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Phase Ⅴ
Assassin
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レイアは真っ黒な出で立ちとなり、夜の闇に溶け込んだ。
第3の兵士、戦士として一番に重要なスキルとしては『暗殺術』である。
どうしても男性と真っ向から戦うとなると、腕力、そして体格、体重差で圧倒されてしまい頂上決戦や単騎戦では負けてしまう。兵力としても第3は女性のみの部隊では、頭数も男女ともに兵士として抱えれるその他コロニーとでは分母数と、それに比率し秀でた能力の優秀な者の数も変わってくる。どうしても不利なその生態としてそれを補えるスキルが暗殺、隠密、そして奇策奇襲となるのが必然かのようだ。
その中でもレイアの暗殺術はその右に出る者すら居なかったほど優秀で、前任の女帝が時に仕え何千という数えきれない要人、候補、反逆者を暗殺するようび命じてきた。その恩恵もあり前任は長い間を君臨し、そして今でもその権力と発言力、顔が利く状勢維持ができていると言っても過言ではない。
前任女帝は徹底的な保守派として、誰も信用が出来ないでいた。身内ですら信じることができず、ずっと仕えてきたレイアだけが唯一の信頼できる者だった。故にレイアしか後続は許さず、第3の血筋なども無いポッ出だったレイアを強制的に女帝へと任命し、その後は裏を支配し続けずっと自らの身すらも守り抜いてきた。その建前が無ければ退任後はすぐ様に逆に暗殺されてただろう。
レイアもそのことは分かっていた。
特段、それを邪魔だとも疎ましくも思うことは無く、暗殺者として裏の世界での功績を認められ表舞台に引っ張り出されたとしても、それまでの恩を感じ死ぬ気で頑張ってきた。当然、前任の政治力としてのバックアップがあってこその現在であり、お互いが無いモノを補ってこれたことこそが最高のビジネスパートナーでもあった。が、その反面、敵も多くて大変でもあった。
ただ、今レイアは闇に隠れて改めて思う。自分はこの裏の世界、暗殺者としての自分が好きだと言うことを。
実際に、レイアには表舞台、政治とその長としての自分の素質に疑念を持ち、前任の指示待ちなことに楽しみと幸せを見いだせないでいた。まるで操り人形かのような存在に。
残酷な世界として道端で無暗に惨殺されることも、女として蹂躙されない安心した舞台でいられることは、誰もが羨み目指していたことなので贅沢な想いだというのも分かっている。しかし、定期的な争いの場では常に前戦に趣き、自らを奮い立たせてきたその裏側では暗殺者としての血が顔を出していたことが大きかった。その背中と志に、リサもパメラ達みんながレイアを慕い尊敬の気持ちであることにレイアは気づいてはいない。いや、彼女らのその好意には気づいてはいるが、自らが違う意図、まるで獣のような不純な動機であることでその後ろめたさがずっと裏切っているのではないか、というその自責の重みに耐えられなくなってきたのだった。皆の眼差しがキラキラと輝き、純粋で無垢であればある程、暗殺者としての影を背後や足元に落としていく・・・・・・
レイアの目の前には一人の女性が眠っている。
そこにたどり着くまでに、衛兵や護衛兵を何人か殺してきた。苦痛の声一つ上げさせることもなく。
目的を目下にしながら、レイアはまた思う。
《チーターと私たちは、違いがあるのだろうか・・・・・・》
今まで多くのチーターを女帝として排除し、殺してきたからこそ分かる心境であった。
チーターどもは意中の人物を付け狙い、尾行し、そして今のレイアのように侵入しては自分の好き放題に蹂躙してから、最後には殺す。
《さほど変わらないのではないか・・・・・・》
チーターどもの大半は、最初からそのような行動なのだろうか。そんなことまで考えてしまう。もし、通常の恋愛、結婚のように被害者側が受け入れ、チーターのその思いを受け止めていたとしたら、チーターどもは殺戮までは行わないのではないだろうか・・・と。
《いや、違う。奴らとは意思が違う。奴らはただの快楽を求めて。私は・・・大義の為に!》
目の前の安らかに眠っている女性を左手で口を押えつつ、喉元にナイフを深々と突き立てる。そして気道と共に頸動脈を切り裂き、ナイフを捨て両手で口を塞ぎ続けた。
ボタッ、ボタボタボタッ・・・・・・
声を殺すのに口を力一杯おさえるので首元が少し開き、頸動脈から吹き上げる血がレイア自身から床へと降り注ぐ音が静寂の中を支配する。
目的がピクリとも動かなくなってから、そっと手を離し立ち上がる。
《・・・結果は、何も違わない。ただ、私は弔い敬う。そして私に死が訪れたその時、全てを償おう。この意志も、チーターとは違う点だ》
レイアは最後に血だらけの寝床と遺体を振り返り、一礼をしてまた闇へと潜って行く。
第3の兵士、戦士として一番に重要なスキルとしては『暗殺術』である。
どうしても男性と真っ向から戦うとなると、腕力、そして体格、体重差で圧倒されてしまい頂上決戦や単騎戦では負けてしまう。兵力としても第3は女性のみの部隊では、頭数も男女ともに兵士として抱えれるその他コロニーとでは分母数と、それに比率し秀でた能力の優秀な者の数も変わってくる。どうしても不利なその生態としてそれを補えるスキルが暗殺、隠密、そして奇策奇襲となるのが必然かのようだ。
その中でもレイアの暗殺術はその右に出る者すら居なかったほど優秀で、前任の女帝が時に仕え何千という数えきれない要人、候補、反逆者を暗殺するようび命じてきた。その恩恵もあり前任は長い間を君臨し、そして今でもその権力と発言力、顔が利く状勢維持ができていると言っても過言ではない。
前任女帝は徹底的な保守派として、誰も信用が出来ないでいた。身内ですら信じることができず、ずっと仕えてきたレイアだけが唯一の信頼できる者だった。故にレイアしか後続は許さず、第3の血筋なども無いポッ出だったレイアを強制的に女帝へと任命し、その後は裏を支配し続けずっと自らの身すらも守り抜いてきた。その建前が無ければ退任後はすぐ様に逆に暗殺されてただろう。
レイアもそのことは分かっていた。
特段、それを邪魔だとも疎ましくも思うことは無く、暗殺者として裏の世界での功績を認められ表舞台に引っ張り出されたとしても、それまでの恩を感じ死ぬ気で頑張ってきた。当然、前任の政治力としてのバックアップがあってこその現在であり、お互いが無いモノを補ってこれたことこそが最高のビジネスパートナーでもあった。が、その反面、敵も多くて大変でもあった。
ただ、今レイアは闇に隠れて改めて思う。自分はこの裏の世界、暗殺者としての自分が好きだと言うことを。
実際に、レイアには表舞台、政治とその長としての自分の素質に疑念を持ち、前任の指示待ちなことに楽しみと幸せを見いだせないでいた。まるで操り人形かのような存在に。
残酷な世界として道端で無暗に惨殺されることも、女として蹂躙されない安心した舞台でいられることは、誰もが羨み目指していたことなので贅沢な想いだというのも分かっている。しかし、定期的な争いの場では常に前戦に趣き、自らを奮い立たせてきたその裏側では暗殺者としての血が顔を出していたことが大きかった。その背中と志に、リサもパメラ達みんながレイアを慕い尊敬の気持ちであることにレイアは気づいてはいない。いや、彼女らのその好意には気づいてはいるが、自らが違う意図、まるで獣のような不純な動機であることでその後ろめたさがずっと裏切っているのではないか、というその自責の重みに耐えられなくなってきたのだった。皆の眼差しがキラキラと輝き、純粋で無垢であればある程、暗殺者としての影を背後や足元に落としていく・・・・・・
レイアの目の前には一人の女性が眠っている。
そこにたどり着くまでに、衛兵や護衛兵を何人か殺してきた。苦痛の声一つ上げさせることもなく。
目的を目下にしながら、レイアはまた思う。
《チーターと私たちは、違いがあるのだろうか・・・・・・》
今まで多くのチーターを女帝として排除し、殺してきたからこそ分かる心境であった。
チーターどもは意中の人物を付け狙い、尾行し、そして今のレイアのように侵入しては自分の好き放題に蹂躙してから、最後には殺す。
《さほど変わらないのではないか・・・・・・》
チーターどもの大半は、最初からそのような行動なのだろうか。そんなことまで考えてしまう。もし、通常の恋愛、結婚のように被害者側が受け入れ、チーターのその思いを受け止めていたとしたら、チーターどもは殺戮までは行わないのではないだろうか・・・と。
《いや、違う。奴らとは意思が違う。奴らはただの快楽を求めて。私は・・・大義の為に!》
目の前の安らかに眠っている女性を左手で口を押えつつ、喉元にナイフを深々と突き立てる。そして気道と共に頸動脈を切り裂き、ナイフを捨て両手で口を塞ぎ続けた。
ボタッ、ボタボタボタッ・・・・・・
声を殺すのに口を力一杯おさえるので首元が少し開き、頸動脈から吹き上げる血がレイア自身から床へと降り注ぐ音が静寂の中を支配する。
目的がピクリとも動かなくなってから、そっと手を離し立ち上がる。
《・・・結果は、何も違わない。ただ、私は弔い敬う。そして私に死が訪れたその時、全てを償おう。この意志も、チーターとは違う点だ》
レイアは最後に血だらけの寝床と遺体を振り返り、一礼をしてまた闇へと潜って行く。
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