
【④私と貴方の同意があればルール、手順、その他を変更できる。】
『残念ねぇ~あなたには契約書通りに元の人生に戻すわ。ここでの記憶は、消さないでおいて あ・げ・る!!せいぜいいつ死ぬか怖がりながら3日間過ごしなさい。アッハハハ!!!!』
博史は絶望し膝から崩れ落ちた。目から自然と涙がこぼれ落ちていた。
『1つ伝えとくわ。森君は生きてるわよ……』
恵比寿はそう言うと達成感を得たように穏やかな表情を見せていた。そして垣間見得る表情には後悔と失念の表情が見える。
「最初から嘘だっ……」
博史はそう言いかけたが、そこで博史の視界が一瞬でブラックアウトし気を失った。
そして、気づくと病院の目の前にいた。博史は放心状態だったが、恵比寿の言葉を信じてとりあえず病院の中へと向かった。
院内の看護師に森君の病室を聞き、部屋の目の前に着いた。
中に入ろうとドアに手をかけた時、森君の声がドアの置くから聞こえた。その時博史は安堵の表情が顔全体に溢れ出ていた。
「パパ、ママ、博史君は何にも悪くないからね。だから怒らないでね、僕は全然大丈夫だから」
博史は意を決してドアを開き、病室に入った。
「……森君本当にごめんね」
博史は涙目で森君に向かって頭を下げた。
「博史君!! 僕は大丈夫だよ」
頭に包帯を巻いた森は元気そうな声でそう言った。傍らにはお気に入りの帽子が置いてあった。
「あら……いらっしゃい博史君……でも今日は、遅いから帰りなさい。ご両親は?」
博史はその言葉を聞くと、首を横に振った。
「なら私が送ってくわ。貴方、剛をお願いね。行きましょ……」
「じゃあね!!博史君!!また月曜に学校で」
ベッドの上の森君はそう元気な声で博史を見送った。その隣にいた森君の父親の顔はどこか浮かない顔をしていた。
博史は森君の母親と病院を出た。そしてそのまま、博史は森君の母親と帰路についた。博史が恵比寿と出会った病院までの近道の路地へと入った。夜も遅かったためもう人の気配はなかった。
「――――ば」
そう呟き突然足を止めた。
「どうしたの森君ママ……」
「剛ね……手と足に麻痺が出てね。これからね、一生後遺症が残るみたいなの……」
そういった森君の母親は生気を失くした表情をしていた。そして見える表情は恵比寿がしていたものと同じ、怒りと悲しみに満ちたものだった。
「…………ごめんなさい」
博史はそう答えることしか出来なかった。目には計り知れない恐怖で涙が溢れてくる。
「……お前さえいなければ!!!!」
森君の母親はそう叫ぶと、半狂乱で突然持っていた鞄から大きなハサミを取り出した。そしてそのハサミで――――。
グサッグサッグサッ
切れかかった街灯に照らされたその光景は悲劇そのものだった。博史の血がコンクリートの地面に咲き乱れた。
森君の母親と博史は共に血の涙を流し泣いていた。
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