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緑の書 第1章
6話 問題事は終わらない
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「身分証?なんのことだ」
ガリルは首を傾げる。
「あれ?そんなの忘れてたっけ?」
ココアはキョトンとした顔でそう言う。
元凶がなんでもう忘れてるのだろうか。
ただ、本当にに忘れているような感じがあり、怒る気も失せた。
「今なら戻っても間に合うか?」
「詳しいことは分からないが戻るならやめた方がいい。お前達がくる前に銃声がした。ココアは色々あったと言うが、戦ったんだろう? ココアはロギエじゃ有名人だからな。さっきの比じゃないくらい人がくるだろうよ」
「そうか…」
ココアに言っても意味がないと思いガリルに聞いたが無駄だった。
クソ、少しでも手掛かりがあれば過去に何があったか少しでもわかるのに…
ただ、今悔やんでも仕方がない。
ひとまず、ここがどこか知らないといけない。
俺に今足りないのは情報だ。
あの状況下でココアについてくしかなかったし、ここに着た時点で後戻りはできない。
それに、今の状況も整理しないといけないな。
変な夢を見て、目が覚めたと思ったら色々あって、おまけに自分のことも忘れてる。
「まぁ、過ぎたことは仕方ない。ココア、任務で疲れただろ、スノーのとこ行った後でライトのとこに行くといい」
「…了解だぜガリルおじさん!」
ガリルがココアにそう言うと、ココアはスキップしながらどこかに行った。
常に元気で何考えてるか分からないな。
「キリルって言ったか、お前さんは合わせたい人物がいる。いきなり来させられて状況が分かってないだろうし、ココアと一緒に疲れただろうが、これが終わったら休める。もう少しの辛抱だ」
「わかった」
俺が返答すると、ガリルはフロントの階段を登る。
そして、俺も後をつけるように登っていく。
この人はあの中じゃ明らかに歳上だもんな。
周囲の状況をすぐに察して行動している。
タバコ臭いことを抜けば、良い人なんだろうか。
「そういやお前さん歳はいくつだ?」
「17だ」
誕生日は知らないが、ココアが言ってることが間違っていなければ合ってるはずだ。
「まぁ、見たところ未成年だもんな。でも、あと1年あればタバコ吸えたな。興味はあるか?」
「いえ、身体に悪いので興味はないです」
「そうか、それは残念だ。吸えたら楽しかったんだがよ」
ガリルは残念そうに苦笑する。
ここまで来るまで吸ってたし、少し離れてもヤニの臭いがキツいからな。
相当ヘビースモーカーなんだろう。
「タバコ好きなんですね」
「あぁ、煙は俺のガールフレンドみたいなもんだからな。おっと、着いたぞ。あそこの扉だ」
4階まで登ると、上がってすぐの扉をガリルが指差す。
ここに合わせたい人物がいるのか。
俺を助けてまでここに連れてくるよう命令した人なのだろうか。
「悪いが俺はヤニ不足だから屋上に行ってくる。なんかあったら屋上に来てくれ、多分話し合いが終わっても屋上にいるだろうからよ」
そう言ってガリルは階段を登って行った。
そういやここは何階まであるんだろう。
フロントもそうだったが、あらゆるところが豪華だ。
この扉も装飾が細かいことから、高価な雰囲気を感じる。
果たして、合わせたい人はどんな人なんだろうか。
扉を開けると、まるで社長の部屋みたいな場所だった
分厚い本が並んだ本棚や人とガラスのテーブルとソファが置かれた会議をする為のようなスペース。
そして、1人で作業をする為のデスクとノートパソコン。
その後ろには、眼鏡をかけた黒髪のポニーテールの女性がいた。
綺麗に整えられたスーツ着た彼女は、俺の存在に気づき、カチャカチャとキーボードを鳴らしていた手を止める。
「あら、あなたがキリル・クローバーですか?」
「あぁ、そうだ」
「初めまして、私はこの組織の副リーダーを勤めているモネ・リアスと言います」
モネと名乗る人物は表情を一切変えず、機械音声の棒読みのような声で名乗る。
まるで感情がないかのように…
ガリルは首を傾げる。
「あれ?そんなの忘れてたっけ?」
ココアはキョトンとした顔でそう言う。
元凶がなんでもう忘れてるのだろうか。
ただ、本当にに忘れているような感じがあり、怒る気も失せた。
「今なら戻っても間に合うか?」
「詳しいことは分からないが戻るならやめた方がいい。お前達がくる前に銃声がした。ココアは色々あったと言うが、戦ったんだろう? ココアはロギエじゃ有名人だからな。さっきの比じゃないくらい人がくるだろうよ」
「そうか…」
ココアに言っても意味がないと思いガリルに聞いたが無駄だった。
クソ、少しでも手掛かりがあれば過去に何があったか少しでもわかるのに…
ただ、今悔やんでも仕方がない。
ひとまず、ここがどこか知らないといけない。
俺に今足りないのは情報だ。
あの状況下でココアについてくしかなかったし、ここに着た時点で後戻りはできない。
それに、今の状況も整理しないといけないな。
変な夢を見て、目が覚めたと思ったら色々あって、おまけに自分のことも忘れてる。
「まぁ、過ぎたことは仕方ない。ココア、任務で疲れただろ、スノーのとこ行った後でライトのとこに行くといい」
「…了解だぜガリルおじさん!」
ガリルがココアにそう言うと、ココアはスキップしながらどこかに行った。
常に元気で何考えてるか分からないな。
「キリルって言ったか、お前さんは合わせたい人物がいる。いきなり来させられて状況が分かってないだろうし、ココアと一緒に疲れただろうが、これが終わったら休める。もう少しの辛抱だ」
「わかった」
俺が返答すると、ガリルはフロントの階段を登る。
そして、俺も後をつけるように登っていく。
この人はあの中じゃ明らかに歳上だもんな。
周囲の状況をすぐに察して行動している。
タバコ臭いことを抜けば、良い人なんだろうか。
「そういやお前さん歳はいくつだ?」
「17だ」
誕生日は知らないが、ココアが言ってることが間違っていなければ合ってるはずだ。
「まぁ、見たところ未成年だもんな。でも、あと1年あればタバコ吸えたな。興味はあるか?」
「いえ、身体に悪いので興味はないです」
「そうか、それは残念だ。吸えたら楽しかったんだがよ」
ガリルは残念そうに苦笑する。
ここまで来るまで吸ってたし、少し離れてもヤニの臭いがキツいからな。
相当ヘビースモーカーなんだろう。
「タバコ好きなんですね」
「あぁ、煙は俺のガールフレンドみたいなもんだからな。おっと、着いたぞ。あそこの扉だ」
4階まで登ると、上がってすぐの扉をガリルが指差す。
ここに合わせたい人物がいるのか。
俺を助けてまでここに連れてくるよう命令した人なのだろうか。
「悪いが俺はヤニ不足だから屋上に行ってくる。なんかあったら屋上に来てくれ、多分話し合いが終わっても屋上にいるだろうからよ」
そう言ってガリルは階段を登って行った。
そういやここは何階まであるんだろう。
フロントもそうだったが、あらゆるところが豪華だ。
この扉も装飾が細かいことから、高価な雰囲気を感じる。
果たして、合わせたい人はどんな人なんだろうか。
扉を開けると、まるで社長の部屋みたいな場所だった
分厚い本が並んだ本棚や人とガラスのテーブルとソファが置かれた会議をする為のようなスペース。
そして、1人で作業をする為のデスクとノートパソコン。
その後ろには、眼鏡をかけた黒髪のポニーテールの女性がいた。
綺麗に整えられたスーツ着た彼女は、俺の存在に気づき、カチャカチャとキーボードを鳴らしていた手を止める。
「あら、あなたがキリル・クローバーですか?」
「あぁ、そうだ」
「初めまして、私はこの組織の副リーダーを勤めているモネ・リアスと言います」
モネと名乗る人物は表情を一切変えず、機械音声の棒読みのような声で名乗る。
まるで感情がないかのように…
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