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第二十四章
第三話
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長い話でごめん。でもね、まだこの話には続きがあるんだ。でね、それから私がどう思ったかって言うと、今までと変わらなかった。どうしようって。これも私のせいだって、思ってた。変だよね。あいつが悪いのに。そんなことを言う方が悪いじゃんね。でもね、そう思ってた。……三國が百川千花と話しているところを見るまではね。
智香はポケットの中に入っているスマホを触った。
あの子が、三國を見る時の眼差しで私はすぐにわかった。この子は三國に好意を持ってる。好意だけじゃなくて、それ以上の関係を望んでいることもね。
でも始め、私はそれを見ても何も思わなかった。三國とはもう関わりたくなかったから、どうでもいいと思い込もうとしたの。でも、その後、偶然今日みたいにあいつらが二人でいるところを見かけて……。
智香は言葉を詰まらせた。唇をきつく結び、おでこに手を当て、ため息をつく。
ごめん。それを見た時、私の中で何かが切れた感覚があったの。もうどうでもいいやって。私の気持ちも、学校も、三國も、私も、どうでもいい。全部壊れてしまえばいいって思った。三國を殺して、自分も死ぬことも考えた。それはできっこないことだけど、思ったのね。
でね、そんな時だった。鬼平くん。私がぼんやりしていたせいで傘を忘れて、土砂降りにあった私に、あなたが傘を渡してくれたのは。
智香に見つめられ、鬼平はいたたまれなくなって目を逸らした。そうでなくても、あの日のことは鬼平にとってあまり思い出したくない日だった。
あなたには信じられないと思うけど、私はそれで少し持ち直したと思う。ううん。実際そうだった。私はあいつらのせいで学校を休むのは癪だったから、何とか登校して、どうしようか考えた。
それで、色々あって大変だったけど、だんだんと立ち直って来た私は、やっと自分が悪いって思わされていることに気付くことができた。
その後私は機会を待った。二人が会っているという確信を集めながら、あの二人が出会う瞬間、決定的な場面をね。で、ついにそれを捉えたってわけ。
智香はレコーダーをいじり、目の前に掲げた。
「私は何を言ってるのか何となく聞こえてたけど、どう? 聞いてみる?」
鬼平は今話された内容を整理することで頭がいっぱいだったが、頷くしかなかった。
「まあ、あんまり楽しくもないし、面白くもないかな。でもお礼……でもないけど、これで私のしたことが間違ってないってわかってくれたらいいかなって思って」
智香はレコーダーの再生ボタンを押した。始め、機械が動いてノイズが混じっていたが、すぐに二人の声が聞こえてくる。最初に声を出したのは、男の方だった。
「……さっき、鈴本さんがいたように見えたけど、何をしてたのかな?」
無音が続いた。しばらく経った後、女の声が聞こえてくる。
「……もう、まだあんなのを気にしてるの? あんなの別にどうってことないじゃん。今はさ、あの女のことは忘れてよ」
二人の声が小さくなり、聞き取れなくなった。しばらくして、微かに口づけを交わすような音が聞こえてくる。
「ねえ、今度さ……ねえ! ちょっと、まだ気にしてるの?」
「やっぱり気になる。彼女がもし……」
「大丈夫だって! あいつにそんな度胸なんてないんだから。それに証拠もないんでしょ? だったら、黙ってりゃいいじゃん。違いますって言えば、あの子は何もできないんだし」
「だけどもし、彼女が僕らの関係に気付いていたら……」
「いい加減にして! わかるわけないじゃん! あいつの話はもうしないで。ねえ、……もっと」
「……ああ」
再び声が聞こえなくなった。だが、微かに聞こえる甘えた声をレコーダーは捉えていた。鬼平は聞いてはいけないものを聞いているという意識があったが、――秘密を覗き見るというのは誰にも逆らえない欲求なのかもしれない――結局一言も漏らさないように聞き入ってしまっていた。
音声はここで終わった。智香はレコーダーを手に得意げに鬼平を見た。
「で、どうするべきだと思う? こいつらに目にもの見せてやる? それとも、それじゃ三國は死んじゃうのかな?」
智香は生き生きと、目を輝かせて言った。
智香はポケットの中に入っているスマホを触った。
あの子が、三國を見る時の眼差しで私はすぐにわかった。この子は三國に好意を持ってる。好意だけじゃなくて、それ以上の関係を望んでいることもね。
でも始め、私はそれを見ても何も思わなかった。三國とはもう関わりたくなかったから、どうでもいいと思い込もうとしたの。でも、その後、偶然今日みたいにあいつらが二人でいるところを見かけて……。
智香は言葉を詰まらせた。唇をきつく結び、おでこに手を当て、ため息をつく。
ごめん。それを見た時、私の中で何かが切れた感覚があったの。もうどうでもいいやって。私の気持ちも、学校も、三國も、私も、どうでもいい。全部壊れてしまえばいいって思った。三國を殺して、自分も死ぬことも考えた。それはできっこないことだけど、思ったのね。
でね、そんな時だった。鬼平くん。私がぼんやりしていたせいで傘を忘れて、土砂降りにあった私に、あなたが傘を渡してくれたのは。
智香に見つめられ、鬼平はいたたまれなくなって目を逸らした。そうでなくても、あの日のことは鬼平にとってあまり思い出したくない日だった。
あなたには信じられないと思うけど、私はそれで少し持ち直したと思う。ううん。実際そうだった。私はあいつらのせいで学校を休むのは癪だったから、何とか登校して、どうしようか考えた。
それで、色々あって大変だったけど、だんだんと立ち直って来た私は、やっと自分が悪いって思わされていることに気付くことができた。
その後私は機会を待った。二人が会っているという確信を集めながら、あの二人が出会う瞬間、決定的な場面をね。で、ついにそれを捉えたってわけ。
智香はレコーダーをいじり、目の前に掲げた。
「私は何を言ってるのか何となく聞こえてたけど、どう? 聞いてみる?」
鬼平は今話された内容を整理することで頭がいっぱいだったが、頷くしかなかった。
「まあ、あんまり楽しくもないし、面白くもないかな。でもお礼……でもないけど、これで私のしたことが間違ってないってわかってくれたらいいかなって思って」
智香はレコーダーの再生ボタンを押した。始め、機械が動いてノイズが混じっていたが、すぐに二人の声が聞こえてくる。最初に声を出したのは、男の方だった。
「……さっき、鈴本さんがいたように見えたけど、何をしてたのかな?」
無音が続いた。しばらく経った後、女の声が聞こえてくる。
「……もう、まだあんなのを気にしてるの? あんなの別にどうってことないじゃん。今はさ、あの女のことは忘れてよ」
二人の声が小さくなり、聞き取れなくなった。しばらくして、微かに口づけを交わすような音が聞こえてくる。
「ねえ、今度さ……ねえ! ちょっと、まだ気にしてるの?」
「やっぱり気になる。彼女がもし……」
「大丈夫だって! あいつにそんな度胸なんてないんだから。それに証拠もないんでしょ? だったら、黙ってりゃいいじゃん。違いますって言えば、あの子は何もできないんだし」
「だけどもし、彼女が僕らの関係に気付いていたら……」
「いい加減にして! わかるわけないじゃん! あいつの話はもうしないで。ねえ、……もっと」
「……ああ」
再び声が聞こえなくなった。だが、微かに聞こえる甘えた声をレコーダーは捉えていた。鬼平は聞いてはいけないものを聞いているという意識があったが、――秘密を覗き見るというのは誰にも逆らえない欲求なのかもしれない――結局一言も漏らさないように聞き入ってしまっていた。
音声はここで終わった。智香はレコーダーを手に得意げに鬼平を見た。
「で、どうするべきだと思う? こいつらに目にもの見せてやる? それとも、それじゃ三國は死んじゃうのかな?」
智香は生き生きと、目を輝かせて言った。
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