『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase Ⅲ

Savage Killing

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 ライトとウェルバーは翌朝、長老のの報告を受ける。

 昨日、二人が長老の元へとやってきていたことを目撃していた証言を元に、事情聴取という名目の第一容疑者としての目線を感じながらも事の経緯をウェルバーが、調査隊の隊長であるヘクトールと警備隊長であるオーヴィルの二人に話していた。


「・・・つまり、日が沈む前には長老の家から帰宅した、ということだね?」

「ああ。お前も知っているだろう?チェバラ先生が行方不明なんだ。そのことで長老とは定期的に情報交換をしていた。荒探しばかりしてないで、早く先生を見つけてくれよ調査隊長殿よ!」

「まぁまぁ、逆に目撃証言があるってことは、この二人は‟完璧な白”ってことは間違いないだろう?ヘクトールよ」

「・・・ああ。まぁ、現時点ではな」

 ヘクトールはあからさまに納得がいかない顔を見せる。


 ヘクトールの家系は長年この第6コロニーに代々暮らしているという生粋の”地元民”の血筋で、チェバラ氏がここにやって来なければヘクトールの親の代がここの代表になるはずだった。それをどこの馬の骨とも分からない‟落ちてきた上層の民”というだけで、当時は祭り上げて代表にしたことに親子共々、不満に思っている。チェバラの養子というライトとウェルバーへの‟アゲンストの風”当たりは子供の頃から激しく、何かと対立しつってかかってきたりもしていた。
 事実的にはチェバラが当時の下層には無かった医療技術と知識によって、多くの人の命を救ったという経緯の功労が評価されたからではあるが代々からの血筋、家系によるこのコロニーへの貢献度の方が高いとヘクトール一家は考えている。実質や現実を、ずっと受け入れられないでいた。
 しかし、長くこの地に居たということで多くの親族・親戚がこの第6に住んでいるために今のヘクトールの地位、調査隊長という立場でいられている。
 敬虔なセンター教徒一族であり、その熱心な姿勢から多くの指示を古くから得ていて悪い意味で民主的に、敵に回したくない一家であり周囲の人の殆どが内心、その偉そうな態度の一家を煙たがっていはるものの表面的には良い顔を見せている。
 ウェルバーは昔から何かとライバル視してくるヘクトールにはウンザリしていて、第6では唯一といっていい反発者だった。


「あ、あの・・・で、長老はどうなったのですか?」
 ライトが半泣きの状態でこの殺伐とした空気を切るかのように、疑問を投げかける。

「・・・ああ、えっと、言いにくいんだが、酷い有様だったよ。恐らくはForesterフォレスターの仕業だと推測している」

 オーヴィルがその空気を読むかのように答えた。

「・・・Proberプローバーとか言う奴らも居ると聞いたが」

「おお、よく知っているな、ウェルバー。奴らは捕食と自己顕示欲などを満たすために食い殺すのが目的だ。しかし長老は、殺すことが目的として殺されている。目的と主旨が違う気がするんだ」

「現場はまだ保存されているのか?」

「・・・いや、長老に遺族は居ないし遺体は早々と埋葬される手筈となったよ」
 そう言いながら、オーヴェルはヘクトールの方へ背後から視線を送る。それに何かの意思と意図をウェルバーは感じた。

「・・・そうか。もう、ライトと二人にしてくれないか?俺たちにとって長老とは、先生の次に懇意にしてくれた人だったんだ。だから・・・・・・」

「OK、すまなかったな。行こう、ヘクトール。血の固まり具合からして犯行は深夜から明朝だ。彼らが白なのは動機からも証言からも明白だよ」

 ヘクトールは無言で立ち去る。
 オ―ヴェルはいつもとは似合わず、他人行儀に黙祷をするかのように一礼をしてから去って行った。


「・・・兄さん、まさか・・・・・・」

「まだ詳細が全然、分かっていない。なんとも判断がし難いな」

「長老・・・うっ、うう・・・・・・」

 ライトは我慢していた悲しみを露わにしていく。

「ライト・・・仇は、必ず取ってやろう。相手が誰だろうとな・・・・・・」

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