架空世界っぽく響く名付け（ネーミング）を考える〜「それっぽく」ないと、私たちは世界や物語にうまく入りこめない〜

２．実践編！「それっぽく」名付けてみよう

作業３ 候補単語は、検索をかけてチェック（既出かぶり、実存単語でのおかしな意味etc.）

「それっぽい」単語をこしらえたら、ウェブ検索をかけましょう。

目的は、大きく言えば２つ。

１．既出かぶり（既に誰かが考えた単語でないか）

２．実存単語上で、おかしな意味があるものではないか


１は、解説不要ですね。
先人が考え出して、もうすでに使っていたら、やはり遠慮するのが人の道ってものでしょう。

「どうしても、気に入っているから」
と手放したくないのもわかりますが、やはりかぶりはいろいろデメリットがある。

メジャーな情報なら（商用化など）既にファンがついていてイメージが定着している、ということもあるでしょう。

属性までの「完全一致」ではなく、「名前だけが一致」とかズレていればいいのかもと、思いつつ……


①魔法大陸アーニャ

②ルフィの街

③キリト王

④大魔道師イェーガー

なんてキャラや地名を、何かの創作物で見かけたら、どういう反応します？！

「……まぁ……ある意味勇者かも……な。いや本気で知らないのかも……
んなことある？！あー……なんか、こっちが勝手に落ち着かない……」

あたりではないでしょうか。

まぁ、世の中には、既出でかなり有名な存在があるところに、堂っ々と被せて、自身の立ち位置を完全に世界に作り出す、という大きな仕事もあるにはあります。

「バルサ」（上橋菜穂子『守り人シリーズ』の主人公名）……スペインのサッカーチーム愛称名との後出しかぶり


「ロードス島」（グループSNE「ロードス島戦記シリーズ」の舞台名）……実在のギリシャ領の島との後出しかぶり。
『『ロードス島戦記』とその時代』という本によると、この小説版がブームを巻き起こした当時、塩野七生先生の著書『ロードス島攻防記』もあおりで売れて、塩野先生が驚いたんだそうです。


『BECK（ハロルド作石の漫画名）……ミュージシャンのBECKとの後出しかぶり。


あなたが真の勇者、『高ければ高い壁の方が　登った時気持ちいいもんな』という気概を持つ漢なら、
アーニャ大陸も、止めはしません。（『』内は、Mr.Childrenの「終わりなき旅」の歌詞からの引用）すっごく、あの黒いニヤケ顔が浮かぶ大陸ではありますがね……。



２は、実例で話しますね。

今書いている小説で、ある会社名に「ナウジア」という名前をこしらえて書きました。
上でも書きました、ミュージシャンBECKの同名曲からです。（一部いじるアドバイスを書いているのに、いじっていない奴！）

いまさら、Nausiaってどんな意味だろうと調べると……

「吐き気」

えええーっ！まじか。
でも、「実際の英語の意味と、作中の関わる人物とのイメージが妙に合うし、まぁいっか。」と、今回はそれでいっちゃいましたが……。

それも、実在することや意味をちゃんと分かっているのといないのとでは、やはり大違いかと思います。
「念のため検索してみる」、おすすめです。