『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase Ⅴ

The Three Chosen part Ⅴ

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「えーっと、・・・これ、大丈夫?録音されてる?」

「・・・はい、大丈夫です、OKです」

 記者のアシスタントらしき人物がオープンリールデッキのセッティングを終えて、録音を開始している。

「えー・・・では、初めてよろしいでしょうか?」

「はい、いいですよ」

 ロキッチは緊張することもなく、余裕の表情と態度で応対していた。

「では、ロキッチ、今回は今現在行っている”治験”についてお伺いしたいのでが・・・すいません、我々はもう十分熟知してはいますが、記録として教授の方からご説明、今一度お願いできますか?」

 施設内部では医師と呼ばれているロキッチだが、世間体としては教授という肩書を名乗っている。

「ゴホンッ・・・ええ、いいでしょう。先ずはきっかけとしましては御社が毎週?毎月?刊行されている雑誌の小さな企画から始まりました。一般人が自由にフリー投稿できるスペースにて、二名の自称『マリア』『聖母』だと進言されるご婦人方の討論から、その後の話し合いや接触を図る内にその妄想・・・もとい、自己意識の改善、解消されたとお聞きし、本格的な心理学の見地から研究をし新たなる治療法として立証するために、私どもはスタッフ一同、立ち上がりました」

「素晴らしい志と行動ですね」

「ありがとう。そうして我々は聖母投稿の時のような自称、『預言者』『神』『救世主』と名乗る三名の男性の協力を得て、現在も治療中であります」

「現状はどういった状況でしょうか?」

「非常に順調です。三名が同室で暮らし、何事もなく治療へと向かっていますよ」

「意見の食い違いやお互いへの嫌悪感などから、争いには発展していませんか?」

「ええ。我々の管理下の元、厳重にそして安全に実施していますので、そういったトラブルは無縁ですよ」

「三名、もしくは二名と、その自称者たちはコミュニケーションは取っている状態でしょうか?」

「ええ。定期的な面談、対話、そして私を中心とした討論会なんかも実施し、円滑にお互いがコミュニケーションが取れるようになっております」

「教授ご自身で話し合いを?それは安心できますね」

「流石にこの仕事は重要かつ重大ですからね。助手や素人には任せることは出来ないよ」
 ロキッチは不敵な笑みを浮かべながら鼻で笑う。

「もしよろしければ、その治験模様を見せて頂けませんか?」

「全然いいですよ。是非起こしになって下さい」

「ありがとうございます、次回のインタビューではお邪魔させて頂くかもしれませんね」

 記者はアシスタントに向かってサムズアップのサインを送った。

「お待ちしてます。是非、我々は先進的で先見の明をお持ちな善意あるスポンサー様を随時募集しておりますので、そちらも何卒・・・・・・」
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