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第5章
第118話
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突如姿を現したジェスターは中に浮かびながら、辺りを見渡す。
「おや? 今回も賑やかですが、また違う人と一緒なんですねぇ。節操のない、と言うんでしたっけ? こういうの」
フードに隠れ相変わらず表情はわからないが、小馬鹿にしたような口振りでジェスターはカインに向かって言い放つ。
その言葉を受けるカインはジェスターの出現により、再びその身を襲う激痛に苛まれその場にうずくまっている。
「さて……と、正直、ここまで来ると皆さんのことを賞賛したい気持ちでいっぱいですよ。いや、皮肉ではありませんよ? 本心です」
そう言いながらジェスターは両手を顔の高さまで持ち上げ何度も大仰に打ち付けた。
まるでなめし革を張った筒でも打つように澄んだ音が辺りにこだました。
動けずにいるカインを見下ろすのに満足したのか、ジェスターは目的の物を持つゼロとその上にまたがるサラへと身体を向ける。
ゼロは威嚇の唸り声を上げ、サラも両手に持つ短剣の握りを確認し臨戦態勢にいる。
「そんなに身構えなくてもいいじゃないですか。なに、もうお分かりと思いますが、あなた達がそれを持っていても宝の持ち腐れなんですよ。いい子ですから渡してください」
「だれがあんたなんかに!!」
ジェスターの言葉にサラは持っている短剣の切っ先を向けた。
そこでサラは初めて気付いたのだが、先ほどまでは真っ白だった短剣はいつの間にか青白く輝いていた。
「うん? まさか!? 何故それをあなたが持っているのです!」
終始穏やかだったジェスターの口調が突如変化した。
今までは余裕が見られ相手を侮ったような印象の口調が、怒りと焦りが入り交じったような色を持つ。
サラは初めなんのことだか分からずに突然豹変したジェスターの態度に面をくらったが、手に持った短剣の事を指しているのだと理解し、より一層警戒を強めた。
少なくともジェスターはこの短剣を知っている様子だ、敵に今唯一の武器まで奪われないようにとサラは身構えた。
「それが本来の色に戻っているとは……しかも龍の色まで。あなた、それを使いこなしていますね? あっはっはっはっは! まさか! これが運命と言うものですか!! ならばその運命、受け入れましょう!!」
ジェスターが右手を大きく横に振った。
ゼロは危険を察知しジェスターより上空へと駆け上がる。
ジェスターとゼロの元いた場所を繋ぐ延長線上の海面が突如切り裂かれる。
以前カインが失明する原因となった不可視の刃だった。
ゼロは自身の最大の攻撃力を持つ風の玉をジェスターに向け放った。
ジェスターは事も無げに手を振るうと、ゼロの放った風の玉はまるで空間を削られたように消え失せた。
「そんな下等な魔物の技が私に聞くと思っているんですか? 格の違いと言うのを見せてあげましょう」
ジェスターは広げた右手を前に突きだしゼロに向けると、その手を握りしめた。
瞬間ゼロが居た空間が歪み圧縮され爆ぜた。
ゼロはジェスターが一連の動作を終える前に全速力でその場を離れたが、発生した衝撃波に襲われ片羽を負傷し落下する。
なんとか海面へ叩きつけられる前に体制を整え、海面すれすれの位置で停止した。
グリフォンは魔力によって飛ぶため羽は飛行に必須の器官では無いが、飛行の補助の役割はになっているため今までのように自由に飛べない。
不可視の攻撃も厄介だが、何より問題なのはここが足場のない海上である事と、先のリヴァイアサンとの先頭で殆どの者が満身創痍だという事だ。
サラはリヴァイアサンの背びれを大人しく手渡せば、以前のようになんとか生き延びれるか、とまで考えていた。
「喰らいなさい!!」
ソフィの声と同時にジェスターの目の前に巨大な竜巻が発生した。
海上に出来た竜巻は海水を巻き上げながらジェスターへと進む。
完全に虚をつかれたのか、ジェスターは荒れ狂う風の刃にその身を呑まれて行く。
しかし次の瞬間にはその竜巻も消え失せ怒りを顕にしたジェスターが姿を現した。
その姿にその場にいた全員が驚きの表情を見せる。
傷こそ与えられなかったようだが、今の攻撃でジェスターの着ていたローブは千切れ、今まで見ることの出来なかった素顔が晒されていた。
少年のような声とは裏腹に、ジェスターの顔は幾重にも刻まれたシワで埋め尽くされていた。
その肌は玄く、鼻筋や鼻頭が無くぽっかりと空いた鼻孔と黒一色の眼球は爬虫類を思わせる。
「小娘がっ! 下らないことをしおって!!」
ジェスターは再び魔力を使い果たしうずくまるソフィに向かって吼えると、姿を消す。
次に現れたのはソフィのすぐ目の前だった。
「余計な事をされるのは好きではないんですよ。まぁ、呪うのなら、知らずともあいつに関わってしまった自分を呪うんですね」
アオイがジェスターに向かって愛刀を振るうが、生じた衝撃に打ち据えられ、吹き飛ばされる。
ジェスターはソフィの首を掴むと軽々と持ち上げた。
苦しさに呻き声を上げるソフィに目線を合わせると目をすぼめ顔を歪める。
「ソフィーー!!」
サラは安定しない飛行をするゼロをソフィの元へと急がせたが、明らかに間に合わない。
ジェスターは空いた左手をおもむろに振り上げた。
「おや? 今回も賑やかですが、また違う人と一緒なんですねぇ。節操のない、と言うんでしたっけ? こういうの」
フードに隠れ相変わらず表情はわからないが、小馬鹿にしたような口振りでジェスターはカインに向かって言い放つ。
その言葉を受けるカインはジェスターの出現により、再びその身を襲う激痛に苛まれその場にうずくまっている。
「さて……と、正直、ここまで来ると皆さんのことを賞賛したい気持ちでいっぱいですよ。いや、皮肉ではありませんよ? 本心です」
そう言いながらジェスターは両手を顔の高さまで持ち上げ何度も大仰に打ち付けた。
まるでなめし革を張った筒でも打つように澄んだ音が辺りにこだました。
動けずにいるカインを見下ろすのに満足したのか、ジェスターは目的の物を持つゼロとその上にまたがるサラへと身体を向ける。
ゼロは威嚇の唸り声を上げ、サラも両手に持つ短剣の握りを確認し臨戦態勢にいる。
「そんなに身構えなくてもいいじゃないですか。なに、もうお分かりと思いますが、あなた達がそれを持っていても宝の持ち腐れなんですよ。いい子ですから渡してください」
「だれがあんたなんかに!!」
ジェスターの言葉にサラは持っている短剣の切っ先を向けた。
そこでサラは初めて気付いたのだが、先ほどまでは真っ白だった短剣はいつの間にか青白く輝いていた。
「うん? まさか!? 何故それをあなたが持っているのです!」
終始穏やかだったジェスターの口調が突如変化した。
今までは余裕が見られ相手を侮ったような印象の口調が、怒りと焦りが入り交じったような色を持つ。
サラは初めなんのことだか分からずに突然豹変したジェスターの態度に面をくらったが、手に持った短剣の事を指しているのだと理解し、より一層警戒を強めた。
少なくともジェスターはこの短剣を知っている様子だ、敵に今唯一の武器まで奪われないようにとサラは身構えた。
「それが本来の色に戻っているとは……しかも龍の色まで。あなた、それを使いこなしていますね? あっはっはっはっは! まさか! これが運命と言うものですか!! ならばその運命、受け入れましょう!!」
ジェスターが右手を大きく横に振った。
ゼロは危険を察知しジェスターより上空へと駆け上がる。
ジェスターとゼロの元いた場所を繋ぐ延長線上の海面が突如切り裂かれる。
以前カインが失明する原因となった不可視の刃だった。
ゼロは自身の最大の攻撃力を持つ風の玉をジェスターに向け放った。
ジェスターは事も無げに手を振るうと、ゼロの放った風の玉はまるで空間を削られたように消え失せた。
「そんな下等な魔物の技が私に聞くと思っているんですか? 格の違いと言うのを見せてあげましょう」
ジェスターは広げた右手を前に突きだしゼロに向けると、その手を握りしめた。
瞬間ゼロが居た空間が歪み圧縮され爆ぜた。
ゼロはジェスターが一連の動作を終える前に全速力でその場を離れたが、発生した衝撃波に襲われ片羽を負傷し落下する。
なんとか海面へ叩きつけられる前に体制を整え、海面すれすれの位置で停止した。
グリフォンは魔力によって飛ぶため羽は飛行に必須の器官では無いが、飛行の補助の役割はになっているため今までのように自由に飛べない。
不可視の攻撃も厄介だが、何より問題なのはここが足場のない海上である事と、先のリヴァイアサンとの先頭で殆どの者が満身創痍だという事だ。
サラはリヴァイアサンの背びれを大人しく手渡せば、以前のようになんとか生き延びれるか、とまで考えていた。
「喰らいなさい!!」
ソフィの声と同時にジェスターの目の前に巨大な竜巻が発生した。
海上に出来た竜巻は海水を巻き上げながらジェスターへと進む。
完全に虚をつかれたのか、ジェスターは荒れ狂う風の刃にその身を呑まれて行く。
しかし次の瞬間にはその竜巻も消え失せ怒りを顕にしたジェスターが姿を現した。
その姿にその場にいた全員が驚きの表情を見せる。
傷こそ与えられなかったようだが、今の攻撃でジェスターの着ていたローブは千切れ、今まで見ることの出来なかった素顔が晒されていた。
少年のような声とは裏腹に、ジェスターの顔は幾重にも刻まれたシワで埋め尽くされていた。
その肌は玄く、鼻筋や鼻頭が無くぽっかりと空いた鼻孔と黒一色の眼球は爬虫類を思わせる。
「小娘がっ! 下らないことをしおって!!」
ジェスターは再び魔力を使い果たしうずくまるソフィに向かって吼えると、姿を消す。
次に現れたのはソフィのすぐ目の前だった。
「余計な事をされるのは好きではないんですよ。まぁ、呪うのなら、知らずともあいつに関わってしまった自分を呪うんですね」
アオイがジェスターに向かって愛刀を振るうが、生じた衝撃に打ち据えられ、吹き飛ばされる。
ジェスターはソフィの首を掴むと軽々と持ち上げた。
苦しさに呻き声を上げるソフィに目線を合わせると目をすぼめ顔を歪める。
「ソフィーー!!」
サラは安定しない飛行をするゼロをソフィの元へと急がせたが、明らかに間に合わない。
ジェスターは空いた左手をおもむろに振り上げた。
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