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【スキルの確認をしましょう】
第三話【鏡、ハンターになる】
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多少迷子になりながらも優しい優しいメイドさんなどの協力のおかげで無事城を脱出することに成功する。
外に出てみるとそこにはヨーロッパって感じの街並みが広がっていた。
前に世界史の資料集で見た産業革命時代のイギリスの街並みに似てるかな。
全く石炭とか使われてないから空気は非常に澄んでるけど。
街に出たら気になる場所が沢山あるが、まずは王様情報によると『ハンターギルド』という場所に行くべきらしい。
俺がイメージする冒険者とこの世界のハンターは似たようなものだと話を聞いていて思った。
ただ少し違うとすればハンターの方がより何を目的とした冒険をするかがはっきり分かれるらしい。
話だけでは分からない部分もあるのでまずは向かってみよう。
さぁ、ギルドに着き中に入ってみたんだけど、ここ人多すぎない?
軽く100人くらい居そうなんだけども。
ギルド自体の大きさは高校の体育館よりちょっと大きいくらいかな?
ちょうど形も長方形みたい。横長な感じも本当に体育館っぽく感じる。
中に入ると正面にはいかにもクエストカウンター!って感じの机が並べられて、それぞれに可愛い受付嬢が座って仕事をしている。
右を見ると小さいブースのようなものが2つあった。左にも同じようなものが2つ。
多分このブースみたいなのが王様が言ってたハンターギルド内の組合なんだろう。
組合というのは「遺跡」「魔物」「採取」「賞金首」の4種類あり、この中からひとつを選んで入らなければならない。
そして入った組合でクエストを探し受注し、終わったら大きいクエストカウンターの方へ行き、完了したことを報告するということだ。
しかし別に他の組合のクエストが受けれない訳ではなく、ちゃんとその組合のブースに行けば普通に受けれる。
ではこの組合何の意味があるのかと言うと、自分が選んだ組合のクエストを完了させ、報告した時に報酬にボーナスが出る。
つまりよく受けるだろう種類の組合に入っておけばやる度にお小遣い感覚でプラスのお金が手に入るということ。
ちなみにボーナスはどんな組合、どんなクエストでも一律報酬金の5%が加算。
少なそうだけどこの5%とかいう数字は日本の消費税のせいでどれだけ強いかは分かってる。
問題はどの組合を選ぶかということなんだけど…
採取は最初はいいかもしれないけどレベルが上がった時に旨みが少ないクエストとかが多そうだからなぁ。
魔物は結構低レベルから高レベルまで安定してそう。
遺跡は1番ギャンブル感が高いな。
遺跡調査して、出てきた発掘物をその都度売るという特殊なハンターらしい。
賞金首はその名の通り、逃げ続けている犯罪者を捕まえたり殺したりする仕事だ。
ちなみにもちろん俺は人なんて殺したこと無いわけなんだが、あんないつ人に刺されるのか分からなかった世界で生きていたので、実は覚悟は日本の時から決めている。殺されそうになったり、殺らなければならないならためらうことは無い。
てか俺ってこの世界来てまだ2時間とか3時間なのに大分染まってんな。
まぁこの世界楽しいからいいけど。
組合の話に戻る。
この中からなら俺は魔物を選ぶかな。
やっぱ安定した収入ってのは誰でも憧れるものなのだよ。
早速俺は登録するためにメインのクエストカウンターへ向かう。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件でしょうか?」
「えっと、ハンター登録したいんですけど…」
素晴らしい営業スマイルで迎えてくれた受付嬢に向かい要件を伝える。
「はい、わかりました。それではこの水晶に手をかざしてください。」
そして机の下から水晶を取り出す。
なんかこんな雑にしていいものなのか心配になるが何も知らない俺が口を出すことはできないので知らないふりをする。
そして言われた通りに水晶に手をかざす。
すると水晶に俺の名前とスキル名が現れた。
受付嬢は浮かび上がったその文字列を紙に丁寧に書き写していく。
ちなみによく分からないけど文字と言葉は普通に通じる。翻訳されてるって感じじゃなく、ここでの言葉が日本語であるかのように自然に使えるんだよね。とてもありがたい。
書く時も何も気にせずいつも通りで大丈夫っぽい。
このお姉さんが書いてる文字も問題なく読める。
俺の名前を書き、続いてスキルを書き始める。
勇者ということで少しは驚くかなって思ったけど全くそんなこともなく、彼女は書き終えてしまった。
そしてその紙を丁寧にクリアファイルのようなものにしまう。正直当たり前のようにそれを出した時は俺も驚いた。
後でどこで作られてるとか聞いておこう。
紙をファイルにしまった後はおもむろに机の引き出しを開けて、赤褐色をした薄いプレートを取り出し、水晶の上にかざす。
すると水晶から文字が浮かび上がり、どんどんプレートにその文字が刻まれていく。
なんか今初めてしっかりファンタジーを感じた。
文字の放出が終わると、受付嬢は俺にそのプレートを手渡してくる。
「こちらがタチバナ様のハンタープレートになります。
ゴア王国の全ての街で使用することができ、身分証明にも使うことが可能です。
書かれているのは本来ハンターランクとお名前だけで、スキルはこちらには刻まれていないのでご安心ください。
ちなみに初回はこちらの作成代金はかかりませんが、2度目からは1万メロ必要になりますので注意してくださいね。」
なるほど身分証明にも使えるんだね。
というかなんかサラッと1万メロとか言われてるけど、メロというのはこの世界のお金の単位。
この世界の貨幣はすべて電子マネーみたいな感じになっていて、クエスト報酬などはすべてこのハンタープレートに入っているらしい。
ではこれを取ればいいじゃんと思ったあなた!
まだまだ甘い。
先程文字が浮かび上がっていた時に、水晶から俺のスキル情報がプレートに入るこんでいる。
たとえ誰かが同じスキルを持っていようと、名前とスキルの組み合わせの波長が合わない相手では使えないので取られても安心(?)なんだ。
ちなみにハンターギルドに入らない人でも、住民票のようなものにメロを入れることができるようで、それを使って普通に買い物ができる。
そういう所だけはひどく現代的だなと思った。
お金の話はもういいが、受付嬢の話を聞いていて少し疑問に思ったところがあった。
「ハンターランクって何ですか?」
「ハンターランクは本来クエストを受けることでどんどん上がっていくものなのですが、初回発行の際に、どのランクから始めるかのテストを受けていただくんです。もちろん戦闘訓練ですよ?魔物ハンターなら。」
当たり前ですよね?というすごいプレッシャーをかけてくる笑顔を直視できない。
俺は今から誰かと戦うことになるのか。
こんな状況で勝てるとは思わないけど、さてどうしようかな。
外に出てみるとそこにはヨーロッパって感じの街並みが広がっていた。
前に世界史の資料集で見た産業革命時代のイギリスの街並みに似てるかな。
全く石炭とか使われてないから空気は非常に澄んでるけど。
街に出たら気になる場所が沢山あるが、まずは王様情報によると『ハンターギルド』という場所に行くべきらしい。
俺がイメージする冒険者とこの世界のハンターは似たようなものだと話を聞いていて思った。
ただ少し違うとすればハンターの方がより何を目的とした冒険をするかがはっきり分かれるらしい。
話だけでは分からない部分もあるのでまずは向かってみよう。
さぁ、ギルドに着き中に入ってみたんだけど、ここ人多すぎない?
軽く100人くらい居そうなんだけども。
ギルド自体の大きさは高校の体育館よりちょっと大きいくらいかな?
ちょうど形も長方形みたい。横長な感じも本当に体育館っぽく感じる。
中に入ると正面にはいかにもクエストカウンター!って感じの机が並べられて、それぞれに可愛い受付嬢が座って仕事をしている。
右を見ると小さいブースのようなものが2つあった。左にも同じようなものが2つ。
多分このブースみたいなのが王様が言ってたハンターギルド内の組合なんだろう。
組合というのは「遺跡」「魔物」「採取」「賞金首」の4種類あり、この中からひとつを選んで入らなければならない。
そして入った組合でクエストを探し受注し、終わったら大きいクエストカウンターの方へ行き、完了したことを報告するということだ。
しかし別に他の組合のクエストが受けれない訳ではなく、ちゃんとその組合のブースに行けば普通に受けれる。
ではこの組合何の意味があるのかと言うと、自分が選んだ組合のクエストを完了させ、報告した時に報酬にボーナスが出る。
つまりよく受けるだろう種類の組合に入っておけばやる度にお小遣い感覚でプラスのお金が手に入るということ。
ちなみにボーナスはどんな組合、どんなクエストでも一律報酬金の5%が加算。
少なそうだけどこの5%とかいう数字は日本の消費税のせいでどれだけ強いかは分かってる。
問題はどの組合を選ぶかということなんだけど…
採取は最初はいいかもしれないけどレベルが上がった時に旨みが少ないクエストとかが多そうだからなぁ。
魔物は結構低レベルから高レベルまで安定してそう。
遺跡は1番ギャンブル感が高いな。
遺跡調査して、出てきた発掘物をその都度売るという特殊なハンターらしい。
賞金首はその名の通り、逃げ続けている犯罪者を捕まえたり殺したりする仕事だ。
ちなみにもちろん俺は人なんて殺したこと無いわけなんだが、あんないつ人に刺されるのか分からなかった世界で生きていたので、実は覚悟は日本の時から決めている。殺されそうになったり、殺らなければならないならためらうことは無い。
てか俺ってこの世界来てまだ2時間とか3時間なのに大分染まってんな。
まぁこの世界楽しいからいいけど。
組合の話に戻る。
この中からなら俺は魔物を選ぶかな。
やっぱ安定した収入ってのは誰でも憧れるものなのだよ。
早速俺は登録するためにメインのクエストカウンターへ向かう。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件でしょうか?」
「えっと、ハンター登録したいんですけど…」
素晴らしい営業スマイルで迎えてくれた受付嬢に向かい要件を伝える。
「はい、わかりました。それではこの水晶に手をかざしてください。」
そして机の下から水晶を取り出す。
なんかこんな雑にしていいものなのか心配になるが何も知らない俺が口を出すことはできないので知らないふりをする。
そして言われた通りに水晶に手をかざす。
すると水晶に俺の名前とスキル名が現れた。
受付嬢は浮かび上がったその文字列を紙に丁寧に書き写していく。
ちなみによく分からないけど文字と言葉は普通に通じる。翻訳されてるって感じじゃなく、ここでの言葉が日本語であるかのように自然に使えるんだよね。とてもありがたい。
書く時も何も気にせずいつも通りで大丈夫っぽい。
このお姉さんが書いてる文字も問題なく読める。
俺の名前を書き、続いてスキルを書き始める。
勇者ということで少しは驚くかなって思ったけど全くそんなこともなく、彼女は書き終えてしまった。
そしてその紙を丁寧にクリアファイルのようなものにしまう。正直当たり前のようにそれを出した時は俺も驚いた。
後でどこで作られてるとか聞いておこう。
紙をファイルにしまった後はおもむろに机の引き出しを開けて、赤褐色をした薄いプレートを取り出し、水晶の上にかざす。
すると水晶から文字が浮かび上がり、どんどんプレートにその文字が刻まれていく。
なんか今初めてしっかりファンタジーを感じた。
文字の放出が終わると、受付嬢は俺にそのプレートを手渡してくる。
「こちらがタチバナ様のハンタープレートになります。
ゴア王国の全ての街で使用することができ、身分証明にも使うことが可能です。
書かれているのは本来ハンターランクとお名前だけで、スキルはこちらには刻まれていないのでご安心ください。
ちなみに初回はこちらの作成代金はかかりませんが、2度目からは1万メロ必要になりますので注意してくださいね。」
なるほど身分証明にも使えるんだね。
というかなんかサラッと1万メロとか言われてるけど、メロというのはこの世界のお金の単位。
この世界の貨幣はすべて電子マネーみたいな感じになっていて、クエスト報酬などはすべてこのハンタープレートに入っているらしい。
ではこれを取ればいいじゃんと思ったあなた!
まだまだ甘い。
先程文字が浮かび上がっていた時に、水晶から俺のスキル情報がプレートに入るこんでいる。
たとえ誰かが同じスキルを持っていようと、名前とスキルの組み合わせの波長が合わない相手では使えないので取られても安心(?)なんだ。
ちなみにハンターギルドに入らない人でも、住民票のようなものにメロを入れることができるようで、それを使って普通に買い物ができる。
そういう所だけはひどく現代的だなと思った。
お金の話はもういいが、受付嬢の話を聞いていて少し疑問に思ったところがあった。
「ハンターランクって何ですか?」
「ハンターランクは本来クエストを受けることでどんどん上がっていくものなのですが、初回発行の際に、どのランクから始めるかのテストを受けていただくんです。もちろん戦闘訓練ですよ?魔物ハンターなら。」
当たり前ですよね?というすごいプレッシャーをかけてくる笑顔を直視できない。
俺は今から誰かと戦うことになるのか。
こんな状況で勝てるとは思わないけど、さてどうしようかな。
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