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チュートリアル

購入、キャラメイク!

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Another World ──。

異世界にようこそ、とか訳分からん宣伝文句でゲーマー達をざわめかせたVRMMOゲーム。
たったそれだけじゃ千台でも完売はしない。現にネット上では「ハズレ」「やらなくてもわかる」なんて言われていた。
だが、発売の三日前に公式サイトにゲームのシステムが紹介された。もっと早く出せよ!!とか思ったが今となっては有難みしか感じない。
その内容がこちら。

『 Another World システムのご紹介!

・このゲームは世界初である没入型VRゲームです。
そして、プレイヤーは何にでもなれますし、何でも出来ます。
人外プレイするも良し、勇者になるも良しです。

・プレイ中、プレイヤーの知覚は約6倍まで引き上げられます。向こうでの一日はこちらでの4時間だと思ってください。

・お金の単位はzゼルです。

・このゲームのステータス表記はこのようになります。

[
 Name:別世界の太郎

 Race:人間ヒューマン(M/ F)
 Level:10
 JBLevel:戦士Lv1

 STR:20
 VIT持久力:20
 INT知力:20
 MND精神力:20
 DEX器用:20
 AGL敏捷:20
 LUK幸運:5

 StsP:0
 SP:10

 SKILL:【剣術:lv2】【光魔術:lv3】【腕力:lv3】
]

例として太郎君のステータスを使いましたが、このような表記になります。

各項目の説明

Race─種族です。性別がある場合のみ種族名の後ろに性別が表示されます。

Level─レベルです。1上がる度にStsPステータスポイント6、SPスキルポイントが1貰えます。

JBLevel─ジョブレベルです。最初は初心者(Lv0)になります。レベル10から就職可能です。ですが、就職条件があります。(例:【剣術】スキル以上の所持。)
そして、1レベル上がる度にStsPが3、SPが1貰えます。一定レベル到達、条件達成で上位職への転職が可能になります。

STR─力です。物理系の攻撃力の素です。戦士にオススメです。

VIT─持久力です。物理系の防御力の素です。足が少し遅くなります。タンク職になりたいならこちら。

INT─知力です。魔術系の攻撃力の素です。魔術をぶっぱなしたい人オススメです。

MND─精神力です。魔術系の防御力の素です。デバフ等の抵抗力にも影響します。タンクはこれも必要です。

DEX─器用さです。遠距離系全般の物理ダメージ補正、命中補正がかかります。弓使いならほぼ極振りでしょう。

AGL─敏捷性です。足が速くなり、敵の攻撃を避けやすくなります。速さ次第でタックル等の威力は上がります。

LUK─運です。最大100で、StsPでは上げることが出来ません。装備や特別なアイテムで上げることが出来ます。主にレアドロップ率等の確率に+で補正が入ります。100なら9割レアドロップと思っていいでしょう。

StsP─ステータスポイントです。1につき1、各ステータスに割り振れます。

SP─スキルポイントです。スキルを習得するために使います。基本スキルは全て習得するために必要なポイントは1です。レベルアップ以外にもイベント報酬等で獲得出来ます。

SKILL─スキルです。基本的に最大レベル10です。最大レベルに到達すると報酬としてSPが2貰えます。
SPを消費しなくてもスキルを習得する方法はあります。
※ただし下位スキルに限る。

・人外キャラについて

人外キャラはその名の通り人外プレイを楽しむ人用です。
人型の人外も居ますが、大体は獣だったり骨だったりします。
例外はありますが基本的に街等には入れません。
ジョブもありません。
その代わり、レベルアップで貰えるStsP、SPにボーナスがつきます。
転職の変わりに進化があります。進化候補先はプレイヤーのスキル構成や戦闘データを基に表示されます。武闘家リッチなんてものも作れます。
進化時にステータスにボーナスが自動で割り振りされ、SPも多量に貰えます。

随時修正はあるかと思いますが、ゲーマーの皆さんが知りたい部分はこんなものかと思います。

発売まであと三日!よろしくお願いします!!





……とまあこんな感じだ。俺達が知りたい情報を最低限公表してくる運営…侮れないな。
だが、これを読んで直ぐに支度して店前で待機を三日間続けて一番最初に購入することが出来たのだ!!
その時たまたまPCを開いていた自分を褒め讃えたい。

「…と、起動準備完了っと。」

そして今、俺はゴーグル型のVR機器にソフトをインストールしてAnother World──AWの世界へ旅立とうとしている!!!

「トイレよし、飯よし、ベッドよし!さぁ、俺を満足させてみろ!!AW!!!」

リ○クスタート!!恥ずかしいから声には出さないけどね。
そして俺の意識は深く沈んでいった。






一瞬、浮遊感を感じて驚いて目を開く。
そこは、真っ白な空間。
突然の景色に困惑していると、正面に人型の何か──いや、自分とそっくりなマネキンが現れた。
そしてディスプレイが表示される。

『 プレイヤー名、アバターの外見を設定してください。 』

ここでキャラメイクをするのか、と一人納得して作業を始めた。

ふふふ…俺は名付けにめちゃくちゃ時間がかかるタイプだからな。予め考えておいたのさ!
外見は特にいじらなくてもいいな、いじりすぎて変になっても怖いし。
そう思い俺はアバターの髪の色を青、襟足側を灰にして、少し長い前髪を調整して、目の色を赤にした。

…結構いじっちゃってね??
いや、輪郭とかじゃないからまだ全然問題ない…俺の中では。

『 種族を選択してください。 』

人外プレイもしてみたいが、何でもありらしいしな、人間から人外に出来る読みで人間族っと。

『 StsPを60、SPを3獲得しました。ステータス割り振りとスキルを習得してください。 』

 …へぇ、凄いたくさん種類があるな。料理スキルなんかもあるのか、空腹値とか出てきそうじゃないか。
うーん、、、決めた!これとこれとこれにしよう!!
ステータスは…こんな感じでいいか。

大体これで全部の設定は終わったかな?

『 最後に──この世界はもう一つの現実だと思って下さい。プレイヤーではない人もNPCではなく一人の人間として接して下さい。そして、現実でも起こりうる事象はこちらの世界でも起こります。それを忘れずにプレイして下さい───。

  それでは、いってらっしゃいませ。アッシュ様。』

そして俺の意識はまた闇へと落ちた。
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