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第4章
第63話
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「サラさんはまだ戻らないんですか?!」
コルマールの一角に建つ、ルークが創設したクラン、ユートピアの拠点の受付でルティは声を張り上げていた。
クーデターの一件で、父が頻繁にコルマールとオスローを行き来していたが、ルティは渋る父にせがみ、コルマールへの旅に同行していた。
その都度、サラ達も加入した新設のクラン、ユートピアの拠点に入り浸っていたのだが、今回の訪問では、お目当てのサラが不在でご機嫌斜めである。
受付嬢は困り顔で、サラ達はいつ戻るか予定も未定で、行先もクランのマスターであるルークは知っているだろうが、末端の受付嬢である自分は知らないと、ここ数日繰り返した内容を、再び説明していた。
「それならルークさんを出してください。直接、何処に行ったか聞きますから」
マスターであるルークは相手の身分などお構いなしに、自分自身の価値観で、相手にする価値があるかどうか決め、それに従った言動をするが、一般市民の受付嬢にとっては、ルティはれっきとした貴族の令嬢である。
無下に対応するわけにもいかず、また、丁寧に説明しても、マスターを出せと言い張って聞かず、貴族も怖いがマスターの方がもっと怖い受付嬢にとっては、まさに永遠と続く出口のない地獄の時間であった。
「ふむ。ルティ殿。もはや、この受付嬢と押問答しても埒が明かないですな。不本意ですが、ここは我々が直接マスター室に向かい、引き籠って顔も出さない臆病者に、立場というものを分からせてやるのはいかがですかな?」
と声を出したのは、今回の旅でルティの護衛を務めることとなった、公国の騎士、ジュダールだ。
今回のルティのコルマール訪問は、これまでと異なり、父の公務に同行したものではない。
コルマールの正式な領主は決まっていないものの、基本的な手続きは一通り終え、ルティの父もしばらくの間はコルマールへ出向く必要もなくなった。
しかし、何かと理由を付けてコルマールへ出向きたかったルティは、創作品のアイデアを集めるため、というなんとも分からない理由を作り、期間は未定で旅に出ることを了承させた。
実際は、妻を亡くしてから長らく一人やもめだったルティの父が、コルマールで出会った女性に一目ぼれして、先日嫁にもらい、新婚生活を謳歌したいという目論見があった。
それを事前に見越して、この提案をしたルティもなかなかの策士だが、ルティ自身も、妙に甘ったるい香油の匂いが鼻につく女性の近くに居るのが嫌だった。
双方の利害が一致し、貴族の令嬢たるルティが旅に出ることを許されたわけだが、さすがに年頃の娘を一人で旅に出すほど、ルティの父は能天気ではなく、お目付け役兼護衛として、ジュダールを傍に置くことにしたのだ。
私兵を持つことを許されないため、護衛として初めに思いつくのは金で雇うことのできる冒険者だが、素性も分からない男を、娘の旅の同行者にするわけにもいかず、大公にお願いして、公国の騎士を借りたのだった。
さて、この公国の騎士ジュダールだが、30歳を迎えようとするくらいの年齢で、口の上に二本の髭を生やした、不遜な顔つきが特徴の中肉中背の男である。
公国の騎士の中でも特に優秀な者のみで構成されると言われている、公国近衛兵の一員で、爵位を持つものが多い中で、一般人としてのし上がった人物だ。
それゆえ、自分の実力を高く評価しており、また、日々好き勝手して暮らしている堕落者だと、冒険者のことを下に見ていた。
先程の発言は本人には全く悪気はないなのだが、自分達のマスターを馬鹿にされたクランのメンバー達は、今にも殴り掛かりそうな姿勢でジュダールを睨みつけていた。
「俺がどうしたって?」
元々それを見ていたのか、それとも偶然通り掛かったのか定かではないが、クランのマスター、ルークが階段の角を曲がり、姿を現した。
「ルークさん! サラさんはどこに行ったんですか? せっかくこのクランに来れば会えると思ったのに、旅に出るなんて、私聞いてません!」
「ああ? 聞いてないってことは、言う必要がない相手だったって事だろうが。どうでもいいが、俺のクランの中で騒ぐな」
「な! なんて失礼なんですか! そんなことはありません。きっと急な用事が出来たんですよ。毎回私が来た時は楽しそうにしてくれていましたもの」
「ルティ殿。こやつがここのマスターですかな? ふん。要は一国の主を殺害した犯罪者ですな。そのような者の話を真に受けてはなりませぬぞ」
面と向かっての暴言に、クランのメンバー達の怒りは頂点に達した。
その場にいた冒険者達は皆、得物を手にして立ち上がる。
「む? なんですかな? まさか私を相手にしようなどという愚かな考えを持ったのではあるまいな? よろしい。公国近衛兵、大公の剣として名高い私ジュダールが御相手いたそう」
そう言うとジュダールは腰に差していた剣の柄に手を置いた。
「おい」
息がかかるかという至近距離から、ルークの声が聞こえ、ジュダールはぎょっとして目線を上げた。
先程まで少なくとも数歩は離れた場所に立っていたはずのルークが、目の前に立ち、その片手はジュダールの柄を持つ手の上に置かれている。
「言葉だけなら馬鹿で済ますが、それ以上は冗談にはならんぞ。ここは俺のクランだ。その剣を少しでも抜いたらどうなるのか分かっているんだろうな?」
「くっ。何を・・・」
ジュダールは必死に剣を引き抜こうと試みるが、まるで手の上を壁に阻まれているかのように、少しも動かすことが出来なかった。
ルークはいつ火を付けたのか、空いている手に持つ香草を巻いた物の煙を、わざとらしくジュダール吹き付ける。
「いいか? 近衛兵だかなんだか知らんが、相手はよく見てその口を開け。分かったらとっとと出ていくんだな」
そう言うとルークはジュダールの手の上からその手を離し、手を目線の高さに上げ、指先を前後にぶらつかせる動作をした。
ジュダールはやっと自由になった右手を振り上げたものの、思い留まったのか、直ぐにそれを下げ、踵を返しクランの拠点の出口へと歩いていった。
2人のやり取りを呆然と眺めていたルティだが、慌てた様子でジュダール後に続いた。
そこへまるでこれから舞踏会にでも参加するのか、という格好をした少女の見た目をしたエルフの女性、ララが入ってくる。
ララはルティに気付くと、手を振り、にこやかな笑顔でこう伝えた。
「やっほー。ルティちゃん。久しぶりだね? 残念だけど、サラちゃん達は今ドワーフの国に出掛けてるよ」
コルマールの一角に建つ、ルークが創設したクラン、ユートピアの拠点の受付でルティは声を張り上げていた。
クーデターの一件で、父が頻繁にコルマールとオスローを行き来していたが、ルティは渋る父にせがみ、コルマールへの旅に同行していた。
その都度、サラ達も加入した新設のクラン、ユートピアの拠点に入り浸っていたのだが、今回の訪問では、お目当てのサラが不在でご機嫌斜めである。
受付嬢は困り顔で、サラ達はいつ戻るか予定も未定で、行先もクランのマスターであるルークは知っているだろうが、末端の受付嬢である自分は知らないと、ここ数日繰り返した内容を、再び説明していた。
「それならルークさんを出してください。直接、何処に行ったか聞きますから」
マスターであるルークは相手の身分などお構いなしに、自分自身の価値観で、相手にする価値があるかどうか決め、それに従った言動をするが、一般市民の受付嬢にとっては、ルティはれっきとした貴族の令嬢である。
無下に対応するわけにもいかず、また、丁寧に説明しても、マスターを出せと言い張って聞かず、貴族も怖いがマスターの方がもっと怖い受付嬢にとっては、まさに永遠と続く出口のない地獄の時間であった。
「ふむ。ルティ殿。もはや、この受付嬢と押問答しても埒が明かないですな。不本意ですが、ここは我々が直接マスター室に向かい、引き籠って顔も出さない臆病者に、立場というものを分からせてやるのはいかがですかな?」
と声を出したのは、今回の旅でルティの護衛を務めることとなった、公国の騎士、ジュダールだ。
今回のルティのコルマール訪問は、これまでと異なり、父の公務に同行したものではない。
コルマールの正式な領主は決まっていないものの、基本的な手続きは一通り終え、ルティの父もしばらくの間はコルマールへ出向く必要もなくなった。
しかし、何かと理由を付けてコルマールへ出向きたかったルティは、創作品のアイデアを集めるため、というなんとも分からない理由を作り、期間は未定で旅に出ることを了承させた。
実際は、妻を亡くしてから長らく一人やもめだったルティの父が、コルマールで出会った女性に一目ぼれして、先日嫁にもらい、新婚生活を謳歌したいという目論見があった。
それを事前に見越して、この提案をしたルティもなかなかの策士だが、ルティ自身も、妙に甘ったるい香油の匂いが鼻につく女性の近くに居るのが嫌だった。
双方の利害が一致し、貴族の令嬢たるルティが旅に出ることを許されたわけだが、さすがに年頃の娘を一人で旅に出すほど、ルティの父は能天気ではなく、お目付け役兼護衛として、ジュダールを傍に置くことにしたのだ。
私兵を持つことを許されないため、護衛として初めに思いつくのは金で雇うことのできる冒険者だが、素性も分からない男を、娘の旅の同行者にするわけにもいかず、大公にお願いして、公国の騎士を借りたのだった。
さて、この公国の騎士ジュダールだが、30歳を迎えようとするくらいの年齢で、口の上に二本の髭を生やした、不遜な顔つきが特徴の中肉中背の男である。
公国の騎士の中でも特に優秀な者のみで構成されると言われている、公国近衛兵の一員で、爵位を持つものが多い中で、一般人としてのし上がった人物だ。
それゆえ、自分の実力を高く評価しており、また、日々好き勝手して暮らしている堕落者だと、冒険者のことを下に見ていた。
先程の発言は本人には全く悪気はないなのだが、自分達のマスターを馬鹿にされたクランのメンバー達は、今にも殴り掛かりそうな姿勢でジュダールを睨みつけていた。
「俺がどうしたって?」
元々それを見ていたのか、それとも偶然通り掛かったのか定かではないが、クランのマスター、ルークが階段の角を曲がり、姿を現した。
「ルークさん! サラさんはどこに行ったんですか? せっかくこのクランに来れば会えると思ったのに、旅に出るなんて、私聞いてません!」
「ああ? 聞いてないってことは、言う必要がない相手だったって事だろうが。どうでもいいが、俺のクランの中で騒ぐな」
「な! なんて失礼なんですか! そんなことはありません。きっと急な用事が出来たんですよ。毎回私が来た時は楽しそうにしてくれていましたもの」
「ルティ殿。こやつがここのマスターですかな? ふん。要は一国の主を殺害した犯罪者ですな。そのような者の話を真に受けてはなりませぬぞ」
面と向かっての暴言に、クランのメンバー達の怒りは頂点に達した。
その場にいた冒険者達は皆、得物を手にして立ち上がる。
「む? なんですかな? まさか私を相手にしようなどという愚かな考えを持ったのではあるまいな? よろしい。公国近衛兵、大公の剣として名高い私ジュダールが御相手いたそう」
そう言うとジュダールは腰に差していた剣の柄に手を置いた。
「おい」
息がかかるかという至近距離から、ルークの声が聞こえ、ジュダールはぎょっとして目線を上げた。
先程まで少なくとも数歩は離れた場所に立っていたはずのルークが、目の前に立ち、その片手はジュダールの柄を持つ手の上に置かれている。
「言葉だけなら馬鹿で済ますが、それ以上は冗談にはならんぞ。ここは俺のクランだ。その剣を少しでも抜いたらどうなるのか分かっているんだろうな?」
「くっ。何を・・・」
ジュダールは必死に剣を引き抜こうと試みるが、まるで手の上を壁に阻まれているかのように、少しも動かすことが出来なかった。
ルークはいつ火を付けたのか、空いている手に持つ香草を巻いた物の煙を、わざとらしくジュダール吹き付ける。
「いいか? 近衛兵だかなんだか知らんが、相手はよく見てその口を開け。分かったらとっとと出ていくんだな」
そう言うとルークはジュダールの手の上からその手を離し、手を目線の高さに上げ、指先を前後にぶらつかせる動作をした。
ジュダールはやっと自由になった右手を振り上げたものの、思い留まったのか、直ぐにそれを下げ、踵を返しクランの拠点の出口へと歩いていった。
2人のやり取りを呆然と眺めていたルティだが、慌てた様子でジュダール後に続いた。
そこへまるでこれから舞踏会にでも参加するのか、という格好をした少女の見た目をしたエルフの女性、ララが入ってくる。
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