1 / 1
飛べないのは何故か。
しおりを挟む
真っ暗な細道。
周りを見渡すと、入ったらすぐに迷子になりそうな森がある。
目の前には1本の真っ直ぐな道が永遠と続いている。
とある1人の女の子は、その1本の道を孤独に歩いていた。
周りは相変わらず暗く、足も疲れてきた。
そろそろ休息が必要だろうか。
そんな時だった。
目の前に大きな何かが立っている。
それは扉だ。自分よりも何倍もの高さを持っているその扉は、まるで彼女の進路を妨げるように、でかでかと待ち構えている。
(邪魔だなぁ)
そう感じた彼女は、扉を開けようと、自分の全体重を掛けてこじ開けようとするが、扉が開かない。
進めない。
先に進めない。
彼女は焦りを感じて、再び扉を押し込む。
時には引いてみるがピクリとも動かない。
彼女は泣きそうになりながらも、諦めずに扉を押し続ける。
しかし、その扉が彼女に答えることはなかった。
そんな時、後ろから1人の青年が声をかけてくる。
「大丈夫か?開かねーのか?」
彼女は慌てて後ろを向く。
そこには自分よりも背丈が大きい男の子が立っていた。
ポケットに手を突っ込み、表情からもあまりやる気は感じられない。
そんな雰囲気を感じた。
しかし、彼女自身は彼女以外と会えたことに、嬉しさを感じていた。
「うん。開かないの!押しても引いてもね、動かない……」
「……ふーん」
青年は背中を指さす。
「あんたさ、背中に立派な翼があんのに……なんで飛んでかないの?」
「"あんた"じゃない!私はミーちゃんって言うの!」
「……ごめんごめん。ミーちゃんね。そんで……どうして?」
ミーちゃんは下を向いてボソッと言う。
「ミーちゃん。使い方分かんない。翼で飛ぶ方法、知らない」
「……そっか」
青年は前の扉を見上げてながらそう返事をした。
「君は?」
ミーちゃんは青年に尋ねる。
青年はほんの少し頬み「俺に名前は無いよ。君みたいに翼も持ってない」と答える。
「なんで?」
ミーちゃんは再び尋ねる。
「知らない」
青年は短く答える。
「とりあえず、この扉開けねーとな」
青年がそう言うと、青年は自分の胸に手を突っ込む。その手は胸の中へと貫通し、その胸から、"1本の鍵"を取り出した。
「わぁ!すごい。なにそれ!!」
ミーちゃんは目を輝かせて、青年に近づいた。
青年は顔を顰める。
「何って、これぐらい誰でもできるだろ」
「出来ないよぉ!私、やったことないもん!!」
青年は呆れたような表情をした後、扉にゆっくり近づいてその鍵を鍵穴に差し込む。
しかし、その鍵で扉が開くことはなかった。
「……まじかよ」
「開かないぃ?」
青年は頭を搔く。そして、ミーちゃんの方を見つめる。
「鍵……差し込んでみてくれない?」
青年はそう言ったが、ミーちゃんには鍵を取り出す方法を知らない。
「で、出来ないよぉ」
「大丈夫だって。ほら」
青年はミーちゃんの手を優しく握りしめる。
その手は暖かく、何故か安心する。
「自分を信じて。ほら、大丈夫。俺もそばにいるしさ」
青年は優しく言うと、ミーちゃんの手を離して自分の胸に指を指す。
ミーちゃんは少しの緊張感を感じながらも、唾を飲み込んで、勇気を振り絞った、
自分の胸に手を当てると、青年の時とは違って、ミーちゃんの胸は大きく光り輝いた。
「うわぁ!」
ミーちゃんは慌てて、その場にへたり込む。
しかし、そんなミーちゃんの反応と違って、青年は目を大きく開いてその場に立ち尽くしている。
「す、すげぇ……」
青年は後ろを指さす。
ミーちゃんが後ろを振り向くと、視界に入ったのは自身の翼が大きく広がっているものでした。
「わ、わぁ!なにこれ!初めて!」
ミーちゃんは目を輝かせて、自分の翼を見つめる。
その翼は光を放ち、雪のように真っ白で美しかった。
試しに、羽ばたいてみる。
ものすごい、風の強さを体が感じる。
「お、おい。待ってくれ、俺も連れてってくれ」
青年は手を伸ばす。
ミーちゃんも青年の手を取る。
そして、2人は扉を開けずに、空へと旅立ち先へ向かったのだった。
もう周りは暗くなんて無かった。
もう2人には、道なんて無かった。
---
ねぇねぇ。
ん?何?
君は何で翼が無いの?
知らないよ。生まれた時から無いさ。
でも、君が持つべきだったよね。
なんで?
だってさぁ……うふふ。だってぇ。
な、なんだよ。気味悪いな。
「君がいなかったら、多分飛べなかったもん」
「……そうかもな」
周りを見渡すと、入ったらすぐに迷子になりそうな森がある。
目の前には1本の真っ直ぐな道が永遠と続いている。
とある1人の女の子は、その1本の道を孤独に歩いていた。
周りは相変わらず暗く、足も疲れてきた。
そろそろ休息が必要だろうか。
そんな時だった。
目の前に大きな何かが立っている。
それは扉だ。自分よりも何倍もの高さを持っているその扉は、まるで彼女の進路を妨げるように、でかでかと待ち構えている。
(邪魔だなぁ)
そう感じた彼女は、扉を開けようと、自分の全体重を掛けてこじ開けようとするが、扉が開かない。
進めない。
先に進めない。
彼女は焦りを感じて、再び扉を押し込む。
時には引いてみるがピクリとも動かない。
彼女は泣きそうになりながらも、諦めずに扉を押し続ける。
しかし、その扉が彼女に答えることはなかった。
そんな時、後ろから1人の青年が声をかけてくる。
「大丈夫か?開かねーのか?」
彼女は慌てて後ろを向く。
そこには自分よりも背丈が大きい男の子が立っていた。
ポケットに手を突っ込み、表情からもあまりやる気は感じられない。
そんな雰囲気を感じた。
しかし、彼女自身は彼女以外と会えたことに、嬉しさを感じていた。
「うん。開かないの!押しても引いてもね、動かない……」
「……ふーん」
青年は背中を指さす。
「あんたさ、背中に立派な翼があんのに……なんで飛んでかないの?」
「"あんた"じゃない!私はミーちゃんって言うの!」
「……ごめんごめん。ミーちゃんね。そんで……どうして?」
ミーちゃんは下を向いてボソッと言う。
「ミーちゃん。使い方分かんない。翼で飛ぶ方法、知らない」
「……そっか」
青年は前の扉を見上げてながらそう返事をした。
「君は?」
ミーちゃんは青年に尋ねる。
青年はほんの少し頬み「俺に名前は無いよ。君みたいに翼も持ってない」と答える。
「なんで?」
ミーちゃんは再び尋ねる。
「知らない」
青年は短く答える。
「とりあえず、この扉開けねーとな」
青年がそう言うと、青年は自分の胸に手を突っ込む。その手は胸の中へと貫通し、その胸から、"1本の鍵"を取り出した。
「わぁ!すごい。なにそれ!!」
ミーちゃんは目を輝かせて、青年に近づいた。
青年は顔を顰める。
「何って、これぐらい誰でもできるだろ」
「出来ないよぉ!私、やったことないもん!!」
青年は呆れたような表情をした後、扉にゆっくり近づいてその鍵を鍵穴に差し込む。
しかし、その鍵で扉が開くことはなかった。
「……まじかよ」
「開かないぃ?」
青年は頭を搔く。そして、ミーちゃんの方を見つめる。
「鍵……差し込んでみてくれない?」
青年はそう言ったが、ミーちゃんには鍵を取り出す方法を知らない。
「で、出来ないよぉ」
「大丈夫だって。ほら」
青年はミーちゃんの手を優しく握りしめる。
その手は暖かく、何故か安心する。
「自分を信じて。ほら、大丈夫。俺もそばにいるしさ」
青年は優しく言うと、ミーちゃんの手を離して自分の胸に指を指す。
ミーちゃんは少しの緊張感を感じながらも、唾を飲み込んで、勇気を振り絞った、
自分の胸に手を当てると、青年の時とは違って、ミーちゃんの胸は大きく光り輝いた。
「うわぁ!」
ミーちゃんは慌てて、その場にへたり込む。
しかし、そんなミーちゃんの反応と違って、青年は目を大きく開いてその場に立ち尽くしている。
「す、すげぇ……」
青年は後ろを指さす。
ミーちゃんが後ろを振り向くと、視界に入ったのは自身の翼が大きく広がっているものでした。
「わ、わぁ!なにこれ!初めて!」
ミーちゃんは目を輝かせて、自分の翼を見つめる。
その翼は光を放ち、雪のように真っ白で美しかった。
試しに、羽ばたいてみる。
ものすごい、風の強さを体が感じる。
「お、おい。待ってくれ、俺も連れてってくれ」
青年は手を伸ばす。
ミーちゃんも青年の手を取る。
そして、2人は扉を開けずに、空へと旅立ち先へ向かったのだった。
もう周りは暗くなんて無かった。
もう2人には、道なんて無かった。
---
ねぇねぇ。
ん?何?
君は何で翼が無いの?
知らないよ。生まれた時から無いさ。
でも、君が持つべきだったよね。
なんで?
だってさぁ……うふふ。だってぇ。
な、なんだよ。気味悪いな。
「君がいなかったら、多分飛べなかったもん」
「……そうかもな」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
婚約破棄から50年後
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。
そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる