28 / 37
5 運命の番の特別な力
3 もうひとりのヒールオメガ
しおりを挟む
エリセイの顔色も険しくなる。
(書庫での一騎討ちの後、わたしの遺体を抱えながらニキータ殿下の手も引いて、相棒の馴鹿に乗せたそうだが)
無事帰城できたか、できても深夜の外出が露見して責め立てられていないか、最新状況がわからないのだ。
エリセイが急いた手つきで奥の扉を開ける。
寝室だ。燭台がかろうじて灯っている。
「坊っちゃん!」
紺色の絨毯の中央に、彫刻木の寝台があった。
その隅に、寝具と毛皮の小山ができている。
「……エリセイ?」
か細い声が聞こえた。ニキータが包まっているようだ。
「っ!」
エリセイが咄嗟に息を止める。
ニキータが芳香を発しているのだ。王城でレクスに会って以来、発作が続いているのか。
「あの方は、レクス殿は支障なくソコロフ城へ帰れたか?」
寝具の隙間から出てきたニキータは、上気してぐったりしているのに、一言目にレクスの安否を問う。
(運命の相手を「守りたい」という切望ゆえに、発作が重くなっているのかもしれない)
忠誠心で誘発発情を抑えたエリセイは、一定の距離を保ったまま答えた。
「レクス殿下に同じことを訊かれると思ったんでな、先にこっちへ来たんだ。大丈夫、これしきで膝を折るやつじゃない。彼の近衛騎士がそう言ってる」
ニキータの薄灰色の瞳が、こちらを捉える。
大柄なエリセイの陰になって、今まで見えていなかったらしい。大きく目を見開くや、寝具の奥に引っ込んでしまう。
「なぜ生きている? 彼が偽物でも間諜でもない確証はあるのか」
「あるある。裏切られたから斬ったんじゃないんだよ」
なかなか人を信用しない、とエリセイが評するだけあり、死んだはずの敵騎士がなぜ横にいるのか、書庫での言動の真意まで確認を怠らない。
エリセイは顛末をかいつまんで知らせた。
場を収めるために命を張ったこと、ヒールオメガの能力で癒したこと。
こちらの無謀をしれっと当て擦りもする。
「ふむ……きみはエリセイの運命の番だったんですね。毎回惚気られていたのでさもありなん。快復されてよかった」
ニキータは癒しの力に驚愕しきりだったものの、こちらがこのとおり健在なので、信じることにしたらしい。
(惚気? とにかく、そういうことにするしかない)
寝具の山から出てきてくれる。
それはよいのだが、エリセイは癒しのくだりをずいぶん大げさに話した。剣の柄で脇腹を突いておく。
「おまえさんはまたそういう顔でそういうことを……」
「どういう顔だって?」
その間にニキータは背筋を伸ばして座った。
黒い寝間着姿ながら、公子として少しでも体面を整えようとしているのが、同じオメガの自分にはわかる。
ゆえに「楽になさってください」とはあえて言わない。
「ふふ。王城書庫では『俺とスフェンは進展してないのに』と不機嫌だったろう、エリセイ」
「おっと、悔しがってたのばれたか」
「?」
ひとたび呑み込めば、ニキータの切り替えは早い。エリセイをからかいすらする。
エリセイもニキータの体調を量るみたいに乗るが、こちらはひとり置いてけぼりだ。
(進展していないのを、悔しがる?)
なぜなら、三日前の王城書庫でのエリセイの振る舞いはまるで。
「わたしはてっきり、慈しんできた公子殿下が他の男と番うのが面白くないのかと……」
戸惑いを表明すると、アナトリエ家の従兄弟ふたりはますます可笑しそうに笑った。
「エリセイは過保護ではありますが。レクス殿の人柄を知ってからは、『いい男を逃すな』と僕の手紙を幾度も添削したんですよ」
「そりゃそうだ。未来の王だぞ」
エリセイの緑眼に含みはない。
では――ニキータに叶わぬ想いを抱いていると、こちらが勘違いしたに過ぎないのか。
恋心で目が曇っていたと判明し、拍子抜けする。
「むしろ俺がいちばん頭にきたのは、おまえさんの最期の一言だ。小屋でも言ったが、俺が命を懸けて守りたいのも、運命だと思うのもスフェンなんだよ。背中を見せたときからそうだったんだ。のんびりしてた俺も俺だが、ちゃんと言ったからな。いいな」
そこに畳み掛けるかのごとく、念を押された。思い出したらしい怒りと後悔も添えて。
(思わせぶりな言動にとどめたのは、運命と思っていないからではなく、わたしの使命を尊重してくれていただけ? 小屋での治癒は、それを覆すほど必死だった……)
剣を正面から受け、「愛する主人を守り抜け」と使命を託した際の、エリセイの何とも言えない表情がよみがえる。
想いが伝わらないまま喪う絶望だったのか。
そう思うと、殊勝に頷くほかない。
「では、今は発作を制御しているんですね。僕も見習わねば」
ただし運命の番とは限らない。
感心されて気が咎めるし、胸が痛む。
ニキータはこちらの後ろめたさも知らず、真剣な顔で続けた。
「僕はオメガなので、玉座にはアルファであるレクス殿に即いてもらえたらと考えていました。その際アナトリエ派が不当に迫害されないかが気掛かりでしたが、手紙をやり取りした今は、あの御方ならアナトリエかソコロフかではなく、イスという国を導き豊かにしてくださると確信しています。伴侶として伴走できるなら本望というものです。僕もヒールオメガだとよいのですが」
高潔な言葉に、思わず跪礼する。
自分はエリセイと違って、公子たちの手紙の内容までは把握していない。王城でもニキータとゆっくり話す暇がなかったが、期せずして直接彼の意志を聞く機会を得られた。
「殿下以外の誰がヒールオメガに相応しいと言えましょう」
レクスが出会いからどんどん惹かれていったのが、よくわかる。
ニキータもまた、王の伴侶に相応しい。
何せエリセイが忠誠を誓った主人だ。
改めて、誇らしい気持ちで両公子の恋の成就に尽力できる。
(今は、御二人が運命の番であることの証明に集中しよう。さすれば、自分たちが運命の番かどうかの判断にもつながる)
「で、だ。今後の方針を固めるために、俺と別行動になったあと何があったか聞かせてくれ」
エリセイが話を進めた。
今度はニキータが説明役になる。
いわく、レクスが「王城で弔い戦を始めるつもりはない」と厳命し、エリセイを追わなかった。近衛騎士を喪った張本人の言葉にはルドルフも逆らえなかったようだ。
そして、ふたり連れ立って巡回隊のソリで帰城したという。
「レクス殿下は、王城を訪れたことをおおやけにされたのか……」
巡回隊のソリを使えば、迎えたソコロフ城の者にも、どこへ行っていたか一目瞭然だ。
他に帰りの足がなかったとはいえ、軽率な行動だとソコロフ派の面々に追及されていないか心配になる。
自分の不手際のせいで。
「若造も道連れにな。それによって若造は好きに単独行動できなくなった」
歯噛みしていたら、エリセイの大きな手に背中をさすられた。
レクスも考えがあってのことだと。
「確かにプナイネン公の二の矢はまだない。して、エリセイ」
ひととおり話し終えたニキータが、気高い公子の顔でエリセイを見る。
「きみが帰らないのは、何か企みがあるのだと思った。この数日の不在は僕の依頼ということにしてある。王城書庫で重要史料だと言っていた本も、巡回隊に頼んで我が城に持ってきておいた」
「本当か。助かる」
「きみの運命の番を癒し、情報収集も済ませて、これからどう出る?」
エリセイも、いつもの怠け者でなく、アナトリエ家で最も忠実な騎士として胸に手を当てた。
密かに見惚れたのも、束の間。
「聖堂で合議を開こう。議題は――ソコロフ家公子とアナトリエ家公子の密通について」
とんでもないことを言い出した。
(書庫での一騎討ちの後、わたしの遺体を抱えながらニキータ殿下の手も引いて、相棒の馴鹿に乗せたそうだが)
無事帰城できたか、できても深夜の外出が露見して責め立てられていないか、最新状況がわからないのだ。
エリセイが急いた手つきで奥の扉を開ける。
寝室だ。燭台がかろうじて灯っている。
「坊っちゃん!」
紺色の絨毯の中央に、彫刻木の寝台があった。
その隅に、寝具と毛皮の小山ができている。
「……エリセイ?」
か細い声が聞こえた。ニキータが包まっているようだ。
「っ!」
エリセイが咄嗟に息を止める。
ニキータが芳香を発しているのだ。王城でレクスに会って以来、発作が続いているのか。
「あの方は、レクス殿は支障なくソコロフ城へ帰れたか?」
寝具の隙間から出てきたニキータは、上気してぐったりしているのに、一言目にレクスの安否を問う。
(運命の相手を「守りたい」という切望ゆえに、発作が重くなっているのかもしれない)
忠誠心で誘発発情を抑えたエリセイは、一定の距離を保ったまま答えた。
「レクス殿下に同じことを訊かれると思ったんでな、先にこっちへ来たんだ。大丈夫、これしきで膝を折るやつじゃない。彼の近衛騎士がそう言ってる」
ニキータの薄灰色の瞳が、こちらを捉える。
大柄なエリセイの陰になって、今まで見えていなかったらしい。大きく目を見開くや、寝具の奥に引っ込んでしまう。
「なぜ生きている? 彼が偽物でも間諜でもない確証はあるのか」
「あるある。裏切られたから斬ったんじゃないんだよ」
なかなか人を信用しない、とエリセイが評するだけあり、死んだはずの敵騎士がなぜ横にいるのか、書庫での言動の真意まで確認を怠らない。
エリセイは顛末をかいつまんで知らせた。
場を収めるために命を張ったこと、ヒールオメガの能力で癒したこと。
こちらの無謀をしれっと当て擦りもする。
「ふむ……きみはエリセイの運命の番だったんですね。毎回惚気られていたのでさもありなん。快復されてよかった」
ニキータは癒しの力に驚愕しきりだったものの、こちらがこのとおり健在なので、信じることにしたらしい。
(惚気? とにかく、そういうことにするしかない)
寝具の山から出てきてくれる。
それはよいのだが、エリセイは癒しのくだりをずいぶん大げさに話した。剣の柄で脇腹を突いておく。
「おまえさんはまたそういう顔でそういうことを……」
「どういう顔だって?」
その間にニキータは背筋を伸ばして座った。
黒い寝間着姿ながら、公子として少しでも体面を整えようとしているのが、同じオメガの自分にはわかる。
ゆえに「楽になさってください」とはあえて言わない。
「ふふ。王城書庫では『俺とスフェンは進展してないのに』と不機嫌だったろう、エリセイ」
「おっと、悔しがってたのばれたか」
「?」
ひとたび呑み込めば、ニキータの切り替えは早い。エリセイをからかいすらする。
エリセイもニキータの体調を量るみたいに乗るが、こちらはひとり置いてけぼりだ。
(進展していないのを、悔しがる?)
なぜなら、三日前の王城書庫でのエリセイの振る舞いはまるで。
「わたしはてっきり、慈しんできた公子殿下が他の男と番うのが面白くないのかと……」
戸惑いを表明すると、アナトリエ家の従兄弟ふたりはますます可笑しそうに笑った。
「エリセイは過保護ではありますが。レクス殿の人柄を知ってからは、『いい男を逃すな』と僕の手紙を幾度も添削したんですよ」
「そりゃそうだ。未来の王だぞ」
エリセイの緑眼に含みはない。
では――ニキータに叶わぬ想いを抱いていると、こちらが勘違いしたに過ぎないのか。
恋心で目が曇っていたと判明し、拍子抜けする。
「むしろ俺がいちばん頭にきたのは、おまえさんの最期の一言だ。小屋でも言ったが、俺が命を懸けて守りたいのも、運命だと思うのもスフェンなんだよ。背中を見せたときからそうだったんだ。のんびりしてた俺も俺だが、ちゃんと言ったからな。いいな」
そこに畳み掛けるかのごとく、念を押された。思い出したらしい怒りと後悔も添えて。
(思わせぶりな言動にとどめたのは、運命と思っていないからではなく、わたしの使命を尊重してくれていただけ? 小屋での治癒は、それを覆すほど必死だった……)
剣を正面から受け、「愛する主人を守り抜け」と使命を託した際の、エリセイの何とも言えない表情がよみがえる。
想いが伝わらないまま喪う絶望だったのか。
そう思うと、殊勝に頷くほかない。
「では、今は発作を制御しているんですね。僕も見習わねば」
ただし運命の番とは限らない。
感心されて気が咎めるし、胸が痛む。
ニキータはこちらの後ろめたさも知らず、真剣な顔で続けた。
「僕はオメガなので、玉座にはアルファであるレクス殿に即いてもらえたらと考えていました。その際アナトリエ派が不当に迫害されないかが気掛かりでしたが、手紙をやり取りした今は、あの御方ならアナトリエかソコロフかではなく、イスという国を導き豊かにしてくださると確信しています。伴侶として伴走できるなら本望というものです。僕もヒールオメガだとよいのですが」
高潔な言葉に、思わず跪礼する。
自分はエリセイと違って、公子たちの手紙の内容までは把握していない。王城でもニキータとゆっくり話す暇がなかったが、期せずして直接彼の意志を聞く機会を得られた。
「殿下以外の誰がヒールオメガに相応しいと言えましょう」
レクスが出会いからどんどん惹かれていったのが、よくわかる。
ニキータもまた、王の伴侶に相応しい。
何せエリセイが忠誠を誓った主人だ。
改めて、誇らしい気持ちで両公子の恋の成就に尽力できる。
(今は、御二人が運命の番であることの証明に集中しよう。さすれば、自分たちが運命の番かどうかの判断にもつながる)
「で、だ。今後の方針を固めるために、俺と別行動になったあと何があったか聞かせてくれ」
エリセイが話を進めた。
今度はニキータが説明役になる。
いわく、レクスが「王城で弔い戦を始めるつもりはない」と厳命し、エリセイを追わなかった。近衛騎士を喪った張本人の言葉にはルドルフも逆らえなかったようだ。
そして、ふたり連れ立って巡回隊のソリで帰城したという。
「レクス殿下は、王城を訪れたことをおおやけにされたのか……」
巡回隊のソリを使えば、迎えたソコロフ城の者にも、どこへ行っていたか一目瞭然だ。
他に帰りの足がなかったとはいえ、軽率な行動だとソコロフ派の面々に追及されていないか心配になる。
自分の不手際のせいで。
「若造も道連れにな。それによって若造は好きに単独行動できなくなった」
歯噛みしていたら、エリセイの大きな手に背中をさすられた。
レクスも考えがあってのことだと。
「確かにプナイネン公の二の矢はまだない。して、エリセイ」
ひととおり話し終えたニキータが、気高い公子の顔でエリセイを見る。
「きみが帰らないのは、何か企みがあるのだと思った。この数日の不在は僕の依頼ということにしてある。王城書庫で重要史料だと言っていた本も、巡回隊に頼んで我が城に持ってきておいた」
「本当か。助かる」
「きみの運命の番を癒し、情報収集も済ませて、これからどう出る?」
エリセイも、いつもの怠け者でなく、アナトリエ家で最も忠実な騎士として胸に手を当てた。
密かに見惚れたのも、束の間。
「聖堂で合議を開こう。議題は――ソコロフ家公子とアナトリエ家公子の密通について」
とんでもないことを言い出した。
12
あなたにおすすめの小説
恵方巻を食べてオメガになるはずが、氷の騎士団長様に胃袋を掴まれ溺愛されています
水凪しおん
BL
「俺はベータだ。けれど、クラウス様の隣に立ちたい」
王城の厨房で働く地味な料理人ルエンは、近衛騎士団長のクラウスに叶わぬ恋をしていた。身分も属性も違う自分には、彼との未来などない。そう諦めかけていたある日、ルエンは「伝説の恵方巻を食べればオメガになれる」という噂を耳にする。
一縷の望みをかけ、ルエンは危険な食材探しの旅へ! しかし、なぜかその旅先にはいつもクラウスの姿があって……?
勘違いから始まる、ベータ料理人×氷の騎士団長の胃袋攻略ラブファンタジー!
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
抑制剤の効かない薬師オメガは森に隠れる。最強騎士団長に見つかり、聖なるフェロモンで理性を溶かされ、国を捨てた逃避行の果てに番となる
水凪しおん
BL
「この香りを嗅いだ瞬間、俺の本能は二つに引き裂かれた」
人里離れた森で暮らす薬師のエリアルは、抑制剤が効かない特異体質のオメガ。彼から放たれるフェロモンは万病を癒やす聖なる力を持つが、同時に理性を失わせる劇薬でもあった。
ある日、流行り病の特効薬を求めて森を訪れた最強の騎士団長・ジークフリートに見つかってしまう。エリアルの香りに強烈に反応しながらも、鋼の理性で耐え抜くジークフリート。
「俺が、貴方の剣となり盾となる」
国を救うための道具として狙われるエリアルを守るため、最強の騎士は地位も名誉も投げ捨て、国を敵に回す逃避行へと旅立つ。
シリアスから始まり、最後は辺境での幸せなスローライフへ。一途な騎士と健気な薬師の、運命のBLファンタジー。
憎くて恋しい君にだけは、絶対会いたくなかったのに。
Q矢(Q.➽)
BL
愛する人達を守る為に、俺は戦いに出たのに。
満身創痍ながらも生き残り、帰還してみれば、とっくの昔に彼は俺を諦めていたらしい。
よし、じゃあ、もう死のうかな…から始まる転生物語。
愛しすぎて愛が枯渇してしまった俺は、もう誰も愛する気力は無い。
だから生まれ変わっても君には会いたく無いって願ったんだ。
それなのに転生先にはまんまと彼が。
でも、どっち?
判別のつかないままの二人の彼の愛と執着に溺死寸前の主人公君。
今世は幸せになりに来ました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる