全ての勇者の中で1番弱い鏡の勇者になってしまったので、見返すために魔王にでもなろうと思います。

七鳳

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【スキルの確認をしましょう】

第五話【鏡、鍛冶屋と出会う】

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戦闘終了後、俺はまたギルドに戻ってきていた。
ちなみにロイは、「まだまだ俺には鍛錬が必要だ」と言って修練所で鍛錬を続けている。
あれ以上強くなられても困るんだけどね。


今でさえロイは武器防具なし、右手のみで戦っていたのに俺の方が危なかった。
俺と一緒に転移してきた蓮とか慎介とかが協力して戦ったとしても多分圧倒的にロイが勝つ。
ただ勇者のスキルを持つものは成長の速度も異常とかあの王様は言っていたので時間が経てば分からないけどな。


ルミアさんがプレートを俺に渡してくれる。
今回の戦いで俺のランクはCランクからのスタートになった。
1番上がAなのでかなり上からのスタート。
ほとんど武器と防具の力な訳なんだけど、いいのかなこれ。
ま、まぁ、俺に力が付けばさらに強くなるから多分大丈夫だよね!


「ところで、さっきの剣と盾ってなんなんですか?タチバナさん。」


ルミアさんが首をかしげて聞いてくる。


「実は僕も分からないんです。ある人からの貰い物で…。」

「そうなんですか…こんなものくれるなんて凄い人ですね。もしその剣や盾の詳しい情報が知ってみたいのであれば、鍛冶屋に行ってみてはいかがですか?」


「鍛冶屋?」


「はい、そうです。このギルドを出た通りを左に進んでいくと、『ロノウェ商店』という店があるはずです。その商店の右隣にある店なのですが…」


「その鍛冶屋何か問題でもあるんですか?」


ルミアさんが少し言葉に詰まったため心配になる。
もしかしたら凄い怖い人でいきなり、「実力を試す。」とか言って斬りかかってくるとか?
それとも実はナイスバディの女の人で俺の精神的な意味で問題が発生するかもしれないとかかな。


「その…気にしてるんです。そこの鍛冶屋の店主さんは。」


「何を気にしているんです?強さとかですか?」


強さを気にするタイプの人なら俺なんかが行ったら一瞬で追い出されるだろう。


「いえ、力も気にする人ではあるんですが…。とりあえず私の口からはその人が気にしてるということだけお伝えしておきます。」



なんだかよく分からないが、その人は気にしてるんだろう。何かを。
出来るだけその何かには触れないようにしよう。


俺はプレートを受け取り、ギルドを出て鍛冶屋へ向かう。













五分ほど歩いてきた。
もっと時間がかかるかと思っていたが意外とすぐ近くでよかった。
目の前には『ロノウェ商店』がある。
ここまでつけばもう鍛冶屋は目と鼻の先。
だが、鍛冶屋より先に少しこの商店を見ていこうと思う。
俺は全くお金は持ってないんだが、どんな商品があるのか興味があった。
早速扉を開けて店の中に入ってみる。



「いらっしゃいませ~!」


若い男が笑顔で出迎えてくれた。
店の中は清潔感のある白い床、そして元の世界の道の駅みたいな感じで商品が沢山台に並べられている。
扉のすぐ近くにあったのは瓶に入った緑色の液体。
商品名を確認してみたら「下位ポーション(弱)」と書かれていたので、ポーションの中でも下位のもので、さらにその中でも1番下のランクなんだろう。
しかし台に並んでいるのはもう五本くらい。
台の大きさ的に30本くらいは並んでてもいいと思うので、恐らく売れたんだろうね。


その横に並んでいるのは見た目は先ほどと一緒だが、『下位ポーション(強)』
こちらは値段は高いが効果が高いんだろう。
10本ほどしか残っていないので、これもまた人気商品なんだろう。


その後俺はこの街の特産物の『ゴアリンゴ』の試食や、見た目以上にものが沢山入るバッグなどを見て回った。


ゴアリンゴはこのゴア大陸の中でもこの街の近くでしか栽培することの出来ないリンゴ。
しかも7種類の色を持つリンゴなんだ。


赤いゴアリンゴは見た目のまんま、みずみずしいりんごの味。
黄色はレモンのようにさわやかな酸味がりんごの食感で楽しめる。
その他にも紫だったらブドウ味、オレンジ色ならみかんの味などがりんごの食感で楽しめる。


結構癖になったのでお金を稼ぐことが出来るようになったら丸々一個買って食べて、色んな調理をしてみよう。


見た目よりたくさんものが入るバッグは『スペースポーチ』という名前のようで、【空間魔法付与】というレアなスキルを持って生まれた人物の作品らしい。
一度付与された魔法はスキルの法則により、その効力を失うことは無い。
だから【空間魔法付与】をもつ人物が生まれたら生まれるだけどんどんこういう商品は増えていくらしい。


ただやはり少し値段は高く、2万メロ。


ギルドカードを紛失した際の罰金が1万メロ。
これ実は結構高くて、Cランク冒険者の1週間の平均報酬らしい。
これから俺が1週間頑張ってクエストしたとしても2週間後にしか買えないんだぜこのバッグ。


そっと手を離した。













商店の男の人に、次来た時は買い物させてもらうと伝え店を出た。


さぁいよいよ本題の鍛冶屋だ。


重い扉を開ける。


そしてその店で出迎えてくれたのは…猫耳を持ったゴツイおっさんだった。






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